2023年10月2日14時42分にNHK和歌山から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
おととし10月、和歌山市の紀の川にかかる水管橋と呼ばれる送水用の橋の一部が崩落し、1週間にわたって市内の4割にあたるおよそ6万戸が断水しました。
新たな部品は、こうした断水を防ごうと、市の企業局が、大阪の水道設備メーカーや京都の金属メーカーと共同で開発したものです。
市の企業局によりますと、この部品は、送水管同士をつなげる部分に蛇腹状のステンレス製の筒で覆い、大地震などで管の接続部分が破損しても断水が起きないようにするということです。
実際の水道管で行った実験では、管の接続部分が20センチ伸びたり、10センチ縮んだり、さらには、水が通る管の中心が5センチずれても、水漏れが起きなかったとしています。
市の企業局は、この設備の特許を出願していて、来月から試験的に市内の「六十谷水管橋(むそた すいかんきょう)」に設置することにしています。
和歌山市の瀬崎・公営企業管理者は、「市民のみなさんに大変なご迷惑をかけた水管橋の事故からあすで2年。この経験を決して無駄にしないために、官民連携で取り組んだこの製品が、安全で安心な水道供給の一助になってほしい」としています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/wakayama/20231002/2040015947.html
10月2日20時0分に産経新聞からは、名称はカバージョイントなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
和歌山市で令和3年10月3日に発生した「六十谷水管橋」(上水道送水管)の崩落を受け、市は2日、水道管の接合部分をカバーする新たな「カバージョイント」を共同開発したと発表した。
縦横に伸縮する機能を備え、地震などで接合部が外れても柔軟にカバーするという。
市は11月中~下旬ごろに同水管橋に設置して耐久性などについて調査し、結果を受けて活用を進めるという。
紀の川にかかる六十谷水管橋(全長約550メートル)崩落では水道管が破断し、約6万世帯(13万8千人)が約1週間にわたって断水した。
市企業局は崩落を受け、安定給水に向けた水道インフラの維持管理強化を検討。
耐震性や劣化の診断、水道管の複線化などを行ってきた。
令和4年9月からは、大成機工(大阪市)、日本ニューロン(京都府精華町)と共同で、水道管の接合部破損を防ぐ装備を開発してきた。
新たな装備となるカバージョイント(直径90センチ、長さ69センチ)は、蛇腹のように大小の凹凸が設けられたステンレス製のパイプ。
通常時より20センチ伸び、10センチ縮む。
水道管接合部の中心同士が5センチずれたとしても破損せず、漏水を防ぐ。
震度6の地震にも対応が可能で、既設の接合部分のカバーにかぶせて設置するため、施工時に断水することはないとしている。
11月に六十谷水管橋の1カ所に取り付けて約1年間、耐久性などをチェック。
十分な効果が確認された場合、今後は2カ所以上での設置を検討する。
和歌山市役所で共同記者会見した市企業局の瀬崎・公営企業管理者は「崩落の経験を無駄にしないとの思いで、維持管理態勢の強化に努めてきた。(カバージョイントの)開発は上水道の安定につながる」、大成機工の中村社長は「インフラの老朽化防止、整備の一助になれば」、日本ニューロンの岩本社長も「想定外を無くし、国土強靭(きょうじん)化の一助に」と話した。
https://www.sankei.com/article/20231002-QZ7Y7RUBKFNXBF3LFASERRO4Z4/
(ブログ者コメント)
水道橋の崩落事故については本ブログでも紹介スミ。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。