2019年4月4日付で河北新報から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
塩釜市の塩釜漁港にある東防波堤(全長1439m)の一部が外洋側に傾いた問題で、宮城県は3日、傾斜箇所120mが倒壊、うち60mが海中に沈んだと発表した。
県は、付近を航行する漁船などに注意を呼び掛けるとともに、作業船が手配でき次第、撤去作業を始める方針。
倒壊したのは防波堤の北東から南西に延びる約800mの区間の一部。
3日朝、近くで作業中だった建設業者が県側に連絡した。
県は1月下旬、水中ロボットカメラによる海中調査を実施した。
水没した部分は東日本大震災の津波の影響などで海底が削られ、周りより3~4m深くなっていた。
防波堤はコンクリート製の堤体を鉄製のくいが海中で支えている構造。
海底が削られ、本来は埋まっている部分が海中で露出したことで、くいに負荷がかかったことが原因とみられる。
当初は今月下旬に撤去を開始する予定だった。
県は800m区間の周囲50mの海域を警戒範囲に設定しており、海上に設置していたブイを増やして注意を呼び掛ける。
東防波堤は1970~93年度に県が整備した。
付近にはワカメの養殖海域がある。
出典
『<塩釜漁港>傾いた東防波堤、120メートル倒壊、60メートル水没』
https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201904/20190404_13025.html
4月3日20時27分に産経新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
防波堤では昨年12月、一部が外洋側に最大約30cm傾いているのが確認され、県は倒壊の恐れがあるとして、周辺への立ち入りを規制した。
県は1月に現地で海中調査を実施し、水没した60m区間で海底地盤が深くえぐられているのを確認。
同推進室は、震災の津波でえぐられた可能性があり、防波堤を支えるくいが露出したことで揺れやすい状態となり、「波や余震が作用して傾きが始まったものとみられる」としている。
出典
『宮城・塩釜漁港の東防波堤の一部が倒壊』
https://www.sankei.com/affairs/news/190403/afr1904030020-n1.html
※関連記事
『防波堤倒壊 震災の津波が原因か』
(4月3日17時41分 NHK東北)
https://www3.nhk.or.jp/tohoku-news/20190403/0005109.html
『防波堤が一部倒壊 宮城・塩釜、震災時の津波の影響か』
(4月4日22時49分 日本経済新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43307660T00C19A4CC1000/
4月8日17時40分にNHK東北からは、他にも4カ所、倒壊の恐れがある防波堤があるという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
村井知事は8日の定例の記者会見で、「けが人や事故がなかったので、胸をなで下ろしている。周辺で漁業をしている方などにご心配をおかけし、おわび申し上げたい」と述べた。
そのうえで村井知事は、「くいの補強工事などの対策を行う必要がある防波堤が県内に数か所ある」として、緊急点検を行うことを明らかにした。
県によると、これまでの調査で、石巻漁港や鮎川漁港、それに女川漁港や気仙沼市の松岩漁港の4か所の防波堤でも倒壊のおそれがあり、補強工事などの対策が必要なことが分かったという。
県では、改めてこれらの防波堤の緊急点検を行ったうえで、塩釜市の防波堤を含めて、今年度中に補修工事やくいの補強工事などを行う方針だ。
出典
『倒壊おそれの防波堤 ほかにも』
https://www3.nhk.or.jp/tohoku-news/20190408/0005156.html
(2019年4月24日 修正1 ;追記)
2019年4月23日17時5分にNHK東北から、被害拡大防止のため水中ワイヤソーによる倒壊部分の切り離し工事が行われたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
被害が拡大するのを防ぐため、応急の措置として、倒壊した部分を切り離す工事が行われた。
工事が行われたのは、塩釜市の漁港からおよそ200m沖にある東防波堤。
東防波堤は、今月3日、およそ120mにわたって倒壊し、県は東日本大震災の津波で海底が深くえぐられたことが原因だと見ている。
県は、このままでは倒れた部分に引っ張られて残りの部分も倒壊する恐れがあるとして、23日、被害が拡大するのを防ぐため、倒壊した部分を切り離す工事を行った。
工事は「水中ワイヤーソー」と呼ばれるワイヤー状ののこぎりを使って行われ、コンクリートを切断していった。
県によると、切断作業は23日で終了し、今後は、倒壊した防波堤の撤去や復旧にむけた作業を行うという。
県仙台地方振興事務所水産漁港部の菅野技術次長は、「工事に関する情報を漁港の利用者と密に共有し、理解をいただきながら、作業を進めていきたい」と話していた。
出典
『倒壊の防波堤 切り離し工事』
https://www3.nhk.or.jp/tohoku-news/20190423/0005318.html
4月24日付で河北新報からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
県によると、倒壊部分と、被害を受けていない他の部分はコンクリート製の防波堤内部に通した鋼材でつながっている。
倒壊部分に引っ張られ、残る部分も倒れる恐れがあった。
作業は午前9時に始まった。
防波堤近くに作業用台船が停泊し、作業員が刃にダイヤモンドをちりばめた水中ワイヤソーと呼ばれるワイヤ状ののこぎりを操作して、鋼材を切断した。
切断作業は同日中に完了した。
費用は約6000万円を見込む。
今後、倒壊部分の撤去、防波堤の復旧の方法を検討する。
出典
『倒壊の東防波堤 分離作業に着手 塩釜漁港で宮城県』
https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201904/20190424_13040.html
(ブログ者コメント)
以下は、4月23日NHK映像の1コマ。
倒壊して一部が水没した防波堤が写っている。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。