2022年12月21日付でRKBから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
福岡市中心部で21日午前、通常の20倍を超える二酸化硫黄が観測された。
健康被害を心配する濃度ではなかったものの、市民からは「臭い」と通報が相次ぐ事態になった。
専門家は、鹿児島付近の火山から二酸化硫黄を含んだガスが、風に乗って福岡に流れ込んだ可能性があるとの見方を示している。
【マスク越しでも“異臭”通報相次ぐ】
「部屋の中まで匂ってきた」、「汚物っぽい臭い」と眉をひそめるのは福岡市の市民。
多くの人が“異変”を感じたのは21日午前8時ごろのことだった。
福岡市環境保全課などによると、この頃から市や消防に「異臭がする」との通報が相次いだ。
RKB今林記者:
「福岡市中央区ではマスクをしていても感じられるほど異臭がしています。
測定局では二酸化硫黄の濃度が上昇しています」
福岡市中央区春吉では、二酸化硫黄の濃度が「0.023ppm(午前9時時点)」に上がり、通常の20倍を超えた。
福岡市内の別の観測地点や佐賀県東部などでも数値が上昇した。
西部ガスによると、ガス漏れは確認されず、工場などから流出したという情報も入っていない。
【火山から出た「二酸化硫黄」が流れ込んだ?】
大気中の微粒子の予測などを専門としている九州大学の竹村俊彦主幹教授は、臭いの発生源は福岡市ではなく、遠く離れた場所の可能性を指摘する。
竹村主幹教授の公開している大気汚染物質の予測モデルでは「火山」が関係していそうだ。
九州大学・竹村主幹教授:
「火山から出た二酸化硫黄などが風の流れに乗って行った東シナ海に出て、それが有明海あたりから鳥栖・基山に入り福岡市に流れてきたと考えるのが今、想定される範囲で可能性があります」
実際の測定値でも、佐賀県東部の鳥栖市などで濃度が上がった後に、北側に位置する福岡市で濃度が上がっている。
過去には、熊本県の阿蘇山の活動が活発な時に流れ出た二酸化硫黄によって異臭が広がったこともあった。
しかし、福岡管区気象台は「阿蘇山の活動は、現在、そこまで活発ではない」と話す。
【 “鹿児島南部”の空気が福岡まで移動した可能性も】
竹村主幹教授のシミュレーションでは、20日に鹿児島南部にあった空気が翌日の21日午前に九州北部に流れ込んだという。
九州大学・竹村主幹教授:
「福岡に近い火山として阿蘇山周辺が考えられますが、実は熊本県の二酸化硫黄の濃度は、21日は全然上がっていないんです。
鹿児島あたりの九州南部から風の流れに乗って九州北部に飛来してきたということですね。
発生源としては、火山から発生した二酸化硫黄が考えられます」
鹿児島県の分析では、20日夜は桜島付近で二酸化硫黄の濃度が高かったことも分かっている。
さらに、鳥栖市付近に21日午前6時に到達した空気の塊がどこから来たかをアメリカ海洋大気庁(NOAA)の公開情報で調べると、竹村教授の仮説と同じく鹿児島から流入したルートを示した。
多くの市民を巻き込んだ“異臭騒ぎ”は、午後3時時点ではほぼ解消されている。
福岡市消防局によると、健康被害の報告もないという。
https://rkb.jp/news-rkb/202212214197/
12月23日6時52分に読売新聞からは、福岡県と佐賀県は九州南部からの火山ガスの可能性ありとの見解を示した、ガス中の二酸化硫黄などが当時降っていた雨に溶け込んで地表に落ちた模様など、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
福岡、佐賀両県は22日、福岡市や佐賀県鳥栖市などで21日に通常より高い濃度の二酸化硫黄が観測され、桜島(鹿児島市)など九州南部の火山から生じた二酸化硫黄が風で運ばれた可能性があるとの見解を示した。
両県によると、21日午前、「硫黄のような臭いがする」との通報が相次いだ。
二酸化硫黄の濃度は通常は0・001ppm程度だが、福岡市で0・023ppm、鳥栖市で0・018ppmを観測。
いずれも環境基準の半分程度で、健康への影響はないとみられる。
福岡県が同日の大気の流れを解析したところ、大陸から九州北部に向かう大気の一部が南方を回って北上し、桜島などで発生した二酸化硫黄が運ばれた可能性があるという。
鹿児島地方気象台によると、19日は桜島から通常よりやや多い火山ガスが放出されていた。
九州大応用力学研究所の竹村俊彦主幹教授によると、九州北部まで移動した二酸化硫黄や硫化水素が、当時降っていた雨に溶け込んで地表に落ちたと考えられるという。
https://www.yomiuri.co.jp/science/20221223-OYT1T50053/
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。