2019年4月4日10時8分にNHK東海から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3日正午すぎ、愛知県扶桑町にある県営公園の尾張広域緑道で、散歩中の70代の女性が公園内に設置されている屋根付きのベンチで休もうとしたところ、屋根を支える柱が根元から折れ、足首の骨を折るなどのケガをした。
県によると、ベンチに取り付けられている屋根の部分は3.5m四方で、高さ約3mの鉄製の柱で支えられていた。
事故のあと県が調べたところ、柱の根元の部分は錆びて腐食していたという。
このベンチは平成5年に設置されたもので、公園の管理者によって日常的に目視での点検と月に1回の劣化具合などを確かめる集中点検が行われていたということだが、3月に行われた点検では異常は発見できなかったという。
県は、同じようなベンチがあるほかの県営公園で緊急点検を行っているほか、これまでの点検の方法に問題がなかったかなど、詳しく調べることにしている。
出典
『公園の屋根付きベンチ倒壊で骨折』
https://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20190404/0004040.html
4月4日6時0分に中京テレビからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
愛知県によると、3日午後0時半ごろ、扶桑町高雄の県営尾張広域緑道で70代の女性が鉄製の屋根付きベンチに座ろうとしたところ、ベンチが根元から倒れたという。
女性はベンチに挟まれ、足首など3か所を骨折する重傷。
公園は県の外郭団体が管理者の指定を受けていて、毎日、目視による点検のほか、月に1度、手で触れて強度を確かめる点検も行っていたという。
県は、点検で異常を見逃した可能性もあるとみて、事故原因を調べている。
出典
『屋根付きベンチが倒壊 女性重傷 愛知・扶桑町』
https://www2.ctv.co.jp/news/2019/04/04/46483/
4月4日12時7分に朝日新聞からは、写真付きで同趣旨の記事がネット配信されていた。
県によると、同日午後0時半ごろ、女性があずまやのベンチに腰掛けた際、屋根を支える鉄製の支柱が根元から倒れた。
根元部分が腐食していたのが原因とみられるという。
3月下旬に点検した際には異常に気づかなかったという。
県は記者会見で謝罪したうえで、県内の同様のあずまやの緊急点検をする。
出典
『根元からポキッ あずまや倒壊女性が重傷 愛知・扶桑』
https://www.asahi.com/articles/ASM443FCNM44OIPE008.html
(ブログ者コメント)
以下はNHK映像の2コマ。
ベンチ部分が邪魔で目視点検困難ゆえ、手で触れて強度を確かめる決まりになっていたのだろうか?
しかし、支柱の根元がボロボロに腐食している状態から考えると、そういった点検を行っていなかった可能性も考えられる。
(2020年7月10日 修正1 ;追記)
2020年7月7日10時0分にNHK東海からは、月に1回の点検が実施されていなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
警察は管理に問題がなかったか捜査していましたが、月に1回の集中点検が実施されておらず、点検表も作成されていなかったことがわかったということです。
このため警察は、安全点検を怠った結果、事故につながったとして、ベンチを管理する愛知県都市整備協会の56歳の職員ら3人を業務上過失傷害の疑いで書類送検しました。
調べに対し、3人は容疑を認めているということです。
https://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20200707/3000011608.html
7月6日19時0分に名古屋テレビからは、建設以降、基礎部は点検していなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
倒壊したあずまやは1993年に建てられて以来、目視の点検のみで基礎部分の点検はされていませんでした。
https://www.nagoyatv.com/news/?id=001711
7月7日6時51分にYAHOOニュース(CBCテレビ)からは、放置すれば壊れる恐れありと知りながら・・・という下記趣旨の記事がネット配信されていた。
警察は、支柱が金属製で腐りやすく放置すれば壊れる恐れがあると知りながら点検作業などを行わなかったとして尾張広域緑道管理事務所の所長で56歳の男性ら3人を業務上過失傷害の疑いで書類送検しました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/abe6cc0af8ec058bde7c58a03d6cd68d031ab8e5
7月9日7時30分に朝日新聞からは、全国であずまや倒壊事故が相次いでいるという下記趣旨の記事が、事例の一覧表付きでネット配信されていた。
公園の休憩スペースなどにある「あずまや」が倒壊する事故は全国で相次いでいる。
朝日新聞が調べたところ、2018年以降、少なくとも9基が支柱の腐食や災害の影響で倒れていたことが分かった。
死傷者が出たのは3件。
岡山市で昨年5月、公園のあずまやが強風で倒れて20代男性が2週間のけがを負った。
市によると、原因は支柱の腐食。
点検は不定期で、外観を目視するだけで、最後の点検は事故の約2カ月前だったという。
地震や台風といった災害で倒壊するケースも目立つ。
18年の胆振東部地震で大きな被害を受けた北海道厚真町では、揺れの影響で公園の1基が倒れた。
このほか、同年の台風によって、北海道当別町や沖縄県沖縄市でも倒壊した。
遊具の製造業者などでつくる業界団体は、「子どもの事故が起きやすい遊具に比べて、安全面への配慮が欠けがちになっている」と指摘する。
背景にあるのは、あずまやを管理する基準の甘さだ。
公園の遊具は、子どもの事故が多発したため、18年から年1回の点検が法律で義務づけられた。
的確な点検ができる技術者の登録制度も設けている。
一方、あずまやには定期的な点検の法的な義務はなく、安全管理は自治体にゆだねられている。
耐震強度などを算出する構造計算が求められない点も、課題として浮かぶ。
高知県安芸市では、04年に台風で倒壊し、11年に再建した木造のあずまやが18年に再び台風で倒壊。
市は19年、あずまやを台風並みの風速に耐えられるようにする方針を独自に打ち出した。
日本大の八藤後(やとうご)猛教授(建築安全工学)は、「一本柱のあずまやの場合、支柱に大きな力がかかる。安全管理上は特に注意を払う必要がある」と指摘する。
【あずまや点検怠った疑いで書類送検】
愛知県扶桑町の県営公園で昨年4月、休憩場所のあずまやが倒れて女性が大けがをした事故で、愛知県警は6日、公園の管理事務所の所長ら男性3人を業務上過失傷害の疑いで書類送検し、発表した。
容疑を認めているという。
犬山署によると、送検されたのは、尾張広域緑道の管理事務所の所長(56)=愛知県小牧市=と主査(50)=同県尾張旭市=、点検を担当していた嘱託職員(62)=同県春日井市=。
昨年4月3日午後1時ごろ、同県犬山市の無職女性(72)がベンチに腰掛けた際、あずまや(高さ約3メートル、重さ約790キロ)の金属製の支柱が根元から倒れ、右足が折れる重傷を負った。
3人は支柱の点検を怠り、女性にけがを負わせた疑いがある。
同緑道を管理する県都市整備協会(名古屋市)などによると、このあずまやは1993年に設置された。
国や県が2015年、他県での倒壊事故を受けてあずまやの点検をするよう通知。
月1度、設備に異常がないか点検することになっていたが、管理事務所は点検せず、チェックリストも作っていなかったという。
事故後、同協会が管理する公園のあずまやを一斉点検し、根元の腐食がみられた5基を撤去、一部を使用禁止にした。
協会の担当者は6日、取材に「今後このような事故が二度とないようにしたい」と話した。
https://www.asahi.com/articles/ASN774CY1N76OIPE01P.html
(修正2)
名古屋地検一宮支部は2020年7月30日、3人を不起訴とした。
理由を明らかにしていない。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。