2022年3月5日13時0分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
愛知県犬山市で2020年7月、心肺停止状態の80代男性に救急隊が救命処置をした際、救急車に載せていた自動体外式除細動器(AED)のバッテリー残量が不足し、電気ショックを継続できない事態が起きていたことが分かった。
男性は搬送先の病院で死亡したが、消防側は「死亡との因果関係は認められなかった」として、バッテリー切れだったことを当時、遺族に説明していなかった。
犬山市消防本部の説明によると、20年7月、男性の妻からの119番通報を受けて市消防署北出張所から救急車が出動。
救急救命士らが男性の自宅で心臓マッサージや人工呼吸をしながら、AEDで電気ショックを4回実施した。
継続して5回目を試みたが、作動しなかった。
予備バッテリーも充電できておらず、電気ショックを続けられなかった。
AEDの心電図は電気ショックを継続すべき波形を示していたという。
救急隊は、こうした状況を医師に連絡しながら、男性を救急車で搬送。
妻に対し、電気ショックを継続できないと言ったものの、バッテリー切れとは説明しなかったという。
市消防本部は当時、救急隊の対応と男性の死亡との因果関係を検証したという。
水野・消防次長兼消防署長は4日、朝日新聞の取材に対し、「搬送先の医師は電気ショックを継続していても蘇生できなかったと判断し、因果関係を否定した。搬送は早くしており問題ないと考えた」と答えた。
当日朝に隊員がバッテリーを確認したが、残量を見誤ったとみられる。
今月、報道機関の取材を受けた消防本部は、男性の自宅に電話で連絡し、搬送時に不手際があったと伝えたが、それ以上の説明は不要と言われたという。
https://www.asahi.com/articles/ASQ346WFYQ34OBJB00P.html
3月4日10時51分に中日新聞からは、バッテリーの充電は毎朝確認しているなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
犬山市消防本部で二〇二〇年夏、八十代男性を心肺停止状態で救急搬送する際、救急車に積んでいた自動体外式除細動器(AED)のバッテリーが途中で切れて使えなくなっていたことが、同本部への取材で分かった。
男性は搬送先の病院で亡くなった。
水野署長は本紙の取材に「フル充電状態でなかった点は、管理が甘かった」と答えた。
当時、医師からは死亡との因果関係について指摘は受けなかったという。
取材を受け、同本部は三日に遺族に謝罪した。
同本部の説明では、二〇年七月、「人が倒れている」との一一九番通報で出動。
到着時は男性は心肺停止状態で、救急隊員がAEDで電気ショックを四回行い、さらに五回目をしようとしたところで充電が切れた。
予備バッテリーも充電不足で作動しなかった。
同本部によると、バッテリーの充電は毎朝確認しているが、この時は出動や訓練で残量が減ったままになっていた可能性がある。
予備バッテリーも充電状態を確認していなかった。
その後は確認を徹底するようにしたという。
水野署長は「電気ショックを四回行っての社会復帰はなかなか難しい。当時検証したが、問題なかったと判断した」と話した。
https://www.chunichi.co.jp/article/428641
(ブログ者コメント)
救急車AEDのバッテリー切れが報道されたのは、ブログ者が知る限り、今年これで3例目だ。
前の2例は本ブログでも紹介スミ。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。