2018年2月26日21時33分に朝日新聞から、写真と折れ線グラフ付きで下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大型トラックやバスのタイヤが走行中に外れる事故がこの5年で5倍超に急増していることが、国交省の調査でわかった。
冬タイヤの交換などでボルトの締め付けが不適切なケースが目立つ。
重さ100kg超のタイヤもあり、ぶつかれば被害は深刻。
事故多発の背景には、運送業界の人手不足も指摘されている。
国交省の集計によると、8トン以上のトラック、または定員30人以上のバスのタイヤが走行中に外れる事故は、2016年度、56件にのぼった。
00年代前半に三菱自動車製の大型トラックの前輪と車軸を結ぶ部品「ハブ」で破断や亀裂が相次いだ問題が発覚後、減少傾向にあったが、11件だった11年度からは増加傾向に転じ、5年間で5倍超まで増えた。
昨年は、岡山県の高速道路でトラックのスペアタイヤが落下し、母と娘が死亡した事故が注目された。
ただ、大型車のスペアタイヤ落下は16年度までの5年間で計4件で、使用中のタイヤ脱落の方が圧倒的に多い。
三菱自動車製車両の問題では、1983年からハブのリコールを届け出た2004年までの約20年間に52件の脱落などの事故があったが、16年度は、それを1年間で超える規模の脱落が起きたことになる。
大型車のタイヤは、直径1m、重さは100kgにもなる。
高速で転がって直撃すれば、被害は甚大だ。
17年3月には京都府宇治市で、走行中の大型トラックから左後輪が外れて約400m転がり、信号待ち中の軽乗用車に衝突して運転者がけがをした。
同年1月には新潟市で、走行中のトレーラーの左後輪が外れて対向車線の軽乗用車に当たり、けが人が出た。
犠牲者も出ている。
04年には北海道江差町で、ダンプから外れたタイヤが直撃し、男児(当時3)が死亡した。
00年にも北海道で、トレーラーのタイヤが外れて対向の乗用車に当たって、運転者が亡くなった。
なぜ、外れるのか。
国交省の調査によると、16年度の56件の7割超が、冬のタイヤ交換など車輪脱から2カ月以内に発生している。
東北や北信越など雪が多い地方に集中。
時期は冬から春にかけてが多く、16年度までの15年間でみると、2月が最も多かった。
原因の8割は作業ミスと推定される。
ボルトを規定値よりも強く締め付けたり、逆に締め付ける力が足りなかったりしてボルトなどが破断するケースが多く、「ずさんな作業が増えている可能性がある」(国交省関係者)という。
ある省関係者は、「人手不足にあえぐ業界の余裕のなさも背景では」と指摘する。
国交省などが15年に、全国1252の運送事業者に行った調査では、68.8%の事業者がドライバーが「不足している」と回答。
休日出勤や時間外勤務でしのぐなど、現場に余裕がなくなっている実態がある。
同省自動車局は、「タイヤ交換に特別な資格は不要だが、正しく脱着する知識や能力を持たない人がタイヤを交換している可能性もある」とみる。
国交省は、冬用タイヤを取り外す機会が増える春に向け、正しい方法で取り付けるよう業界に厳しく求めていく方針という。
一般の乗用車のタイヤ脱落事案の情報はないという。
出典
『冬タイヤへの交換要注意 大型車、走行中の脱落5倍に』
https://www.asahi.com/articles/ASL284R94L28UTIL01T.html
(ブログ者コメント)
走行中にトラックやバスのタイヤが外れた事例は、本ブログでも何件か紹介スミ。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。