2019年4月3日付で毎日新聞東京版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
香辛料のナツメグを大量に摂取すると中毒を起こすらしいと、最近、耳にした。
約15g入りの瓶が数100円で売られるスパイスに、一体、どんな危険が潜んでいるのか。
数年前の夏の明け方だった。
顔面蒼白で冷や汗をかき、手足が冷たくなった男性(30)が川崎市立川崎病院に救急搬送されてきた。
男性は落ち着かない様子で「自分は大丈夫か」と繰り返し訴えた。
8時間前に自宅で牛肉の炒めものを作って食べた。
塩やコショウ、カレー粉などの調味料とともに、刺激を楽しもうとナツメグを一気に10g加えた。
食べて3時間後に手の震えや発汗、口の乾きがあり、落ち着かない気分に襲われた。
ネットで調べるとナツメグ中毒とあった。
大量の水を飲み嘔吐を繰り返したが良くならず、自ら119番した。
「初めてでした。我々もそんな中毒があるとは知らず、医学書や国内外の論文を調べ対応しました」。
当直だった白川医師が振り返る。
文献に当たると、確かにナツメグ中毒のようだ。
治療薬はなく、病院で安静にしていると症状がやわらぎ、男性は約7時間後に歩いて帰宅した。
ナツメグは東南アジア原産の常緑樹「ニクズク」の種の核を乾燥させ粉末にした香辛料で、肉の臭み取りなどに使われる。
公益財団法人日本中毒情報センターによると、5~15gの摂取で1~8時間後に頻脈や口の乾き、嘔吐などのほか、興奮や不安、幻覚など中毒症状が表れる。
身近な香辛料による珍しい症例だとして、川崎病院の藤綱医師らは昨年12月、論文「ナツメグ中毒の1例」を「日本救急医学会関東地方会雑誌」に発表した。
それによると、ナツメグ中毒は1981年以降、同病院を含め国内で8例確認され、すべて安静にすることで回復した。
欧米では19世紀以降、死亡例が2例あるという。
白川医師は、「中毒原因として認知度が低いが、適量を使い、大量に入れたら絶対に食べないでほしい」と話す。
ナツメグ大量摂取で幻覚や興奮などの精神症状が表れるのはなぜか。
筑波大の内藤裕史名誉教授(中毒学)によると、ナツメグが体内で分解されると、合成麻薬などに似た成分ができる。
欧米では昔から幻覚を味わおうと乱用され、国内でも中毒8例中、4例が幻覚や興奮目的だった。
内藤さんは警告する。
「香辛料や薬味の多くは摂取しすぎると何らかの副作用があるが、ナツメグは特に症状が激しい。過去の事例を見ると、幻覚作用を楽しむ目的で大量摂取した人の多くが中毒から回復後に『二度と経験したくない』と語っているようです」
出典
『ナツメグで中毒? 大量摂取、幻覚・嘔吐』
https://mainichi.jp/articles/20190403/ddm/012/040/058000c
ちょっと前、2019年3月4日18時5分にハフポストからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
ナツメグは、コショウ、シナモン、クローブとならぶ4大香辛料の1つ。
インドネシアのモルッカ諸島原産のナツメグの木の種子の胚乳を乾燥したものだ。
小学館の「食の医学館」によると、ナツメグは甘くエキゾチックな香りと、まろやかなほろにがさが特徴。
その風味は挽き肉料理と相性がよく、ハンバーグやミートローフなどに欠かせないほか、クッキーやドーナツにも、好んで用いられている。
ナツメグの分量について、エスビー食品のレシピでは、ハンバーグ2人前で「小さじ1/4」と記載している。
このように少量では問題ないが、ナツメグを大量に食べるのは危険な場合がある。
というのも,ナツメグは大量に摂取すると強力な幻覚作用や興奮作用を示し、逆に有毒となる例があるからだ。
日本中毒情報センターの報告によると、成人の場合、ナツメグのヒト経口中毒量は5g~10g。
呼吸困難になるとともに、めまい、幻覚、嘔吐などの症状に陥ることもある。
通常は24時間以内で回復するが、2~3日かかることもあるという。
同センターでは、ナツメグの実2個を食べた8歳男子が24時間後に死亡した事例があるので、小さい児童の場合は少量でも受診を勧めた方が無難だとしている。
歌手・作詞家の新良エツ子さんも2017年7月に、ナツメグの大量摂取で病院に緊急搬送されたことを公式ブログで明らかにしていた。
美味しいスパイスも、分量を誤ると大変なことになる。
ナツメグの入れすぎにご注意を!
出典
『ナツメグ中毒の恐怖とは? 食べる時は分量に注意が必要 呼吸困難、めまい、幻覚、嘔吐などの症状になる恐れ』
https://www.huffingtonpost.jp/entry/nutmeg_jp_5c7ba3f6e4b0614614daf5f1
昨年、2018年7月24日に日本テレビから放映された「ザ!世界仰天ニュース」でも、以下のような内容が報じられていた。
去年の夏のこと。
明日、仕事が休みということで友人とお酒を飲んでいた、新良エツ子さん。
朝まで楽しく飲んで帰宅した。
帰宅後、お腹が空き...作ったのはハヤシライス。
そこにいつも欠かさず入れていたのが...ナツメグだった。
ナツメグは、木の種を乾燥させた香辛料の一種。
ハンバーグやカレーなど、肉の臭みを消したり、味を引き立たせるためによく使われる。
このナツメグが、彼女にある悲劇をもたらす!!
すべて美味しく平らげると、眠ってしまった。
すると、1時間後...突然、異変が!
呼吸が苦しくなり、冷や汗も。
周りの景色が歪んで見え、手足にも力が入らない。
お酒で酔っている感覚とも違うため、最初は熱中症かインフルエンザを疑った。
熱を計るが、どうやら違う...異変を感じすぐに救急車を呼んだ。
しかし電話先で住所を伝えようと思っても、
なぜか言葉がうまく出てこない。
なんとか住所を伝え、助けてもらえるよう外に出ようと体を動かした。
すると...なぜか急に症状が和らいだ。
とはいえ、念のため病院に搬送してもらった。
一応、血液検査などを行ったが、異常は見つからなかった。
大事を取って入院し、点滴していると、
数分から数十分おきにさきほどのような症状が現れた。
症状が落ち着いている時に、会社の同僚に入院したことを報告すると
何か変なもの食べたのではないか?という指摘が。
新良さんには思い当たることがあった...それはナツメグを多く入れ過ぎたこと。
実はこの日、お酒に酔っていたこともあり普段から多めに入れていたナツメグを
なんと丸々、ひと瓶も入れてしまった。そして、お腹が空いていたのでおかわりもした。
すると、症状について調べてくれた会社の同僚からメールが。
原因は、ナツメグ中毒だった!!
【大量に摂取すると危険な香辛料】
・・・・・
実は、ナツメグの他にも、ウコンやシナモンなどでも、多量に摂取すると健康障害が出る可能性が報告されている。
香辛料を多めに使う際は量に注意を!!
出典
『命をおびやかすスパイスの真実』
http://www.ntv.co.jp/gyoten/backnumber/article/20180724_04.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。