2022年3月18日に掲載した第2報がブログ運営会社の字数制限に抵触しましたので、ここに新情報を第3報修正6として掲載します。
第2報は下記参照。
https://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/12359/
(2022年12月21日 修正6 ;追記)
2022年12月15日22時6分にYAHOOニュース(新潟放送)からは、休憩中にも焼き釜の火がついていたためセンベイ屑が空焚き状態で加熱され発火に至ったとする会社側の事故報告書が公表されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
三幸製菓が設置した外部の専門家を交えた事故調査委員会が15日、火災の原因などについてまとめた報告書を公表しました。
委員会は検証した内容を順次報告書にまとめていて、今回公表された二次報告書では火災の原因などについてとりまとめました。
報告書では、火が出た原因については、休憩中に焼き釜の火を止めず「せんべいくずが空焚き状態で加温され発火に至ったと推定される」としました。
また、火が燃え広がった経過については、火元と思われる焼釜室から火が天井に燃え移り、天井の発泡ウレタンを燃焼。「1階天井に沿って水平方向へ延焼していったものと考えられる」と推測しています。
火災発生のおよそ3分後には、高圧ケーブルが火災により断線し、工場全域で停電が発生。
そのため「Fスタジオ内での光源が断たれるとともに、電動シャッターの開閉が困難となった」ため、避難が困難になったともしています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/1a3d7fb4c8ce2392161996cf14cc8aed91f22548
12月17日7時25分に読売新聞からは、再現実験結果、天井に吹きつけられた発泡ポリウレタンによって延焼が拡大した可能性大などとする消防庁の中間報告書が公表されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
総務省消防庁は16日、煎餅かすから出火したと指摘する中間報告を公表した。
同庁は今年度中に最終報告を策定する予定。
報告書によると、火災は2月11日深夜に発生。
従業員の目撃情報や屋外カメラの映像などから、乾燥機の内部を出火場所と推定した。
また、同庁は、断熱材の発泡ポリウレタンが吹き付けられた天井(横幅10メートル、奥行き5メートル)を使って再現実験を実施。
ガスバーナーを天井に近づけると、10秒程度で表面に着火、2~3分ほどで天井全体へと炎が回り、5分程度でほぼ燃え尽きたという。
下地材のみの天井で実験を行った場合は、ガスバーナーを1分ほど近づけても着火しなかったことなどから、発泡ポリウレタンが延焼を拡大させた可能性が高いと指摘した。
村上市消防本部によると、荒川工場では1988年~2019年に8件のぼやや部分焼が起きている。
その多くは、今回の中間報告でも指摘された乾燥機内にたまった煎餅のかすが発火したものだったという。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20221216-OYT1T50245/
12月16日18時1分に産経新聞からは、乾燥機内部からは2~3cm厚さの菓子屑が見つかっていたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
総務省消防庁の報告書によると、出火場所とされる乾燥機の内部からは火災後、2~3センチ堆積した菓子くずの炭化物が見つかり、「油分を含んだ菓子くずが、熱を受けて発火点に達した可能性が最も高い」とした。
https://www.sankei.com/article/20221216-WRVMK5IZOVIKFPCZ5GRJ7JMTTY/
12月17日12時38分に朝日新聞からは、焼き釜上部の乾燥機が熱せられ底にたまっていたセンベイかすが燃えた、火災報知器が何回も発報していたので発報しても作業を続けるのが普通になっていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
三幸製菓の報告書によると、当時は休憩時間で、工程は止まっていた。
せんべいがない状態で火が付いたままになっていた焼き窯から、上部に設置された乾燥機が熱せられ、底にたまったせんべいのかすが燃えたと考えられるとした。
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調査委の聞き取りに、従業員のほとんどが非常口の存在を知らなかったと答えた。
報告書は、停電を想定したものになっていなかった点なども含め、避難訓練の不十分さを指摘した。
さらに、火災報知機が年に数回は誤って発報し、火災前月の1月には5回あったことを挙げ、発報しても作業を続けるのが「一般的な対応」になっていたとして問題視。
当時もそうだったとした。
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https://www.asahi.com/articles/ASQDK0455QDJUOHB001.html
11月11日付の三幸製菓報告書要約版には、焼釜は温度制御できない状態で加温されていたなど、下記趣旨の記載があった。
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第6 本件事故の分析と評価
1 出火原因についての分析
① 発火源
発火源については、焼・味付工程第 3 号焼窯のシュバンクバーナーであると推認される。
焼釜の膨化部分においては、シュバンクバーナーが密集して設置されているために、他の部分よりも高温となりやすい設備設計になっていた。
② 経過
焼窯上部に設置していた乾燥機が空焚き状態となり、底部に堆積していた煎餅屑 が高温になり発火したと想定される。
主たる要因は、乾燥機が焼窯の上部にあり温度制御できない状態で加温されていたことと考えられる。
③ 着火物
乾燥機は網コンベアが 2 段構造になっており、折り返しの部分には落差が生じるために、煎餅屑等が発生しやすい構造になっていた。
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https://www.sanko-seika.co.jp/apology/pdf/news20221215.pdf
(2023年4月2日 修正7 ;追記)
2023年3月31日15時58分にNHK首都圏からは、消防庁からも事故報告書が公表されたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
総務省消防庁は31日、最終的な報告書をまとめ、公表しました。
それによりますと、せんべいの乾燥機にたまった油分を含んだかけらが乾燥機の熱を受け、酸化反応を起こしたことで高温になって火が出たとしています。
また再現実験の結果から、会社が断熱材として工場の天井に吹き付けていた発泡ポリウレタンに着火し、延焼が拡大したと結論づけています。
多数の死傷者が出た要因についても検討し、火災が急速に拡大し夜間に停電したうえ、有毒ガスを含んだ黒煙が大量に発生したことから避難が困難だったと考えられるとしています。
さらに、当時、夜間に勤務していた従業員の多くは消防訓練に参加したことが無く、防火シャッターや非常時の出口が周知されていなかったことが避難をより困難にさせたと考えられると指摘しました。
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20230331/1000091105.html
(ブログ者コメント)
以下は消防庁の事故報告書(概要版)
https://www.fdma.go.jp/pressrelease/houdou/items/230331_yobou_1.pdf
参考までに、以下は三幸製菓の事故報告書(概要版)
https://www.sanko-seika.co.jp/apology/pdf/news20221215.pdf
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。