2022年12月22日4時0分にYAHOOニュース(気象予報士の寄稿文?)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
【強い寒気南下と停電】
令和4年(2022年)12月18日(日)から19日(月)にかけて、日本付近は強い寒気が南下し、冬型の気圧配置が強まって、北日本から西日本の日本海側を中心に暴風雪や大雪になりました。
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新潟県柏崎市を通る国道8号線では、一時22キロの大渋滞をし、自衛隊が出動する事態となりました。
また、東北6県と新潟県で営業をしている東北電力によると、1万5500戸(19日21時現在)も停電しています。
約700戸が停電していた柏崎市では、暖をとろうとして自宅前に止めた軽自動車内にいた女性が一酸化炭素中毒で亡くなっています。
柏崎署は、車のマフラーが雪で埋まり、排ガスが車内に流入したとみています。
【暴風雪や湿った雪による大規模な停電】
今から17年前の平成17年(2005年)12月22日、新潟県下越地方は、暴風雪による塩風害とギャロッピング現象で65万戸が停電するという、「新潟大停電」が発生しています。
停電が発生したのは、22日8時10分頃で、新潟市の大半は22日中に復旧しましたが、県北部で復旧したのは31時間後の23日15時10分頃でした。
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新潟大停電の日は、三陸沖で低気圧が発達し、西高東低の強い冬型の気圧配置となって強い寒気が南下していました(図2)。
この日の新潟市秋葉区の新津にあるアメダス観測によると、朝から昼前は、着雪適温帯の気温で断続的に雪が降り、風速は10メートル前後と強く、風向は西南西から西北西というほぼ西風(海よりの風)が継続していました(図3)。
このため、海上から塩分粒子を含んだ雪が吹き付け、電源装置に付着して停電させるという塩風害が発生したのですが、これに加えて、ギャロッピング現象が発生し、大規模な停電につながりました。
ギャロップ現象の語源となっているギャロップ(gallop)は、襲歩(しゅうほ))ともいわれ、全速力で走る際の馬の走法のことです。
ギャロップにおいては、3本以上の肢が接地している時期がなく、4本いずれもが接地していない時期がありますが、このように躍動する馬のように、電線が上下動するのがギャロッピング現象です(タイトル画像参照)。
ギャロッピング現象は、気温が着雪適温帯と呼ばれる0度から2度の範囲にあり、風速が5メートル以上の風が吹き、加えて、風向がほぼ一定の時に発生します。
これらの条件が揃うと、電線には翼のような氷が付着し、揚力によって電線が大きく上下動して接触し、ショート(短絡)するからです(図4)。
新潟大停電の時は、まさにギャロッピング現象が発生しやすい気象状態でした。
【クリスマス寒波に警戒】
寒気と寒波の違いは、どの程度長く気温の低下が続くかにあります。
気象庁が用いている気温の用語のうち、「寒」がつく用語は10あります(表)。
これによると、寒気は一時的なもの、寒波は長く続くものを指します。
寒波になると、継続して積雪や凍結が進み、事故の危険性や交通機関の乱れ、水道管凍結などの日常生活に支障をきたす可能性が高くなりますことから、気象庁では定義を決め、使い分けているのです。
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新潟大停電以降も、暴風雪や湿った雪による大規模停電が少なくありません。
【最近の暴風雪や湿った雪による最近の大規模停電】
令和3年(2021年) 1月 秋田市や新潟市で暴風雪による倒木や飛来物による電線切断で15万4000戸の停電
平成27年(2015年) 3月 長野市や松本市などで南岸低気圧による雪のギャロップ現象で38万戸の停電
平成24年(2012年)11月 北海道室蘭市で雪の重みで鉄塔が倒れ5万6000戸の停電
平成17年(2005年)12月 新潟大停電で65万戸の停電
私たちの生活は電気に支えられており、停電となると、水道も使えなくなるなど、電気とは関係なさそうなものまで影響が及びます。
大雪が降ると予想されている時には、雪対策だけでなく、電気対策にも十分な警戒が必要です。
図1の出典:気象庁ホームページとウェザーマップ提供資料をもとに筆者作成。
図2、図5、表の出典:気象庁ホームページ。
図4の出典:筆者作成。
図3の出典:気象庁ホームページをもとに筆者作成。
https://news.yahoo.co.jp/byline/nyomurayo/20221222-00326257
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。