2019年4月4日6時50分に秋田魁新報から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
秋田市保健所は3日、同市のスーパーの産直コーナーで有毒のスイセンがニラと誤って販売され、同市の60代女性が食べて食中毒を発症したと発表した。
保健所は同市の生産者の男性に回収を命じた。
女性は快方に向かっている。
女性は先月下旬、Gマート手形店の産直コーナーで、「ニラ苗」と表示されたビニールポット入りのスイセン苗を1個購入。
2日朝、葉を刻み、チャーハンの具材として調理し食べた。
間もなく嘔吐の症状が出て、保健所に連絡。
調査の結果、スイセンと判明した。
生産者の男性は先月16日以降、手形店のほか、泉店、外旭川店の計3店の産直コーナーにスイセン苗9個を陳列、販売した。
購入者全員と連絡が付き、女性以外の健康被害は確認されていない。
生産者の男性は保健所の聞き取りに対し、「ニラだと思って栽培していたものがスイセンだった。申し訳ない」と話した。
保健所は、スイセンには嘔吐や下痢などの症状を引き起こす有毒成分ヒガンバナアルカロイドが含まれ、葉がニラ、球根がタマネギと類似しているとして、注意を呼び掛けている。
出典
『スイセンをニラと販売、秋田市のスーパー 女性、食中毒に』
https://www.sakigake.jp/news/article/20190404AK0001/
4月6日付で秋田魁新報からは、販売されていたポット入り苗の写真付きで、下記趣旨の続報的記事がネット配信されていた。
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スイセンは、嘔吐や下痢などを引き起こす有毒成分ヒガンバナアルカロイドを含む。
厚労省によると、2008~17年の10年間でスイセンによる食中毒が47件発生しており、有毒植物の食中毒としては最も多かった。
他県では死亡例もある。
植物の生態に詳しい東京都薬用植物園の中村耕主任研究員は、スイセンの葉はニラと似ており、「見て判別するのは難しい」と説明。
スイセンが無臭なのに対し、ニラは特有の匂いがあるため、「匂いを確かめると分かる場合がある」と話す。
県生活衛生課によると、県内で有毒植物による食中毒は平成に入って12件ある。
山菜のシドケ(モミジガサ)やニリンソウと誤認し、有毒のトリカブトを食べて発症したケースが9件と最も多く、このうち2人が命を落とした。
このほか、アジサイの葉やチョウセンアサガオの実が原因となった事例もあった。
時期は4~6月に集中した。
本格的な山菜シーズン到来を前に、特に気を付けたいのがシドケやニリンソウと、トリカブトの誤認だ。
トリカブトは茎や葉、根など全体に猛毒のアコニチン系アルカロイドを含み、重篤な中毒になりやすいとされる。
秋田市民市場(同市中通)で山菜などを取り扱う「藤原商店」によると、シドケは例年4月中旬に出回り、5月上旬までがピーク。
今年は雪解けが早かった影響などで、シーズンが昨年より1週間ほど早いという。
藤原代表は、シドケとトリカブトは葉の形がよく似ている上、山林の同じような場所に群生していることがあり、混同しやすいと指摘。
「見つけても、(シドケだと)自信がないなら手を出さない方がいい」と注意を促す。
東京都薬用植物園の中村主任研究員によると、ニリンソウとトリカブトも葉の形が似ているが、花の色で見分けられるという。
ニリンソウは3~5月に白い花、トリカブトは8月以降に紫色の花を咲かせるとし、「白い花を確認して採取するとよい」としている。
県の担当者は、「食用と確実に判断できない場合、『採らない、食べない、売らない、人にあげない』を徹底してほしい」と強調。
有毒植物の危険性に気を配りつつ、自然の恵みを存分に味わってほしいとしている。
出典
『春の有毒植物に要注意 スイセンとニラ誤り食中毒、死亡例も』
https://www.sakigake.jp/news/article/20190406AK0008/
(ブログ者コメント)
○本ブログでは、畑にニラを採りにいってスイセンを採ってしまい、食べて中毒になった事例を過去に何件か紹介しているが、店で売られていたものを食べての中毒は初めてだ。
○この生産者の方、なぜ間違ったのだろう?
ニラ栽培の経験が浅かったということだろうか?
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。