2023年9月30日0時30分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
国立感染症研究所は29日、職員が8月に腸チフスを発症した問題を巡り、感染研の実験室内でチフス菌に感染したと結論づける安全監視委員会の報告書を公表した。
職員は20年以上病原体を扱うベテランだといい、報告書は「そのような者が無意識のうちに発症した事実は極めて深刻だ」と指摘した。
職員は回復しつつあるが、今も入院中。
委員会は外部有識者らで構成され、問題発覚後、感染研に立ち入り調査した。
報告書によると、実験で扱った菌と、職員から検出された菌をゲノム解析したところ、極めて似ていることが判明した。
感染した原因は特定できなかったが、施設が原因の可能性は低く、菌の取り扱いや防護具の着脱、手指消毒などの運用面に問題があったとした。
感染研は、実験室の使用方法を緊急点検し、マニュアルを見直すなどの対策を講じる。
感染研によると、職員は8月2日、最後にチフス菌を扱い、11日に発熱などの症状で医療機関を受診した。
他の職員や家族らの感染は確認されていない。
(共同)
https://mainichi.jp/articles/20230930/k00/00m/040/001000c
9月29日19時28分にNHK NEWS WEBからは、チフス菌などを扱うレベルの実験室は監査対象になっていないなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
国立感染症研究所は29日に、感染の経路などを調査した結果を発表しました。
それによりますと、研究者から検出されたチフス菌と、研究所で取り扱っていたチフス菌の遺伝子を比較した結果などから、感染は実験室内で起きたとみられるとしています。
感染した原因は特定できなかったとしていますが、
▽感染を防ぐための防護服の脱着や除染についてのマニュアルが作成されていなかったことや、
▽病原体を取り扱う区域と、それ以外の区域が明確に分けられていなかったことなどが、
感染につながったと考えられるとしています。
チフス菌などを扱うレベルの実験室は、研究所自身や外部による監査の対象となっていないということで、研究所は、実験室での病原体の扱い方について緊急の点検を行うとともに、実験室の使用マニュアルを作成するなどして、再発防止を図ることにしています。
国立感染症研究所の脇田所長は、「感染研の近隣住民をはじめ、国民からの信頼を損ないかねない極めて重大な事故である。病原体等を取り扱うすべての職員が、再発防止策の迅速な実施に最大限努力する」とコメントしています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230929/k10014211291000.html
(ブログ者コメント)
〇「チフス菌などを扱うレベルの実験室は、研究所自身や外部による監査の対象となっていない」という報道、最も危険な場所こそ監査が必要ではないかと思い、どういうことか?どんな理由からか?調べてみたが、これといった情報は見つからなかった。
〇この報道に接し、武漢のウイルス研究所を思い起こしたのはブログ者だけだろうか?
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。