2022年4月6日11時29分にYAHOOニュース(テレビ岩手)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
岩手県の防災ヘリが山林火災の消火作業中、上空から撒いた水が地上の消防団員に直撃して重傷を負っていたことがわかり、国土交通省は調査官の派遣を決めた。
国土交通省によりますと、3日、岩泉町安家で発生した山林火災の消火作業で、岩手県の防災ヘリが上空30メートルからまいた大量の水が地上の消防団員に直撃し、背骨を折る重傷を負ったという。
国土交通省は5日、詳しい経緯を確認し、消防団員のけがが重傷であることなどから、航空事故にあたると判断した。
6日午後、運輸安全委員会の調査官2人が花巻市にある県の防災航空隊で聞き取りなどの調査を行い、7日、岩泉町の事故現場を調査する予定。
https://news.yahoo.co.jp/articles/5e4f56f2dd7399ada7ffd2ed599e96401a8dcdc8
4月6日11時54分にYAHOOニュース(岩手朝日テレビ)からは、30m上空から撒いた700ℓの水が一度に当たった可能性もあるなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
4月3日、岩手県岩泉町で発生した山火事の消火活動にあたっていた消防団員の男性が県の防災ヘリからの大量の水があたって大けがしたことが分かりました。
県などによりますと、事故は3日午後3時半ごろ、岩泉町安家で発生した山火事の消火活動中に県の防災ヘリが上空から水をまいた際に、下にいた岩泉町消防団員の50代の男性が背骨などを折る大けがをしたということです。
事故は痛みを訴えた男性からの申し出で発覚し、防災ヘリが高度30メートルの上空からまいた700リットルの水が一度にあたった可能性もあるとみられています。
事故を受けて国土交通省はきのう、航空事故に認定しました。
6日は運輸安全委員会の調査員2人が花巻市の防災航空センターで聞き取りを実施し、7日現場を調査するということです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/d9593775c9e89a39b5497be7c0c4ac1f67196b5f
4月4日付で岩手日報からは、直前に高齢男性が野焼きしていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3日午前11時10分ごろ、岩泉町安家字大平の牧草地から出火し、山林に延焼した。
宮古地区消防本部などによると、消防署員や消防団員約90人と県防災ヘリが消火に出動。
午後4時20分に鎮圧した。
けが人は確認されていない。
現場は旧大平小中の近く。
地元住民が、山に火が燃え広がっていると119番通報した。
直前に近くの高齢男性が野焼きをしていたといい、岩泉署が原因や焼失面積を調査中。
https://www.iwate-np.co.jp/article/2022/4/4/112867
4月6日16時44分にNHK岩手からは、ヘリから避難の呼びかけがあったが残り火を消そうと活動していたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
防災ヘリコプターは水をまく際、地上にいた消防団員などに無線や拡声器などで水が当たるおそれがあるエリアから避難するよう呼びかけていたということです。
けがをした男性は「避難の呼びかけを知っていたが、残り火があったので消そうと思い、ほかの団員と離れて活動していた。すぐに待避できず水を避けられなかった」と説明しているということです。
県消防安全課の田端総括課長は、「けがをされた男性などには心からお見舞い申し上げます。国の調査には真摯に対応し、調査結果を踏まえて再発防止策を検討したい」と話しています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/morioka/20220406/6040013945.html
(2023年2月17日 修正1 ;追記)
2023年2月16日18時50分にYAHOOニュース(岩手めんこいテレビ)からは、ヘリと地上の連絡不十分などとした報告書が公表されたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
国の運輸安全委員会は2月16日「地上とヘリとの連携不足」が原因とする調査報告書を公表しました。
この事故は2022年4月、岩泉町安家で起きた林野火災で、地上にいた50代の男性消防団員が県の防災ヘリからまかれた水に当たり、背骨を折る大けがをしたもので、運輸安全委員会が原因を調査してきました。
16日に公表された報告書では、当時の状況について「鎮火が近づいていた中でヘリと地上消防隊が同じ場所で活動していた」と分析。
本来、ヘリと地上で必ず事前に連携を取るべきなのに、それが不十分だったため、水が消防団員を直撃したと結論付けています。
県 消防安全課 田端総括課長:
「(県の)マニュアルに情報共有のやり方が詳細には書かれていなかった。報告書の内容を確認のうえ必要な対応を行うこととしていて、防災ヘリコプターのさらなる安全運航に努めていきたい」
県では2022年6月、ヘリから散水する際は地上との情報共有を確実に行うことを各消防本部に通知していましたが、今回の報告書を受けて、さらに検討を重ね、3月中をめどにマニュアルを改訂する方針です。
https://news.yahoo.co.jp/articles/e47a4320c9b85922b8a91ffef43510e3d2b76cbd
※以下は、運輸安全委員会報告書の主要点抜粋。
くすぶっている同じ場所で地上と上空から消火活動していた、低速で散水したため水が拡散しなかった、樹木が密集していて上空からは人が見えにくかったなどと記されている。
(p16/17)
・・・
負傷した消防団員は、同機が上空を飛行していない間に図7の黄色の経路を移動して、くすぶった倒木の消火活動を行っていたと考えられる。
15時23分に同機が火災現場上空を飛行した際、副操縦士は、火災は収まりつつあり、火は見えなかったと述べていることから、火災が鎮火に近づき延焼区域が狭い範囲になっていたと考えられる。
その後、同機は700ℓ を給水し、15時31分40秒ごろ、煙が出ていた箇所に誘導され散水したが、同機と地上消防隊との間で十分な連携が行われず、くすぶっていた同じ箇所に対して、同機と負傷した消防団員が重複して消火活動を行ったものと考えられる。
・・・
事故発生時、火災が収まりつつあり、消火範囲が狭くなっていたため、機長はホイストオペレーターが誘導しやすく、かつ効率的な消火を行うため低速で散水を行ったと考えられる。
地速度4ktの低速で散水したことにより、拡散せずに大量の水が散水されたことから、散水の直撃を受けた消防団員への衝撃を増加させた可能性が考えられる。
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事故が発生した場所付近では、樹木が密集しているため、斜め方向から人影を視認することは困難であったと考えられる。
したがって、事故発生時の誘導中は、同機から負傷した消防団員を斜め上方向から地上を視認することになることから、早期に発見することは困難である。
さらに、負傷した消防団員は、樹木が密集している中で同機を直前に視認したため、同機を視認後に安全な場所へ退避することは、空間的かつ時間的な余裕がなく困難であったと考えられる。
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http://www.mlit.go.jp/jtsb/aircraft/rep-acci/AA2023-1-1-JA10TE.pdf
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。