2016年12月30日11時14分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
急速に普及が進んだ発光ダイオード(LED)照明が、ラジオ、消防や鉄道の無線、鍵を差し込まなくても車に乗れる電子機器「キーレスエントリー」など、幅広い分野で通信障害を引き起こす可能性があることが、北陸総合通信局(金沢市)の調べでわかった。
LED製品に関する規制はあるが、原因となる不要電波を完全に取り除くのは難しく、同局では「個別に対応していくしかない」としている。
「消防用無線に断続的に雑音が入り、業務に支障が出ている」。
管内の消防署からの申告を受け、同局は2013年9月に調査を開始。
15年7月、消防署から約100m離れた場所に設置されたLED電光掲示板から出る不要電波が原因だと突き止めた。
調査に2年近く要した理由として、担当者は「影響が出たり出なかったり不規則な場合は、原因の特定に時間がかかる」と話す。
同局によると、通信障害を起こす不要電波は、調光や省エネのために電源が高速でオンオフを繰り返すため発生する。
一つひとつの電源からは大きな不要電波が出なくても、複数の電源があると、予期せぬ影響が出ることがあるという。
同局の調べでは、12年には長崎県や東京都で鉄道無線にノイズが発生するなどの影響が出ていたことが判明。
いずれも、近くのビル内のLED照明を複数使用した際に障害が起こっていた。
同年5月には、千葉県でキーレスエントリーが動作不能になった事例があった。
国が定める技術基準に適合した製品でも、影響は起こりうる。
14年11月に山形県で起きた水防用測定機器の障害では、基準に適合していることを示すPSEマークがついた複数のLED防犯灯からの不要電波が原因だったという。
中部経済産業局製品安全室の担当者は、「ほかの機器に影響を与えないことを基本に規制値を設けているが、音と同じでゼロではない。影響は使用条件や電波環境などで異なってくる」と説明する。
北陸総合通信局は、「基準に適合した製品であっても、無線局との距離や複数利用する場合などで障害は起こりうる。不要電波を遮るフィルターの設置をお願いするなど、個別に対応していくしかない」と話している。
出典
『LED照明で通信障害の可能性…北陸総合通信局』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20161230-OYT1T50077.html
(ブログ者コメント)
他に情報がないか調べたところ、2010年4月7日付でJC netから、別の事例や障害が発生するメカニズムなどに関する、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JC netがいかなる情報源か、いまひとつ不明だが、内容を読んだところ、ガセネタでもなさそうな気がしたので、抜粋して紹介する。
宮城県の商店街に設置されている街路灯の電球を3月下旬、省エネルギータイプのLED(発光ダイオード)電球に取り換えたところ、「テレビやラジオの受信障害が発生している」と町などに苦情が寄せられた。
メーカーのリードは、LED電球を、受信障害対策を施したLED電球に付け替えることを決定した。
宮城県涌谷町が3月、136基計272個の水銀灯をLED電球に切り替えたところ、今月6日までに、「街路灯が点灯している間、アナログテレビやFMラジオにノイズが入る」という苦情が寄せられた。
メーカーのリードは、LED電球は電源コイルが発する磁力の影響によりどの製品も多少のノイズが出る。一ヶ所に大量につけたことでノイズが増幅された可能性もあるとしている。
総務省東北総合通信局は「LEDによるノイズは点灯中ずっと続くので影響は大きい」としている。
LED製品におけるノイズについて
(文献参照:佐藤智典著 EMCとは何か)
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LEDそのものからノイズを発生することはありませんが、点灯させるための動作回路にノイズを発生させる原因があります。
具体的な例としては、LEDを点灯させた時、その近くで、ラジオに雑音が入り聞き取りづらかったり、テレビの画面が乱れてしまったりすることです。
この状態はエミッションにより、電子機器が雑音ノイズを発生し、他の機器に影響を与えている状態です。
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影響度合いが大きくなると、医療機器への影響や制御機器の誤作動などにより人命にも影響を与える事にもなりかねません。
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出典
『LED照明で ノイズ障害発生』
http://n-seikei.jp/2010/04/led-1.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。