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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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20221122732分にYAHOOニュース(ミモレ)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

高齢者の事故と言えば、お餅などを詰まらせる「窒息」、つまずいて転ぶ「転倒」、お風呂で溺れる「溺水」の3つが、交通事故よりも多い三大事故と言われています。

高齢になると俊敏な動きができなくなり、些細なことが事故につながってしまいます。

今回の相談者・さやかさんも、自分が勧めたフライパンが原因で母親が負傷したと後悔しているようです。

話を聞いてみましょう。

 【画像】小型のフライパンや片手鍋による事故原因と防止策について  

 

【一人暮らしの母が完治半年のやけどに!?

78歳になる母親は、父と死別して早2年。

膝が痛いので、かばうような歩き方をしていますが、それでも身の回りのことは自分でできています。

食事は、一人暮らしになって作る量が減ったと言うので、母親には古くて重い大きめの鍋類は思い切って処分し、キッチンミニマリストになることを提案しました。

調理の際に小ぶりな鍋やフライパンを使えば早く熱が通りますし、ガス代の節約になるかもしれません。

また、よりコンパクトに納めるために、取っ手を取り外しできるタイプも良さそうだと、率先して買い替えを促しました。

そんなある日、母がいつものように野菜炒めを作っていたところ、新たに買った小さなフライパンが五徳から傾き、足に落ちてきたとのこと。

高齢ということもあり、機敏な動きができずに、料理とフライパンをもろに足にかぶってやけどを負ってしまいました。

結局、完治するまでに半年ほどかかってしまい、自分が選んだもので母に怪我をさせてしまったと、後悔は募るばかりです。

そこで、同じようなケースはないかと【フライパン 事故】で検索してみると、小型のフライパンに関する事故の注意喚起がたくさんヒットしました。

高齢の母には、やはり小型のフライパンを勧めるべきではなかったのでしょうか。

事故を防ぐための方法があれば、教えてください。  

 

【増え続ける小型のフライパンや片手鍋による「やけど被害」】

独立行政法人国民生活センターには、20164月から20215月の5年間で、フライパンや片手鍋の落下による危害・危険事例が129件寄せられています。

今回の相談者・さやかさんのお母様のように、小型のフライパンや片手鍋がガスコンロの上で傾き、やけどをする事故が相次いでいるとして、注意を呼びかけています。

200810月以降に製造・輸入されたガスコンロには、「調理油過熱防止装置」という突起が五徳の中央に設置されています。

これは、センサーが鍋底の温度を感知し、250度になったら自動的に消火する装置ですが、この装置が鍋底を押し上げることによって、ガスコンロから鍋類が落下してしまうことがあるのです。

特に小型のフライパンや片手鍋は軽量のものが多く、長くて重い持ち手とのバランスが取りづらいため、注意が必要です。

小型の調理器具を用いた事故が増加している背景には、高齢者の単独世帯が増えたことが挙げられます。

また、コロナ禍で自炊が増えたことで、それまで自炊をあまりしなかった一人暮らし世帯が小型の調理器具を使用する機会が増え、事故につながったことも考えられます。

129件という数字は消費生活に関する相談情報の件数なので、実際にはもっと多くの事故が発生しているはずです。

 

【小型のフライパンや片手鍋による事故原因】

国民生活センターの報告書には、多くの事例が紹介されています。

ここでいくつか紹介しましょう。

ケース(1) 調理器具の安定性が悪い
内径18cmのフライパンの安定が悪く、ガスコンロに乗せると手前に傾く。
揚げ物をしているときにも傾き、油がかかってやけどを負った。

ケース(2) 取っ手が炎で焼損
調理中の炎がフライパンの取っ手に当たりやすく、取っ手を固定している樹脂部が劣化。
最終的には取っ手が外れ、調理したものが足の上に落ちてやけどを負った。

ケース(3) 取っ手内部のネジが腐食して破損
8
年前に購入した片手鍋の取っ手の心棒がサビついて折れ、片手鍋を持ち上げたときに料理がひっくり返って、危うくやけどを負うところだった。  

 

【基本的な事故防止策は?

事例を挙げればキリがありません。

では事故を防ぐには、具体的にどのような対策を取れば良いのでしょうか。

(1) 取扱説明書をよく読む
小径のフライパンや片手鍋の中には、調理油過熱防止装置が備わったガスコンロでは使用不可、揚げ物では使用禁止、そのほか調理油の下限量が決められている商品などもあります。
注意表示はきちんと確認しましょう。

(2) 本体に貼付された注意表示も確認する
調理器具本体には、取っ手の焼損、取っ手のネジ等の腐食に関する注意表示もあります。
また、取っ手を水に浸けたまま放置すると、ネジがサビたり取っ手が破損する原因になるので、要注意です。

(3) 五徳のツメの向きや位置に注意して調理器具を載せる
小径の調理器具をガスコンロで使用する際には、調理油過熱防止装置の影響で傾くことがあります。
取っ手を持ちながら、注意して調理しましょう。

(4) ガスコンロの火力に注意する
火力が強いと鍋の取っ手に炎が直接当たりやすくなり、取っ手の樹脂部が焼損する恐れがあります。

(5) 取っ手のネジをチェックする
取っ手の先端部から根元部分まで貫通する長いネジで留められているものは、取っ手内部に水が残ると、ネジが腐食して破損する恐れがあります。
洗った後は十分に水を切りましょう。
また、取っ手を留めているネジが緩んでいたら締め直してください。

 

【年老いた親の安全を守るために】

危険なのは、ガスコンロにおける事故だけではありません。

火の元が心配だからと、親のためにガスからIHクッキングヒーターに替えた家庭がありました。

同時にIH対応の調理器具を導入しましたが、ある日、鍋が急にガタガタと動き始めたとのこと。

要は、勝手に位置がずれ始めたのです。

急いで火を止めましたが、そのままにしておいたら下に落ちていたかもしれません。

その方は、本体に小さく「中火以上で使わないでください」という注意書きがあったのを見落としていました。

高齢者は、家族が揃えてくれたものはほぼ信じて使いますし、このような注意書きは、まず読みません。

年老いた親だけで暮らすようになると、火事の心配もあって、早めに対策を取る子どもも多いでしょう。

経済産業省が発表した「高齢者に係る製品事故動向」によると、調理中のガスコンロにおける不注意事故は実に2割もの高齢者が経験しており、取扱説明書に関しても「まったく読まない」と答えた高齢者が1割でした。

「これをすれば100%安全」ということはありませんが、取り扱い説明書はよく読み、本体の小さな注意書きも今まで以上に気を配る必要がありそうです。

また、調理器具も小さすぎず大きすぎず、ある程度の大きさと重量があるものを選んでみてください。

https://news.yahoo.co.jp/articles/e5078b80a529c27e72c72ec6b7dc178627aa90f7

 

 

 

 

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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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