2021年1月6日11時0分に産経新聞から下記趣旨の記事が、実験時の写真付きでネット配信されていた。
全国の火災を出火原因別にみると「たばこ」がトップで、乾燥する冬場などは特に気をつけたいところ。
だが岡山市では少し事情が異なり、ここ3年連続でトップは「たき火」だ。
岡山県が農業が盛んなことが背景にある。
こうした状況を受け、同市消防局は初めて啓発動画を作成。
さらに防火教室などでは、もし衣服に火がついたとき、地面に倒れ込み、左右に転がって火を消して-と呼びかけている。
【5件に1件】
下草についた火が風にあおられ、煙とともに広がる。
火は納屋の壁に見立てた木の板やマネキンの着た衣服にも燃え移った。
同市消防局が実際に起きた火災の再現実験を行い、撮影した映像だ。
12月22日、動画投稿サイトのユーチューブで公開を始めた。
同市では平成29年~令和元年の3年間、火災原因のトップはたき火。
このうち元年は、火災の発生件数200件中、たき火は40件で、5件に1件の割合だった。
令和2年も11月末現在で全体の件数162件(速報値)の火災のうち、たき火は37件(同)を占めている。
全国の傾向とは違っていて、消防白書によると、平成30年の全国の出火件数3万7981件のうち、出火原因のトップは3414件で、たばこ。
たき火は3095件で、その次だった。
岡山でたき火が原因の火災が多いのは、田畑の多さと瀬戸内地方の乾燥した気候によるとみられる。
県南部では江戸時代から稲作地帯が形成され、近代の明治38年~昭和38年の長期にわたる児島湾の干拓で水田はさらに拡大した。
現在も郊外を中心に田畑が広がっており、草刈りをした後にわらや枯れ草をまとめて燃やすのは、冬場によく見られる光景だ。
【ストップ ドロップ アンド ロール】
同市消防局によると、失火は高齢の農業従事者が起こす傾向がある。
「慣れているのか、中にはたき火をしたまま現場を離れて食事に行ってしまう人もいた」と担当者。
いったん燃え広がった火を制御することは難しい。
同市消防局では、火元を離れず、水を入れたバケツなど消火の準備を行い、周りに燃えやすいものがないかを確認することを、予防策として求めている。
また、すぐに通報ができるよう、たき火をする際は携帯電話を所持しておくことも呼びかけている。
一方、この機会に推奨しているのが、衣服に火がついたときの対処法。
衣服に火がついたとき、焦って走るとかえって火が広がってしまう上、直立状態だと火が頭に延焼し、頭部や気道をやけどする恐れがある。
そこで、地面に倒れ込み、顔を手で覆って左右に転がり、火を地面に押し付けて消すという。
1980年代に米国で火災予防教育として始まったとされる「ストップ ドロップ アンド ロール(Stop Drop and Roll)」という手法で、国内でも各自治体で啓発が進んでいる。
岡山市では「横文字だと高齢者にはなじみが薄い」として、この名称は使っていないが、地域の防火教室などで手法を奨励。
担当者は「今後、より分かりやすく広報啓発を進めたい」としている。
https://www.sankei.com/west/news/210106/wst2101060002-n1.html
(ブログ者コメント)
以下は岡山市が発信しているユーチューブ映像(5分38秒)
実験映像以外、過去のデータでは風速2m程度のおだやかな風の時の事例が一番多かったなど、専門家のインタビュー解説もある。
https://www.youtube.com/watch?v=u2GqQARbJlk
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
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