2018年9月11日22時42分に産経新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
福島市の市道で夜間、側溝に転落して脊髄を損傷する重傷を負い、後遺症に苦しむ同市の女性(82)が、転落防止を怠った市に管理責任があるとして、市に約1億4000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、福島地裁は11日、市に約4500万円の支払いを命じた。
判決によると、女性は平成25年10月11日午後6時ごろ、自転車を押して同市方木田の市道路側帯を歩いていて、深さ最大90cm、幅約1.2mの側溝に転落、四肢にまひが残る重傷を負った。
現場はガードレールが途切れ、街灯もない場所で、女性は道幅が広がったと思い込んで側溝へ進んだという。
遠藤裁判長は、「転落場所に柵や注意を促す看板や照明があれば、事故は回避できた」と指摘。
慰謝料のほか、リハビリや介護費用などの損害を認めた。
一方で、女性にも安全に注意して通行するべきだったとして、一部を減額した。
福島市は、「事故は、もっぱら女性の前方不注意によるものだった」と主張していた。
判決に木幡市長は、「道路は、国の基準以上に安全性に配慮して管理している。今後の対応については、判決の内容を精査し検討していく」とのコメントを発表した。
出典
『福島市に4500万円賠償命令 側溝転落、後遺症の女性に 福島地裁』
https://www.sankei.com/affairs/news/180911/afr1809110043-n1.html
9月12日7時45分に朝日新聞からも、同趣旨の記事が対策後の現場写真付きでネット配信されていた。
判決文によると、女性は2013年10月11日の午後6時ごろ、同市方木田の市道を自転車を押して歩いていたところ、段差が最大約90cmの側溝に落下。
頸髄を損傷し、寝たきりになった。
現場は車通りの多い片側1車線の道路で、歩道がなく、ガードレールはなかった。
判決では、看板などで危険を促すなどの防止策を講じなかったのは、市の安全管理に瑕疵があると認定した。
市は提訴を受け、16年10月、現場に赤いポストコーンを設置した。
原告側弁護士によると、女性は「私のような被害者を二度と出さないで欲しい」と、対策を講じた市の対応を評価しているという。
出典
『側溝に転落し後遺症、市に賠償命令 「防止措置講じず」』
https://www.asahi.com/articles/ASL9C4K6VL9CUGTB00B.html
9月20日13時0分にNHK福島からは、双方が控訴したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
この判決を不服として、福島市は19日、仙台高等裁判所に控訴した。
福島市は、「女性が転落した側溝は、それまで事故が起きたこともなく、市民などから危険だという通報もなかったため、事故を予見することは難しく、市の管理に問題はなかった。事故が起きた現場の周辺には、国の設置基準以上に防護柵が設置されている」としている。
一方、女性側も、弁護士によると、判決が「転落した女性にも4割程度の過失がある」としていることを不服として控訴する方針で、福島市に対しては、責任を認めて事故防止に努めてほしいと話しているという。
出典
『側溝転落めぐる裁判 市側が控訴』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/fukushima/20180920/6050002725.html
(ブログ者コメント)
朝日新聞掲載写真を見ると、まっすぐな車道に沿って設置されたガードレールが、途中で無くなっている。
そして、車道に沿って、一段低い側溝がある。
また、NHKの映像によれば、橋のような坂を上がってきて下り始める場所に、長さ数mだけガードレールが設置されている。
そして、そのガードレールは、設置用に?道路幅がその部分だけ10cm程度広がっているため、ガードレールが切れた場所以降は、それまでガードレールがあった部分が側溝との境になっている。
これでは、あたりが暗ければ、側溝に転落するポテンシャル大だと言えるかもしれない。
ちなみに、付近は住宅街とも思えない。
82歳の女性が、こんな道を初めて通った?
何回か通ったことがあるので4割過失となったのだろうか?・・・そんなことも頭に浮かんだ。
(2019年2月28日 修正1 ;追記)
2019年2月27日22時34分に産経新聞から、市と被災者の間で和解が成立したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
福島市の市道で夜間、側溝に転落して脊髄損傷や後遺症が生じた女性(83)が、転落防止策を講じなかった市に管理ミスがあったとして、約1億4000万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審は27日、仙台高裁で和解が成立した。
市が女性に解決金3750万円を支払う。
女性側の弁護団によると、女性は「今回の教訓を生かし、自身と同じような被害者を出さないでほしい」と話しているという。
出典
『福島の側溝転落訴訟で和解 市が女性に3750万円支払い』
https://www.sankei.com/affairs/news/190227/afr1902270040-n1.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。