2019年9月18日18時4分にNHK和歌山から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
和歌山市にある日本製鉄和歌山製鉄所で、ことし6月に煙突から鉄粉が大量に飛んで、周辺の住宅地のベランダや車などに付着していたことがわかり製鉄所の所長らが18日、謝罪しました。
和歌山県庁で開かれた会見には、日本製鉄和歌山製鉄所の衣笠所長と和歌山共同火力の和南城社長が出席しました。
それによりますと、ことしの6月26日ごろに製鉄所内にある火力発電設備の試運転をしていた際に大量の鉄粉があやまって煙突から北西の方向、およそ2.5キロ先まで飛んで周辺のベランダや車などに付着したということです。
製鉄所には、17日までに「鉄粉が取れない」などといった苦情がおよそ2000件、寄せられていますが、健康被害を訴える人はいないということです。
日本製鉄によりますと、鉄粉をとるための費用は全額、負担するということで、被害にあった人は専用の相談窓口、電話番号073−407−5154まで連絡するよう呼びかけています。
日本製鉄和歌山製鉄所の衣笠所長は「周辺に住む皆様にご迷惑をおかけして申し訳ありません。一刻も早く原因を究明して再発防止を徹底していきます」と謝罪しました。
(窓口は、平日午前9時から午後6時まで)。
【付着していたさびは】
和歌山市の日本製鉄和歌山製鉄所から1キロ以内の場所にある和歌山市古屋の駐車場には、直径1ミリにも満たない小さな茶色いさびが付着している車が多数、確認できます。
車の持ち主の男性によりますと、ことしの6月26日に茶色いさびがついているのを確認したということです。
さびは水をかけたりこすったりしても取れなかったということです。
【被害を受けた男性は】
車の被害を受けた70歳の男性は「小さな点々が車についていたのを見たときは驚きました。自分の車は白色なので茶色いさびは目立ち、とても困っています。早く塗装をしたいですが、順番待ちの状態です。日本製鉄は住民に被害について十分、周知しておらず、対応に問題があると思います」と話していました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/wakayama/20190918/2040003745.html
9月18日18時0分にテレビ和歌山からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
日本製鉄和歌山製鉄所によりますと今年6月26日、定期点検を終えて試運転していた和歌山共同火力の3号発電設備から、錆びた鉄粉が北西2.5キロメートル四方に飛散しました。
飛散は住人からの問い合わせがあり分かったもので今日までにおよそ2000件の苦情があり、原因は現在も調査中です。
この飛散した錆びた鉄粉の成分は、おもに鉄、カーボン、シリコンで自動車のボンネットなど塗装に付着すると落ちず、日本製鉄和歌山製鉄所は自治会を通じて清掃費用などの対応しているとしています。
事故があった3号発電設備は昭和30年に製造されたもので2年に1回定期点検を行っているということです。
http://www.tv-wakayama.co.jp/news/detail.php?id=55242
(2019年10月4日 修正1 ;追記)
2019年9月30日18時16分にNHK和歌山から、鉄粉は漏れた蒸気によって鉄製の部品同士が接触し削られてできたものだったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
和歌山市にある「和歌山共同火力」の発電施設の煙突から鉄粉が大量に飛んで、周辺の住宅地のベランダや車などに付着していた問題で、施設の配管から蒸気が漏れた影響で鉄製の部品が削れ鉄粉ができ、放出されていたことがわかりました。
この問題は、ことし6月、「和歌山共同火力」の発電施設で試運転をしていたところ、大量の鉄粉が煙突から飛び散り、北西の方向、およそ2.5キロの範囲にある車やベランダなどに付着したものです。
施設がある日本製鉄和歌山製鉄所には、先週金曜日までに「鉄粉が取れない」などといった苦情がおよそ2700件、寄せられていますが、健康被害を訴える人はいないということです。
これについて、「和歌山共同火力」が詳しい原因を調べたところ、配管が損傷して蒸気が漏れ出した影響で、近くにある鉄製の部品とほかの鉄製の部品が接触して削られ、これによってできた鉄粉が煙突を通して外部に放出されたことがわかったということです。
飛散した鉄粉はあわせて数十キログラムにのぼるとみられ、和歌山共同火力では、すでに配管の補強を行ったということで、配管が損傷した原因などをさらに詳しく調べています。
日本製鉄和歌山製鉄所は「今後、関連企業の指導監督を徹底し、再発防止に努めたい」としています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/wakayama/20190930/2040003810.html
9月30日付で該社HPには、下記趣旨の報告記事が掲載されていた。
(1)内部点検結果
ボイラー出口に設置している2台ある空気予熱器(燃焼用の空気をボイラーの排ガスと熱交換して予熱する装置。以下、AH)のうち1台で、燃焼用空気が漏れないようにするシール部の鋳物部品(シーリングシュ)が、偏摩耗しておりました。
また、当該空気予熱器内の蒸気配管6本のうち、2本が損傷しておりました。
なお、その他設備については、異常は認められていません。
(2)発生原因
6月の定期検査時にAHシール部の隙間調整を行う際、気密装置のスプリングが圧縮・固着された状態で調整していました。
6月26日のスートブロワ運転時に蒸気配管が損傷し、気密装置に向けて蒸気が噴出したことから、気密装置のスプリング固着が解放され、シール部で接触が発生し偏摩耗に至りました。
(3)今後の対策
1)設備対策
・気密装置を全数分解点検し、必要な補修を実施するとともに、低温側スートブロワ蒸気配管については、全数耐力強化したものに取り替えます。
・気密装置にシール部の接触を防止するストッパーを設置します。
2)定期検査時の対策
・気密装置を分解点検し、健全性を確認します。
・スートブロワ蒸気配管溶接部の非破壊検査を実施します。
・施工要領書に気密装置の点検項目を追記し、当社・施工者双方で確認することで、施工に万全を期します。
http://www.wakyoka.co.jp/info/info3.pdf
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。