2022年7月18日9時1分にYAHOOニュース(神戸新聞)から、下記趣旨の記事が現場写真付きでネット配信されていた。
神戸市消防局は17日深夜、市内で同日昼間にあった団地の火災で心肺停止状態の女性(56)を3階の部屋から救助中、約5メートルの高さから地上に落下させる事故を起こしたと発表した。
女性は搬送先の病院で死亡が確認された。
事故との因果関係は不明だが、同消防局は「あり得ないミス」とする。
一体何があったのか。
同消防局と兵庫県警神戸北署によると、火災は午後4時すぎ、同市北区君影町1のUR都市機構鈴蘭台第5団地7号棟(5階建て)の3階の一室で発生。
同40分ごろ、はしごでベランダから進入した消防隊員が、心肺停止状態の女性を室内で発見したという。
近くに住む30代の女性は火災当時を振り返り、「バチン、バチンと音がしたので避難した。振り返ると、(出火した)部屋のベランダから黒色の煙が上がり、灰が舞っていた」と話す。
同消防局と同署によると、まだ火が完全に消えていない中、3階のベランダにいた隊員2人と地上の2人が協力して地上への救助を試みる。
女性にハーネス型の救助器具を装着し、ロープと接続して活動を開始。
1メートルほど降ろしたところで、女性の足が建物の壁に接触し、バランスが崩れて救助器具から抜け、下半身から芝生に落ちたという。
その後、すぐに病院に搬送されたが、落下から約1時間後に死亡が確認された。
事故との因果関係は「司法解剖の後に確定するため不明」とするが、同消防局の担当者は「要救助者を落下させることはあってはならない不手際で、今までにもなかった。原因を究明し、再発防止に努める」と話した。
神戸北署によると、検視の結果、女性は右太ももの骨折と右側頭部に約5センチのすり傷を負っていたという。
司法解剖し、詳しい死因を調べる。
https://news.yahoo.co.jp/articles/d6510d2f5225d498534cd72ffe698179f15739e2
7月21日17時42分にYAHOOニュース(mBS NEWS)からは、縛帯という器具を女性の体に装着して降ろしていた、死因は焼死だったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
神戸市消防局によりますと、心肺停止状態だった住人の50代の女性をベランダから救助する際に、縛帯という器具を女性の体に装着して降ろしていたところ、女性の左足が壁にあたってバランスが崩れ、約5m下の地面に落下したということです。
女性はその後、病院で死亡が確認されました。
司法解剖の結果、死因は焼死で、落下事故は原因ではないと判明しましたが、神戸市消防局は7月21日に改めて事故について謝罪しました。
(神戸市消防局 濱田警防部長) :
「救助活動中に要救助者を落下させることはあってならないことで、お亡くなりになられた女性とご遺族にお詫びを申し上げます」
神戸市消防局では今後、検証委員会を立ち上げ、事故原因をさらに詳しく調べるとしています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/5254e8a204592c0443d581ea6474e941e9c5f3a0
7月21日17時25分にYAHOOニュース(神戸新聞からは、縛帯が外れたため落下した、今後は落下制止器具も併用するなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
同消防局によると、降下する際に女性の足がバルコニーの下部に接触してバランスを崩し、取り付けたハーネス型の救助器具「縛帯」が何らかの原因で外れたという。
当時は部屋と地上で計4人の隊員が救助に当たっていた。
神戸北署によると、検視の結果、女性には右脚を骨折するなどの外傷があったが、同消防局は「現時点で落下によるけがの有無は確認していない」とした。
同消防局は事故の原因を分析するため、8月に救助の専門家らによる検証委員会を立ち上げるほか、今後は縛帯に加え、落下を制止する器具も併用して救助活動を行うという。
https://news.yahoo.co.jp/articles/528748a655975fc72b3fb2ae914e8d3be4f141ab
(ブログ者コメント)
バランスが崩れた際に両腕がスポッと抜けた、あるいは器具の取り付けミスといった原因が考えられそうだ。
(2022年11月30日 修正1 ;追記)
2022年11月29日20時6分にYAHOOニュース(サンテレビ)からは、事故報告書がまとまった、推定原因は火傷の影響で臀部とハーネスがずれたことや圧迫しないようハーネスを少し緩めて締めたことだったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
2022年7月、神戸市北区君影町の共同住宅で起きた火事では、消防が建物の3階部分から心肺停止状態の女性(56)を救助する際に落下させる事故がありました。
女性の死因は焼死で、落下事故とは直接の関係はありませんでしたが、神戸市消防局は大学教授などでつくる検証会を開き、事故原因を分析してきました。
3回の会合を経て検証会がまとめた報告書によりますと、女性が負ったやけどの影響で臀部と救助用ハーネスの間が滑りズレが生じたことや、ベルトを締める際、圧迫しないよう少し緩めて締めたことなどが落下原因と推定されるということです。
検証会は再発防止に向けて「要救助者の状態に応じた活動を実施する」としています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/f1a49aeb7daed0cc8513f54cc7eaf798d3fecc9c
11月29日17時17分にNHK兵庫からも同趣旨の記事がネット配信されていた。
事故を受けて、市消防局は再発防止策などを検討するための検証会を設置し、当時の状況を再現した落下実験などを重ねてきましたが、このほど報告書がまとまり、29日に公表されました。
それによりますと、落下した原因として、女性を持ち上げる時の動きや火事によるやけどの影響で固定していたでん部と救助器具がずれたことや、女性の肩や股にベルトを締める際、圧迫しないよう少し緩めて締めたことなどが推定されるとしています。
その上で、再発防止に向けて、救助する人の意識の有無ややけどの程度など、状況に応じた救助活動ができるよう、さらに訓練を重ねることや、より安全性の高い救助器具を民間の事業者とともに開発していくことなどを挙げています。
市消防局は、「刻々と変化する現場での危険の予知を今まで以上に行えるよう、訓練や研修を充実させ、再発防止につなげたい」と話していました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kobe/20221129/2020020293.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。