2019年4月3日13時52分に東京新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
首都圏の駅のホームで、ベンチの向きが線路と「平行」から「直角」に変わり始めている。
ベンチから立ち上がり、まっすぐホームに落ちてしまう酔客の行動パターンに着目し、JR西日本が2015年に開始し、注目された取り組み。
歓送迎会や花見のシーズンを迎えた首都圏でも威力を発揮しそうだ。
京成電鉄では青砥駅(東京都葛飾区)で2月末、上下線ホームにある全てのベンチが直角の向きに一新されるなど、京成高砂やお花茶屋などの8駅で、3月末までにベンチの向きを変えた。
今後、酔客の転落が多い駅から着手し、69ある駅のほぼ全てで変更する方針だ。
ホームドアを設置できているのは日暮里と空港第2ビルの2駅だけで、京成の広報担当者は「ベンチの変更なら安くて早い」と説明する。
酔客の行動パターンは、JR西が2014~15年に検証した。
駅構内のカメラ映像を基に、転落したり列車に接触した136人分の行動パターンを分析した。
突然線路に向かってまっすぐ歩きだし、そのまま転落するケースが約6割を占め、千鳥足でホームの端を歩き、足を踏み外すのは約1割にとどまった。
この調査結果を受け、関西地方からベンチの向きを変える動きが広がった。
首都圏では、東武鉄道が昨年2月から変更に乗り出した。
これまでに完了した南栗橋、久喜、北越谷などの8駅は、いずれも終点駅。
和光市駅を除いてホームドアがなく、ベンチに座っていた酔客が突然立ち上がって転落することがあったという。
「ベンチの向きを変えた後は転落が減り、一定の効果を感じている」と広報担当者。
志木駅でも変更する計画がある。
鉄道各社は、ホームドアがない駅を中心にベンチの変更に動いている。
JR東日本は新宿、品川、新橋の各駅で実施。
京王は府中や南大沢など10駅で、小田急は下北沢や小田原など15駅で変更を終えた。
東京メトロは「全ての駅にホームドアの設置を進めたい」としている。
国交省によると、ホームからの転落は6割が酔客。
ホームドアの設置には1駅あたり少なくとも数億円かかり、コスト面が導入のハードルになっている。
出典
『ホームのベンチ、平行から直角へ 酔客の転落防止 首都圏でも』
https://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2019040390135245.html
(ブログ者コメント)
JR西日本での取り組み状況は、2016年9月に本ブログでも紹介している。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。