2021年1月8日10時26分にNHK岩手から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
今月5日、医薬品製造会社「Sファーマ」の金ケ崎工場で、およそ10トンのジクロロメタンを貯蔵していたタンクのメモリがゼロになっているのを作業員が見つけました。
ジクロロメタンは工場では洗浄剤として使用されていて、雪の重みでタンクのバルブがゆるみ、敷地内に漏洩したとみられています。
ジクロロメタンは発がん性がある有害物質で、敷地外の河川などにも流出したおそれがあることから6日、工場から岩手県に通報があったということです。
工場のそばには北上川に合流する2つの河川があり、通報を受けた県が河川管理者の国などと水質調査を行いましたが、水質の汚濁はみられず、数値の異常もなかったということです。
また、これまでに、異臭や健康被害などの情報も寄せられていないということです。
県では、工場の敷地外に流出した可能性は低いとみていますが、念のため、水質や周囲の環境への影響について当面の間、調査を行うことにしています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/morioka/20210108/6040009607.html
1月6日23時4分に産経新聞からは、タンク上部からの落雪が原因だったらしいなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
岩手県などは6日、医薬品製造「Sファーマ」の金ケ崎工場(金ケ崎町)のタンクから、有害物質のジクロロメタンが最大で約10トン漏れたと発表した。
けが人はいない。
同社は、工場敷地外への流出は確認されていないとしている。
同社によると、5日午後に従業員が発見。
タンク上部からの落雪で、バルブが緩んだのが原因の可能性があるという。
県は付近の川やため池の水質調査をしている。
https://www.sankei.com/affairs/news/210106/afr2101060015-n1.html
1月10日19時35分にNHK北海道からは、拡散防止対策を進めるなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
Sファーマによりますと、今月5日、金ケ崎町の工場で、屋外にあるジクロロメタンを貯蔵していたタンクの排出弁が開き、およそ15キロリットル漏れ出したということです。
発見したときに、排出弁が半分ほど開き、タンクの上部に雪が積もっていたことから、会社では雪が落ちてバルブがゆるんだとみています。
ジクロロメタンは発がん性がある有害物質で、会社が漏れ出した現場付近の土壌水を調べたところ、8日になって、高濃度のジクロロメタンが検出されたということです。
工場周辺への影響については、県や国が7日に、周辺の河川7か所で水質調査を行ったところ、いずれも基準値を下回りました。
また、会社が周辺の井戸水を15か所を調べたところ、9日の時点では、ジクロロメタンは検出されていません。
ただ、会社では、工場から半径1.2キロの住民や企業に対して、念のため、地下水を飲料に使わないよう要請し、飲料水を提供したということです。
今後、県や国とともに水質や周囲の環境への影響について調査を続け、漏れ出したジクロロメタンが拡散しないよう対策を進めることにしています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/morioka/20210110/6040009633.html
(ブログ者コメント)
〇落雪で弁が半分ほど開いたという点から考えると、コックバルブが使われていて、レバーが真横になると閉、真下になると開、という状態だったのかもしれない。
水道蛇口のレバーであれば、下に押すと水が止まるので、上から物が落ちてきても出っ放しになることはないのだが・・・。
それにしても、万一の事態に備え、なぜキャップを取り付けていなかったのだろうか?
〇ジクロロメタンは地下浸透力が強い物質ゆえ、早期に土壌汚染拡散防止対策がとられるものと思われる。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。