2024年4月28日15時0分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
最大震度5弱以上の地震が予測された際、NHKがテレビやラジオで流す緊急地震速報のチャイム音「チャラン チャラン」という旋律。
騒がしい場所でもくっきりと聞こえ、恐ろしく感じるのはなぜだろうか。
チャイム音を作ったのは、「福祉工学」を研究する東京大名誉教授の伊福部達さん(78)。
ゴジラのテーマの作曲者として知られる故・伊福部昭さんのおいに当たる。
伊福部さんによると、緊急地震速報のチャイムには、音程が短い時間で急激に変わる旋律が使われている。
音は振動として伝わり、耳の奥で振動が電気信号に変換され、脳に伝わる。
この経路で、音の変化を抽出する機能が働いているため、雑音の中でも、聴力が衰えても聞き取りやすいという。
例えば「キャーッ」という悲鳴や赤ちゃんの泣き声、雌ザルが雄ザルを引きつけるために出す鳴き声もそうした音の一種で、「FM音」と呼ばれるという。
「哺乳類では、FM音が危険を知らせる刺激として働いている」と伊福部さんは説明する。
伊福部さんは2007年にNHKからチャイム音作成の依頼を受け、
▽緊急性を感じるか
▽不快感や不安感を与えないか
▽騒音下でも聞き取りやすいか
▽軽度の聴覚障害者でも聞き取れるか
などを不可欠の条件とした。
そして、この条件を満たす旋律として、大学院時代に研究したFM音を思いついた。
「単なるブザー音よりも、メッセージ性がある音楽がいい」と、叔父の昭さんが手がけた交響曲「シンフォニア・タプカーラ」の第3楽章の最初の和音に着目。
キーを変えると「ド・ミ・ソ・シ♭・レ♯」という和音になり、「レ♯」が緊張感を与えていたことから、この和音をベースにチャイム音を作ることにした。
最終的に5候補に絞り、先天性の重度難聴者や加齢性難聴者、子どもや大人を含む19人を対象に評価実験を行い、不協和音を含む現在のチャイム音に決まった。
タプカーラとはアイヌ語で「立って踊る」という意味だ。
「立ち上がって避難する。チャイム音にぴったりでしたね」と、伊福部さんは語る。
https://mainichi.jp/articles/20240425/k00/00m/100/221000c
(ブログ者コメント)
違和感なく、地震発生を緊張感をもって伝えてくれている現在のチャイム音。
調べてみれば、伊福部氏は音楽家ではなく、報道のとおり福祉工学の研究者だった。
東京大学先端科学技術研究センターの研究者紹介欄には、以下のように書かれている。
「約50年にわたり障害者・高齢者を支援する福祉工学分野を開拓し、心理生理学の基礎科学とバーチャルリアリティやロボットなどの応用技術が循環する研究方法論を構築すると共に、開発機器を実用化に導いてきた。・・・
なお、NHKの依頼により、難聴者に聞き取りやすい「緊急地震速報チャイム」を作成し、障害者や高齢者の災害予防にも貢献している。
・・・」
NHKは、障碍者や高齢者にも聞き取りやすい音を・・・という趣旨で、音楽家ではない氏にチャイム音の作成を依頼したのかもしれない。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。