2019年10月18日17時42分にNHK埼玉から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
台風19号の大雨では、埼玉県春日部市にある「地下神殿」とも呼ばれる世界最大級の地下放水路が浸水の被害を大幅に軽減する役割を果たしました。
春日部市にある「首都圏外郭放水路」は、埼玉県東部の水害対策のために国がおよそ2300億円かけて建設しました。
近くを流れる5つの川から取り込んだ水をいったん放水路にためて、ポンプを使って川幅が広い江戸川に排出して、氾濫を防ぐ仕組みです。
長さが6.3キロと世界最大級の地下放水路で、水をためる巨大な水槽は、59本の柱がそびえ「地下神殿」とも呼ばれています。
江戸川河川事務所によりますと、今月12日の午前11時半から地下の水槽に水が入り始め、午後7時前には巨大な水槽から江戸川に排出を始めたということです。
一時的に貯水した量は、およそ1200万立方メートル、東京ドーム9杯分に達し、施設が完成した平成18年以降3番目に多かったということです。
河川事務所によりますと、この放水路をはじめ4つの施設が稼働したことなどで、今回と同じ程度の雨量を観測した昭和57年の台風18号と比べて中川と綾瀬川流域の県内24の自治体の浸水被害は、以前の20分の1以下に減ったということです。
首都圏外郭放水路管理支所の高橋支所長は「江戸川の水位があと1メートル高ければ排水できず緊迫する場面もあったが、地域の浸水被害を軽減することができて安心した」と話していました。
首都圏外郭放水路について、河川の氾濫や防災に詳しい埼玉大学の田中規夫教授は「河川が決壊するなどして住民が危ないと思った時には、市街地で水があふれる『内水』氾濫で避難できないこともある。放水路は、『内水』を逃がすために効果的だった」と指摘しています。
田中教授は、首都圏外郭放水路をはじめ、複数の放水路と遊水池が、埼玉県東部や低地にある東京・江戸川区や葛飾区などの浸水被害を抑える効果があったと分析しました。
そのうえで、首都圏外郭放水路のような施設があるからといって洪水は起きないと安心せず、地域のハザードマップなどを確認し、避難など適切な行動をとることが必要だとしています。
また、大規模な施設だけでなく、建物や道路の地下を遊水池として活用するなど対策を強化する必要があるとしています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/saitama/20191018/1100006919.html
10月19日9時54分に毎日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
台風19号の上陸から19日で1週間。
大落(おおおとし)古利根川、中川など中小河川が多い埼玉県春日部市では、「首都圏外郭放水路」が効果を発揮し、大規模な浸水被害はなかった。
放水路は地下50メートルで全長約6・3キロ。
つながる河川の水量が基準を超えると立て抗から水が流れ込み、調圧水槽(長さ177メートル、幅78メートル、高さ18メートル)に集められて巨大なポンプで江戸川に流される。
水槽内の巨大な柱は「地下神殿」と呼ばれて人気を集めている。
国土交通省江戸川河川事務所によると、ポンプは12日午後6時50分から運転。
15日午後3時過ぎまで東京ドーム9杯分に相当する約1151万立方メートルの水を排水した。
施設ができた2006年以降、3番目の多さだった。
周辺地域は水がたまりやすいくぼ地だが、放水路の完成後は「浸水被害が飛躍的に減った」(地元住民)と言われている。
https://mainichi.jp/articles/20191019/k00/00m/040/052000c
(ブログ者コメント)
以下は、NHK映像中の3コマ。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。