2014年3月17日0時53分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
また、3月16日19時42分にNHK広島からも、同主旨の記事がネット配信されていた。
16日午前8時25分ごろ、広島県三原市の「三原市芸術文化ホール ポポロ」の敷地内にあるポプラが根元から倒れ、近くを歩いていた女性(51)の頭を直撃した。
警察によると、女性は病院に運ばれたが、意識不明の重体。一緒にいた女性(57)も胸の骨が折れる重傷で、警察が原因を調べている。
警察などによると、倒れたポプラは高さ約16m、直径約1mで、推定樹齢は約50年。ホールの駐車場脇に2本並んで立っているうちの1本が倒れた。
ポプラは近くのコンクリート塀に倒れかかり、枝などが2人に当たったとみられる。
2人は、ホールで開かれる催しの準備をするため、駐車場から正面入り口へ向かっていた。
当時、風はほとんど吹いていなかったという。
ポプラはホールが旧市文化会館だった頃から植えられ、7年前の建て替え後も残された。
おととし12月にせん定をしたあと、去年も幹から新芽が出るなど、枯れたような様子はなかったという。
約1年前に樹木医が調べた時にも問題はなく、震度4を記録した14日の地震後に管理者が目視で点検した際も異状は見受けられなかったという。
出典URL
http://www.asahi.com/articles/ASG3J4WV7G3JPITB009.html
http://www.nhk.or.jp/lnews/hiroshima/4003011853.html?t=1395004644706
2014年3月18日付で朝日新聞(聞蔵)からは、内部が腐っていたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
市とポポロが17日、倒れた木を調べ、地上53cm部分の断面で約3割が腐食していたことがわかった。そこから下で腐食が進んだと判断されるという。
警察によると、この事故で重体の女性の意識は戻っていない。
記者会見した館長は、問題のポプラの点検状況について、「2012年8月24日に別の木の調査に来た樹木医が目視した結果、異常は見つからなかった」と説明。
その際に目視した樹木医の村上さんは、「正式な依頼ではなく、診断したという認識はない」と断った上で、木槌でたたく打音検査をしても「危険と判断するのは難しかっただろう」と話した。
この日、倒れたポプラを調べた樹木医の檀上さんによると、ポプラの中には寿命が70年程度のものもあるが、倒れた木は樹齢約50年だった。外見上は樹形の変化やキノコが生えるなどの異常は見当たらず、葉も茂り、元気そうだったという。
木の内部や根の腐食を見抜くには音波調査が必要だが、調査機器は高額で、一般的な木の調査には使われず、天然記念物の老木の調査などに限られるという。
市は、市内の5m以上の高さの街路樹や公有地の樹木も安全性を調査するという。
3月18日付で読売新聞広島版からは、ポプラは目視だけでは内部が朽ちているか判断するのは難しいなど、下記主旨の記事がネット配信されていた。
樹木医の檀上さん(44)によると、ポプラは目視だけでは内部が朽ちているかどうかを判断するのは専門家でも難しいという。
今回の事故を受け、尾道市でも樹木の調査に着手する。
市の各部署に対し、すべての公共施設と市道の街路樹で3mを超えるもの、倒れた際に危険性のあるものをピックアップした上で、目視で確認し、26日までに市契約管財課に報告するよう求めている。
出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hiroshima/news/20140317-OYT8T01150.htm
(ブログ者コメント)
三原市と尾道市では、市が管理している一定以上の高さの街路樹について、安全性を調査するとのこと。
3mなり5mなり、高さに基準を設けて調査するのは現実的な対応だと、ブログ者は考える。
しかし、どのような方法で調査するかが問題だ。
目視確認では再発を防止できないような気がするが、かといって、全数、音波調査するのも現実的でない。
はたまた、三原市や尾道市以外の市町村では、この事例についてどう考えているのだろうか?
事例の横展開対応は難しいが、これはその典型的な事例の一つだと感じた。
(2014年5月11日 修正1 ;追記)
2014年5月9日付で読売新聞広島版から、原因に関する下記趣旨の記事がネット配信されていた。
市は8日、根や幹の腐食が原因とする調査結果を、市議会議員全員協議会で報告した。
また、市管理の樹木約1万本を緊急点検し、倒れる可能性の高い52本を伐採したことも明らかにした。
市は樹木医に依頼して調査。
根はほとんどが枯死し、幹上部は異常はなかったが、0.5m付近で腐食が進み、1.7m部分も中心部などが腐っていた。
また、以前の整地工事で土が40~80cm盛られ、根腐れしやすい「深植え」状態だったと判明。
枯れた根から入った細菌で幹の下部が腐り、木全体の重みを支えられずに倒れたと推測した。
3月14日の震度4の地震や14、15両日の強風の影響も指摘した。
しかし、木表面に大きな損傷はなく、「腐食の進行を予測するのは非常に難しいと思われる」とした。
市は同18、19日、公園や学校など公共施設336か所の高さ5m以上の木、1万276本を緊急点検。倒れる危険性が高いポプラなど52本を、4月2日までに伐採した。526本が「今後、処置を要する」とされ、せん定したり、支柱を取り付けたりする。「異常なし」は9698本。
市は今後、定期点検し、特に細菌に弱いとされるケヤキなどは、音響波での内部診断も検討する。
被害者への賠償など管理責任については、ポポロの指定管理者と共に話し合う方針を示した。
出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/local/hiroshima/news/20140508-OYTNT50167.html
(ブログ者コメント)
整地工事で深植え状態になって・・・という件から考えると、変更管理上の問題もあったのかもしれない。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。