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2018年9月7日21時22分に和歌山放送から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
きょう(7日)午前、和歌山市湊にある大手日用品メーカー・花王の和歌山工場で、いずれも60代の男性従業員3人に硫酸がかかり、このうち2人が大けがをした。
きょう午前10時ごろ、工場で「作業をしていた従業員の体に硫酸がかかった」と消防に通報があり、60代の男性3人が病院に運ばれた。
3人のうち、62歳と69歳の男性は全身に硫酸を浴びて大けがをし、残る67歳の男性も足に硫酸がかかり軽いけがをした。
消防によると、3人は硫酸の入ったタンクとポンプ設備をつなぐ配管の接続部分を修理していて、配管に残っていた硫酸が体にかかったとみられる。
出典
『花王和歌山工場で硫酸かかり、作業員3人重軽症』
https://wbs.co.jp/news/2018/09/07/123298.html
9月7日16時34分にNHK和歌山からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
会社によると、この工場では衣服や住宅用の洗剤などを製造していて、硫酸は洗剤に使われる界面活性剤の原料のひとつだという。
会社によると、配管の修理や点検を行う前には硫酸をすべて抜き取ることになっているということで、警察と消防が詳しい状況を調べている。
出典
『花王工場で硫酸かかり3人重軽傷』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/wakayama/20180907/2040001163.html
2018年9月8日0時4分にNHK北海道から、標津町と上富良野町で計2名が中毒死したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
7日午前、北海道の標津町と上富良野町の住宅で、40代と70代の男性がそれぞれ死亡しているのが見つかった。
2人はいずれも地震による停電のため、室内で発電機を使っていたということで、警察は、排気ガスで一酸化炭素中毒になったとみて調べている。
警察によると、7日午前8時半前、標津町の公営住宅で、1人暮らしをしている40代の男性が室内で倒れているのを、部屋を訪ねた勤務先の同僚が見つけ、消防に通報した。
男性は、すでに意識がなく、その場で死亡が確認された。
また、同じ頃、上富良野町でも自営業の70代の男性が自宅の居間で倒れているのが見つかり、死亡が確認された。
警察によると、2人の自宅は当時、いずれも今回の地震の影響で停電していて、玄関には発電機が置かれていたという。
発見された時には、いずれも発電機が停止し、燃料のガソリンがなくなっていたということで、警察は、2人が発電機から出た排気ガスで一酸化炭素中毒になったとみて、調べている。
また警察は、発電機を室内で使うことは避け、やむをえず使用する場合は換気を十分に行うよう、注意を呼びかけている。
出典
『2人死亡 発電機でCO中毒か』
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20180908/0003243.html
9月9日5時0分に北海道新聞電子版からは、上富良野町の事例について、下記趣旨の詳しい記事がネット配信されていた。
警察によると、男性(70)は1人暮らし。
訪れた知人が7日朝、男性が1階居間のソファであおむけになっているのを発見した。
居間の隣の店舗に、ガソリンを使い切った発電機があり、コードが電灯とテレビにつながっていた。
発見時は、ドアも窓も閉められていた。
発電機の不完全燃焼による一酸化炭素中毒とみられる。
北海道電力旭川支店によると、男性が住む地域の停電が解消されたのは7日午前1時すぎだった。
町内に住む妹(68)によると、発電機は6日、町内の知人から借りた。
日中は仕事のため外で使い、夜に室内へ移した時は、換気のためドアを開けていたという。
妹は、「兄は『夜に発電機を使ったら音で近所迷惑になる』と言っていた。音を気にしてドアを閉めたのかもしれない」と推測する。
電動工具大手マキタ旭川営業所の葛西さんによると、今回の停電で発電機は品薄状態という。
「家の中で車のエンジンを動かすようなもので危険。絶対に外で使って」と呼び掛ける。
上富良野町の桜井危機管理員は、一酸化炭素中毒のほか、火災や感電の危険もあるとして、「近くに可燃物を置かない。燃料を補給するときはエンジンを切ってほしい」と話す。
出典
『発電機、室内では危険 上富良野でCO中毒死』
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/226378/
9月9日20時46分にNHK北海道からは、岩見沢市でも1名が死亡したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
9月16日9時45分に読売新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
8日午後1時すぎ、岩見沢市栗沢町の公営住宅で、1人暮らしをしている55歳の男性が室内で倒れているのを、部屋を訪ねた勤務先の同僚が見つけた。
通報を受けた警察や消防が駆けつけたところ、男性はすでに意識がなく、その場で死亡が確認された。
警察によると、男性の自宅は当時、今回の地震の影響で停電していて、室内には発電機が置かれていたという。
発見された時には発電機が停止し、燃料がなくなっていたということで、警察は、発電機から出た排気ガスで一酸化炭素中毒になったとみて、調べている。
「発電機の音が鳴り響き、排ガスの臭いがしていた」。
岩見沢市内の3階建て市営住宅の一室に住む男子中学生(13)は、こう話した。
男性は地震後、実家から借りていた発電機を使っていた。
出典
『室内で発電機 3人目のCO中毒』
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20180909/0003438.html
『発電機、危険な屋内使用…停電中3人CO中毒死』
https://www.yomiuri.co.jp/national/20180916-OYT1T50028.html
9月12日21時8分にNHK北海道からは、根室市でも2人が一時意識不明になったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
今月7日の午後9時半ごろ、根室市幌茂尻の住宅で60代の母親と30代の息子が、それぞれトイレと居間で倒れているのを帰宅した家族が見つけ、消防に通報した。
警察と消防が駆けつけたところ、2人はいずれも意識不明の状態で、そのまま病院に搬送された。
警察などによると、2人は一酸化炭素中毒で、自宅は当時、今回の地震の影響で停電しており、玄関には発電機が置かれていたという。
2人はその後、意識が戻り、快方に向かっているということだが、警察は、発電機から出た排気ガスが原因とみて調べている。
出典
『発電機でCO中毒 根室でも』
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20180912/0003715.html
(ブログ者コメント)
読売新聞掲載写真を見ると、ホームセンターなどで売られている、家庭用掃除機よりやや大きい発電機を使っていたのかもしれない。
2018年9月7日23時36分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
7日午前4時5分頃、札幌市東区の2階建て住宅から出火し、住宅内部がほぼ全焼した。
この火事で、1階和室から男性が心肺停止状態で救助されたが、搬送先の病院で死亡が確認された。
同住宅に住む吉田さん(87)と連絡が取れなくなっていることから、警察は、亡くなったのは吉田さんとみて調べている。
警察幹部によると、実況見分の結果などから、ロウソクからの失火の可能性がある。
現場周辺は、当時、地震に伴う停電が続いていた。
出典
『ロウソク原因か、停電中の住宅で火災…男性死亡』
https://www.yomiuri.co.jp/national/20180907-OYT1T50149.html
(ブログ者コメント)
同様な事例は、今年9月、台風21号にともなう停電時、摂津市の住宅でも起きている。(本ブログ掲載スミ)
2018年9月6日17時49分に沖縄タイムスから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
6日午後3時半ごろ、沖縄市海邦町のS瀝青工業沖縄中城工場のアスファルト貯蔵タンクで爆発があった。
衝撃でタンク上部のふたがゆがんで壊れ、空いた状態になっている。
けが人はない。
同社が原因を調べている。
同社によると、爆発したのはアスファルトを保温しながら貯蔵するタンクで、直径約3m、高さ7~8mほど。
従業員は、「突然爆発したので、原因を調べているところ」と話した。
工場には10人ほどが働き、当時、近くに従業員がいたが、けが人はいないという。
爆発当初に上がった煙については、「人体への影響はない」とした。
午後3時半ごろ、「ドン」という低い音を聞いた近くの事務所で働く女性は、「かなりの衝撃と揺れがあったので驚いた」と、当時の状況を振り返った。
出典
『沖縄のアスファルト貯蔵タンクで爆発 「かなりの衝撃と揺れ」』
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/310737
2018年9月6日付で茨城新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
6日午後1時50分ごろ、神栖市東深芝の樹脂製造工場「D社鹿島工場」(本社千葉県袖ケ浦市)敷地内で、薬品を保管する屋外タンクが爆発し、作業中だった千葉県銚子市の男性(68)が死亡し、神栖市、同、男性(48)が左大腿骨骨折の疑いで重傷を負った。
警察で原因を調べている。
警察などによると、タンクは高さ約5.4m、直径約5.6m。
パラジクロロベンゼンという可燃性の薬品約110トンを保管していた。
2人は、同社が社内設備の補修などを委託している新興プランテック鹿島事業所(神栖市柳川)の社員。
タンク上部の配管の溶接作業を行っていた。
2人が作業中、タンク上部が爆発し、衝撃で千葉県銚子市の男性が地上に落下したとみられ、神栖市の男性が上部にとどまっているところを救助された。
上部に穴が空いたが、爆発による火災や薬品漏れはない。
現場の状況から、溶接の火花が薬品に引火した可能性もあるという。
同社の谷川社長は記者会見で、「爆発事故で社会、近隣を騒がせた。被災された方とご家族に心よりおわびします」と謝罪した。
現場は多くの工場が立地する鹿島臨海工業地帯の一角。
薬品は、自動車に使うプラスチック部品の原料として使われている。
出典
『神栖、樹脂製造工場 タンク爆発2人死傷 溶接中、薬品引火か』
https://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=15362234637448
9月6日18時5分にNHK茨城からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
タンクは上部が1mほどにわたってめくれあがっていて、爆発の影響とみられるという。
同工場は、鹿島港に面して工場や倉庫が建ち並ぶ地域の一角にあり、60人余りの従業員が自動車の部品などに使われる耐熱性樹脂を製造しているという。
出典
『神栖の樹脂工場で爆発 2人死傷』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/mito/20180906/1070004036.html
(ブログ者コメント)
NHKの映像では、タンク天板と側板の溶接部が3分の1周ほど口を開けているように見える。
放爆設計が機能したのかもしれない。
(2021年7月23日 修正1 ;追記)
2021年7月21日8時0分にYAHOOニュース(茨城新聞)からは、金具を屋根に直接溶接する予定外の作業をしていた、再現実験結果、溶接していた屋根の裏側の温度がタンクに貯蔵されていた薬品の発火温度を超えたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
神栖署と県警捜査1課の合同捜査班は20日、業務上過失致死傷の疑いで、火気使用立会者で同社員、男性(44)=潮来市、現場監督をしていた工事委託先社員、男性(32)=神栖市=の2人を水戸地検土浦支部に書類送致した。
書類送検容疑は18年9月6日午後1時47分ごろ、工場の屋外にある可燃性薬品「パラジクロロベンゼン」の円柱型貯蔵タンク(直径約5.6メートル、高さ約5.86メートル)上で、男性2人が、屋根部分の配管補修中にタンクが爆発し、作業を中止させるなど危険回避の指示を怠り、2人を死傷させた疑い。
いずれも容疑をおおむね認めている。
配管工2人のうち千葉県銚子市の男性=当時(68)=が吹き飛ばされて地上に落下し、心破裂で死亡。
神栖市の男性(51)は肋骨(ろっこつ)を折るなど全治約3年のけがを負い、現在も治療している。
同課によると、死傷した2人は金具を屋根に直接溶接する予定外の作業をしていた。
この時に生じた熱でタンクが爆発したとみられる。
県警などの再現実験では、溶接により、薬品の自然発火温度を超える熱が内部に生じていた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/ed9913f63fd7dee48bb02e267e4b08ea360e8ff8
7月20日17時57分にNHK茨城からは、想定外に必要となった作業だったが、書類送検された社員は中止して上司に報告するとか、タンクの中身の有無を確認するなどしなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3年前、神栖市の化学メーカーの工場で化学物質が入ったタンクが爆発し、作業員2人が死傷した事故で、作業の責任者だった化学メーカーの社員ら2人が業務上過失致死傷の疑いで書類送検されました。
書類送検されたのは、神栖市に工場のある化学メーカー「DIC EP」の44歳の社員と、現場監督だった委託会社の32歳の社員です。
警察によりますと、爆発はタンクにボルトを直接、溶接した際に起きたということですが、これは急きょ、想定外に必要となった作業だったということです。
この際、作業の責任者だったDIC EPの社員らは、中止して上司へ報告したり、直接溶接する前にタンクの中身の有無を確認したりせず、事故を回避する義務を怠り、作業員を死傷させた疑いがあるということです。
警察は20日、2人を業務上過失致死傷の疑いで水戸地方検察庁土浦支部に書類送検しました。
調べに対し、いずれも容疑を認めているということです。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/mito/20210720/1070013863.html
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2018年9月7日付で毎日新聞福井版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
6日午後1時20分ごろ、敦賀市呉羽町の東洋紡敦賀事業所第2事業所の合成繊維製造工場(鉄筋5階建て、延べ約4800m2)から出火し、消防車13台で消火にあたった。
消防などによると、逃げ遅れやけが人は確認されていない。
東洋紡によると、工場では通常、エアバッグ材料となるナイロンの合成繊維を24時間態勢で製造している。
4日は、台風21号の影響で午後3時ごろに停電したため、6日午後から繊維巻き取り機械の試験運転を始めていた。
火元は、従業員の目撃情報から、この機械とみられる。
第2事業所は出火原因が判明するまで、操業を停止する。
現場では煙が立ちこめ、焦げたような臭いが広がった。
事業所前の県道が、一時、通行止めになった。
県は、大気汚染がないか測定している。
出典
『火災 東洋紡工場が 県が大気汚染測定開始 敦賀』
https://mainichi.jp/articles/20180907/ddl/k18/040/249000c
9月8日付で毎日新聞福井版からは、爆発音も聞こえたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
火勢は7日午前2時半ごろ、延焼したことによってさらに強まり、消防車のサイレンが市街に響いた。
午前3時ごろには数回、爆発音が聞こえた。
同社によると、この音は配管の蒸気爆発とみられる。
出典
『東洋紡火災 工場ようやく鎮火 社長、会見で謝罪 敦賀』
http://mainichi.jp/articles/20180908/ddl/k18/040/239000c
9月7日20時13分にNHK福井からは、火は翌日の夕方に消し止められたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
車のエアバッグなどに使うナイロン製の糸を製造している「機能材工場」という5階建ての建物から火が出た。
当時、敷地内には生産現場に携わる従業員182人がいたが、全員避難し、有害物質の外部への流出もなかったという。
現場では、6日から夜を徹してポンプ車などおよそ20台が出て消火活動にあたった結果、火は7日午後5時半にようやく消し止められ、煙も収まった。
出典
『東洋紡工場火災が鎮火』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/fukui/20180907/3050000301.html
9月8日7時10分に福井新聞からは、消火に時間がかかった理由について、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
約28時間にわたり燃え続けた東洋紡敦賀事業所第二の工場火災。
工場内に燃えやすい油類やナイロンなどが大量にあったことに加え、工場の配置や複雑な内部構造が消火を妨げ、長期化したとみられる。
焼けた機能材工場は3棟が並んだ状態で配置され、北側からA、B、C工場と呼ばれる。
火元はA工場の1階付近で、大量に置かれた界面活性剤などの油類やナイロンが火勢を一気に強めたもようだ。
A工場の炎を消そうとしても、B工場が隣接する南側からは消火できず、内部に所狭しと設置された機械が細部への放水を妨げた。
7日未明、燃えさかるA工場の屋根が落ちると、空気が入り込んでさらに燃え上がり、B工場に延焼。
段ボールなどに引火し、もうもうたる煙と熱風もあり、手に負えない状態が続いた。
C工場から50m離れた場所に液化天然ガス(LNG)タンクがあり、中に21万2000ℓが備蓄されている。
火の手が及べば爆発の可能性もあり、B工場を取り囲むように消防士を重点的に配置し、なんとか食い止めた。
出典
『東洋紡火災、なぜ消火に28時間 敦賀の工場、ナイロンや油類が大量』
http://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/695735
9月7日18時12分に産経新聞westからは、他の工場での生産穴埋めは難しいという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
楢原社長は7日、同事業所で記者会見し、生産再開のめどが立っていないとした上で、「他の工場で製造の穴埋めは難しい可能性がある」と述べた。
火災があった設備では、東洋紡として最大規模となる年間約1万トンの原糸を生産している。
他にドイツや米国、中国で製造しているが、全量は代替生産できない恐れがあるという。
出典
『東洋紡「製造穴埋め困難」…敦賀事業所火災で楢原社長』
https://www.sankei.com/west/news/180907/wst1809070079-n1.html
9月11日付で毎日新聞福井版からは、巻き取り機の試運転中にローター部から煙が出たなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
敦賀署が業務上失火容疑での立件を視野に調べていることが、捜査関係者への取材で分かった。
死傷者は出なかったものの、敦賀署は、容疑の構成要件とされる業務上に必要な注意を怠ったため火災が生じた可能性もあるとみて、慎重に調べている。
過失で火災を発生させる罪は、不特定多数の生命や財産に損害を及ぼす恐れがあるため、公共危険罪の一種とみなされる場合がある。
敦賀署の任意聴取で東洋紡側は、合成繊維の巻き取り機を試験運転中にローター部から煙が出たと説明している模様だ。
事業所には液化天然ガスが計212kℓ貯蔵されており、敦賀美方消防組合は消火活動中、爆発を回避するため、別途、放水していた。
出典
『業務上失火視野に 容疑で敦賀署捜査も』
https://mainichi.jp/articles/20180911/ddl/k18/040/274000c
(2/2へ続く)
(1/2から続く)
9月11日17時10分に福井新聞からは、火災は想定を超える規模で自衛消防隊の手には負えなかったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
同社の初期消火活動が機能しなかった状況が浮かび上がってきた。
同社には、初動対応のマニュアルや自衛消防組織があったが、可燃物に引火し一気に強まった火の勢いに対応できなかった。
同社は、「これほどまで燃え広がる想定はなかった。結果として、備えが十分ではなかった」としている。
同社によると、火元の敦賀機能材工場A工場は4日、台風21号の影響で一時停電し、製造作業を中断。
5日は操業を休み、6日の出火当時は、7人の従業員が再開に向けて機械の試運転を行っていた。
午後1時10分ごろ、従業員1人が機械から煙が上がっているのに気付き、5人が消火器による初期消火を実施。
火の勢いが収まらなかったため、同20分ごろ119番通報し、避難した。
火を使用する工程はなかったという。
同事業所では、火災発生時の対応手順を示す「自動火災報知機(自火報)作動時の初動対応」のマニュアルを定め、消火器を使った初期消火や避難などの訓練を、勤務体系ごとに年1回実施している。
協力会社を含む約200人態勢の自衛組織「東洋紡敦賀地区事業所自衛防災団第二事業所分団」も消防法に基づき設置しているが、火災現場を確認した工場長らの「手に負えない」との判断で従業員全員が避難。
ポンプ車1台を所持していたが、初期消火では使用せず、自衛組織の活動は消防隊員の現場案内にとどまった。
敦賀美方消防組合消防本部によると、同社の自衛消防組織の規模は適正だったとし、同社総務部の近藤・地域広報課長も、「対応に不備はなかったと考えている」と説明。
ただ、工場内に大量にあった原料のナイロンやろうなどの油類、梱包用段ボールなどに引火し一気に燃え広がる事態までは想定していなかったとも明かし、「結果的に不備を指摘されても仕方がない」と話した。
出典
『東洋紡火災、自衛消防団手に負えず 初期消火も一気に燃え広がる』
http://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/697849
(ブログ者コメント)
建物内にあった大量の可燃物が火災になり、建物の構造などもネックになって消火が難しかったという点で、去年2月に三芳町で起きたアスクル倉庫火災(本ブログ掲載スミ)を思い出した。
あちらは倉庫、こちらは工場ということだが、アスクル倉庫火災時、この事例は他山の石かもと少しでも思った人は、この会社に何人いたのだろうか?
(2018年10月8日 修正1)
2018年10月6日付で中日新聞から、延伸機のモーター付近が火元だった、火災後の地元とのコミュニケーションがうまくとれなかったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
警察と消防は、ナイロン原糸を引き延ばしながら加熱する「延伸機」のモーター付近が火元と特定した。
一方、同社と市は、早い段階から「安全」と判断して公表。
けが人はいなかったものの、住民からは情報提供のあり方などに対して、疑問の声が消えていない。
経緯を検証した。
火災発生直後、風下の中央町などに黒煙が漂った。
市は、同日午後2時すぎから防災メールなどで、屋内に退避して窓を閉めるよう、市内全域の住民に求めた。
一方で市は、「煙に有害物質は含まれていない」と判断し、午後3時すぎには、校内待機させていた近くの小学校の児童の下校を認めた。
東洋紡側も、「火災で発生した煙に危険性はないとみている」と、6日の会見で説明した。
ただ、住民からは、その後、のどや目の痛みを訴える声が上がった。
「安全」の根拠の一つとなったのは、県が観測したデータだった。
県は、市内の常時監視測定局のほか、派遣した移動式測定車で、事業所の敷地内で二酸化硫黄と浮遊粒子状物質、一酸化炭素など5項目をモニタリング。
いずれも基準値以下だった。
福井大工学部の吉見泰治准教授(生物有機化学)によると、ナイロン原糸などは、燃え方によっては5項目以外の汚染物質を発生させるが、空気より重いといった理由で、拡散する可能性は低い。
ただ、住民がのどや目の痛みを訴えたことについては、「少量の煙に含まれる燃焼で発生した物質は、『有毒』とまではいかなくても、『有害』である可能性がある」とし、住民への伝え方が不十分だったと指摘する。
消火活動が長引いたにもかかわらず、新たな情報が伝えられなかったことも、住民を不安にさせた。
6日夜には敷地内の隣の工場に延焼し、再び爆発音が響いた。
就寝時間帯に火が勢いを増し、不安のため眠れなかったという住民もいた。
7日未明に自主避難所が設置されたが、一時利用したのは3人だった。
東洋紡は7日の会見で、敷地内には液化天然ガス(LNG)タンクが保管されているが、安全規定の倍以上の100mほど間隔があるため引火はないと説明。
実際に大惨事は避けられたが、敦賀市議の一人は、「自主避難をするのに必要な判断材料がなかった」と注文を付ける。
東洋紡が開設した電話相談窓口には、これまでに44件の問い合わせがあったという。
工場に近い同市昭和町区長の中村さん(男性、77歳)は、「火災の原因や環境の問題について問い合わせても、不安だけが残ったと話す住民がいた」と明かし、「住民説明会があってもいいのでは」と訴える。
出典
『「安全」判断、説明足らず 敦賀・東洋紡火災1カ月』
http://www.chunichi.co.jp/article/fukui/20181006/CK2018100602000020.html
2018年9月6日20時3分にNHK東海から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
6日午前9時半ごろ、大口町替地にある金属部品の製造工場で「男性が屋根から落ちた」と、従業員から消防に通報があった。
警察によると、転落したのは江南市大海道町の自営業、田中さん(男性、87歳)で、病院に運ばれたが、頭を強く打っていて約4時間後に死亡した。
この工場では、台風21号の影響で屋根に穴が開いたため、田中さんが会社の依頼を受けて、別の作業員4人とともに、5mほどの高さの屋根の上で補修作業をしていたという。
発見された時、田中さんはヘルメットや命綱をしていなかったということで、警察は誤って転落したとみて調べている。
出典
『屋根修理中に転落か 男性死亡』
https://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20180906/0000631.html
9月6日16時50分に中京テレビからは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
警察によると、工場の屋根は台風21号の影響で数か所に穴があいており、田中さんはその穴から誤って転落したとみられている。
出典
『台風で壊れた屋根補修中に転落、死亡 愛知・大口町で87歳』
https://www2.ctv.co.jp/news/2018/09/06/21227/
9月7日0時0分に中日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
警察の調べでは、田中さんは同社から依頼を受け、台風21号の影響で穴が開いたスレートぶきの屋根を修理していた。
田中さんは当時、ヘルメットやベルトなどの安全装備を身に着けていなかったという。
出典
『工場屋根を補修、男性死亡 愛知・大口町、台風21号』
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2018090790000027.html
※主だった被害などは別記事として掲載。
2018年9月6日17時11分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
6日午前3時8分ごろ、北海道の厚真(あつま)町で震度7を観測する地震があった。
北海道で震度7を観測したのは、震度階級が改定された1996年以降初めてで、国内では2016年の熊本地震以来6回目。
また、安平(あびら)町とむかわ町では震度6強を記録した。
土砂崩れや家屋の倒壊など大きな被害が確認され、道の午後3時の集計では、4人が死亡、3人が心肺停止の状態で、31人の安否が分かっていないという。
一方、道内全ての火力・水力発電所が一時停止、全295万戸が停電したが、午後になり札幌市や旭川市の一部で復旧し始めている。
気象庁によると、震源は胆振(いぶり)地方中東部で、震源の深さは37km、地震の規模を示すマグニチュード(M)は6.7と推定される。
千歳市の新千歳空港で震度6弱、札幌市や苫小牧市などでも5強を観測した。
道によると、死亡したのは厚真町で2人、むかわ町と新ひだか町で各1人の計4人。
道警と道庁によると、むかわ町で死亡したのは80代の男性で、タンスの下敷きになっているのを知人が見つけた。
新ひだか町では56歳の男性が自宅で亡くなった。
大規模な土砂崩れが発生した厚真町では、3人が心肺停止の状態という。
さらに、道内各地で295人が負傷し、うち7人が重傷を負っているという。
今回の地震は、地盤が東北東方向と西南西方向から押されたことで断層がずれる「逆断層型」とみられる。
気象庁は、「今後1週間は最大震度6強程度の地震に注意する必要がある」としている。
震源の西約10kmには、石狩低地東縁断層帯が南北に通っているが、今回の地震との関連性は不明だ。
政府の地震調査研究推進本部は、同断層帯が動いた場合、最大でM7.9程度の地震が発生する可能性があるとの予測を公表していた。
記者会見した気象庁の松森・地震津波監視課長は、「揺れの強かった地域では、家屋の倒壊や土砂災害の危険性が高まる恐れがある」と呼びかけた。
出典
『北海道震度7 4人死亡、3人心肺停止 31人安否不明』
https://mainichi.jp/articles/20180907/k00/00m/040/007000c
9月6日23時7分に毎日新聞からは、産業活動への影響などに関し、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
北海道で6日未明に発生した地震で、停電によって多くの工場が操業停止に追い込まれたほか、コンビニエンスストアも休業するなど影響が広がった。
被災地域には工場などが集積。
停電は1週間以上続くとの見方もあるだけに、経済活動への影響が懸念されている。
「停電が解消しないことには復旧の見通しが立たない」。
乳製品の大部分を道内で製造する雪印の広報担当者は、そう頭を抱えた。
同社の道内全7工場は、停電で冷蔵できなくなるなどして操業を停止。
森永乳業も、道内4カ所の製造拠点が止まり、全国への発送ができない状態となっている。
アサヒ、キリン、サッポロのビール各社も操業を停止した。
製紙業界では、王子ホールディングスの4工場が止まり、再開の見通しは立っていない。
段ボール原紙や包装紙、新聞紙などを製造して全国に納入しているが、同社は「停電が長期化すれば、種類によっては供給できなくなる可能性がある」と話す。
新日鉄住金室蘭製鉄所内にある三菱製鋼室蘭特殊鋼では、同日午前4時ごろ、停電で熱を持った材料を冷却できず、余熱で潤滑剤に引火し火災が発生。約6時間後に鎮火した。
設備に大きな被害はなかった。
一方、コンビニのローソンは、停電や品不足などで、道内の半数弱に当たる300店舗が一時休業した。
同社は、「停電で冷蔵・冷凍品を売ることができなくなり、品切れもあって、やむを得ず休業した」と説明。
セブン-イレブンは、道内の970店舗が停電したが、一部店舗を除いて営業している。
ただ、販売しているのは水やカップラーメンが中心。
同社は、「できる範囲で営業を続けている」と話した。
物流では、道路状況の悪化や交通網の混乱で影響が出ている。
日本郵便が道内の一部の郵便局で営業を停止し、道内宛ての宅配便「ゆうパック」などの受け付けを取りやめた。
北海道発着の郵便物の配達も、大幅に遅れる見通し。
ヤマト運輸は、6日午後2時に、北海道から全国への発送の受け付けを停止した。
全国から北海道への配送は、「クール宅急便」などを除き、受け付けているが、配送は大幅に遅れる見通しだ。
佐川急便や日本通運も、道内の集配を停止した。
電機メーカーも影響を受けた。
パナソニックは、千歳、帯広の両市にある車載向け電子部品工場の稼働を停止した。
京セラも、携帯電話の基地局向け電子部品やスマートフォンを生産している北見工場(北見市)で操業を停止。
同社は、「振り替え勤務などで、生産に影響が出ないようにしたい」としている。
トヨタ自動車の子会社「トヨタ自動車北海道」(苫小牧市)の工場も、操業を停止した。
出典
『北海道震度7 製造・流通、影響深刻 停電復旧、見通せず』
https://mainichi.jp/articles/20180907/k00/00m/020/124000c
2018年9月6日13時55分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
北海道で起きた地震の影響で、北海道内すべての火力発電所が緊急停止し、一部の発電所で火災や破損が発生した。
全道295万戸が停電状態になり、信号や医療機関など市民生活にも影響が広がっている。
北電によると、道内唯一の原発、泊原発はもともと運転停止中で、震源に近く管内電力の約半分をまかなう苫東厚真火力発電所(厚真町、165万KW)が地震の揺れを感知して緊急停止した。
4号機のタービンから出火、1、2号機は水蒸気が漏れ、配管が損傷したとみられ、復旧に時間がかかる見通し。
苫東厚真火力のストップで電力需給のバランスが大きく崩れ、別の道内3カ所の火力発電所もすべて停止している。
北電では、火力の再稼働に必要な電力を供給するため、水力発電所5カ所を動かし、復旧を急いでいる。
全道停電は、1951年の北電創業以来、初という。
・・・・・
出典
『北海道震度6強 北電「全面復旧に1週間以上」計画停電も』
https://mainichi.jp/articles/20180906/k00/00e/040/359000c
9月11日付で毎日新聞東京版からは、厚真火発自動停止時の状況が、下記趣旨でネット配信されていた。
北電などの説明によると、地震前は4発電所で計252.5万KWを発電していたが、地震直後の6日午前3時8分ごろ、半分以上の130万KWを発電していた2、4号機が自動停止した。
このため、道内全域の電力の需要と供給のバランスが崩れ、17分後の同25分ごろ、他の知内・伊達・奈井江の各発電所が同時に停止し、全域で電力の供給が止まった。
道内各地を自動的に停電させ、需要を遮断する「負荷遮断」も追いつかなかったとみられる。
1号機(35万KW)は、地震から約17分後に停止したが、原因は不明で、調査を続ける。
出典
『北海道地震 苫東厚真の火力2基、地震直後に自動停止』
https://mainichi.jp/articles/20180911/ddm/002/040/170000c
9月7日7時15分に毎日新聞からは、道内全域停電となった理由などが、下記趣旨でネット配信されていた。
・・・・・
約260万戸が停電した1995年の阪神大震災を上回り、道内全域の約290万戸が停電した。
・・・・・
北電や経産省などによると、地震発生当時の電力需要は、約310万KWだった。
道内の主な火力発電所6カ所のうち、苫東厚真の3基(発電能力165万KW)を含む4カ所の計6基が稼働していたが、地震の影響で苫東厚真の3基が緊急停止。
供給量が一気に減り、「みこしを担いでいた人たちの半分が一斉に抜けたような状態」(北電東京支社の佐藤渉外・報道担当課長)になった。
通常、発電量は需要と常に一致するよう自動調整されている。
バランスが狂うと発電機の回転数が乱れ、発電機や工場の産業用機器などが故障するためだ。
地震などの災害で一部の発電所が緊急停止しても、普段は,他の発電所の供給量を増やして対応できるが、今回は他の発電所でカバーできる量を超えていた。
このため、地震の影響を直接受けなかった発電所も需給バランスの乱れによる故障を避けるため、自動的に次々と緊急停止した。
みこしの下に残った人が押しつぶされそうになり、危険を感じて次々とみこしを放り出して抜け出したような状況だったと言える。
ただ、北電の担当者は、「供給が減れば需要も減らす調整をすべきだったが、うまくいかず、被害が全域に広がってしまった可能性がある」と話す。
東京電力は、2011年3月11日の東日本大震災の際、福島第1原発の停止などによって供給力が下がったため、一部の地域を意図的に停電させることで、需要量を減らして需給バランスを保ち、首都圏での大規模停電を避けたとされる。
横浜国立大の大山力教授(電力システム工学)は、「北電は需要量の調整に失敗したのではないか」と指摘する。
北海道の電力は、道内最大の発電能力を持つ泊原発(207万KW)と苫東厚真で、需要の多くをまかなってきた。
しかし、泊原発は12年5月に定期検査のため運転を停止。
今も原子力規制委員会の安全審査が続いており、再稼働していない。
苫東厚真への依存度が高まっていたことも、今回の大規模停電の要因になった。
出典
『北海道震度7 発電所停止の連鎖 主力電源を直撃』
https://mainichi.jp/articles/20180907/k00/00m/040/168000c
(2/3へ続く)
(1/3から続く)
9月7日4時57分に朝日新聞からは、道内全域停電の理由などが、前掲の毎日新聞とは違う下記趣旨の表現でネット配信されていた。
地震に襲われた北海道のほぼ全域が、一時、停電した。
最大の火力発電所がダメージを受けて需給のバランスが崩れ、ドミノ倒しのように発電所が止まった。
完全復旧までは1週間以上かかる見通しだ。
「極めてレアなケース。すべての電源が落ちるリスクは低いとみていた」
6日午後、札幌市の北海道電力本店。
停電で薄暗い1階ロビーに設けられた会見場で、真弓社長は、こわばった表情で話した。
今回の停電は、離島などを除く、北海道のほぼ全域で発生した。
電気事業連合会によると、大手電力会社のほぼ全域に及ぶ大規模停電は、初めてだ。
今回の停電の発端となった苫東厚真火力発電所(北海道厚真町)は、北電で最大の火力発電所であり、3基の能力は計165万KW。
地震で停まり、北電は、この時点の供給力の半分以上を一気に失った。
需給のバランスが崩れ、その影響がほかの発電所にも及んで停止。
道内全域の停電に追い込まれた。
経産省が想定していた北海道での発電設備トラブルによる供給力減少は、129万KW。
「(165万KWは)想定外だった」と、担当者も話す。
電気は溜めることができないため、必要な分だけを、発電所で出力を細かく調整しながら供給する。
そのバランスをみるための指標が「周波数」だ。
発電機の回転速度にあたる。
電気の供給が増えると周波数は高くなり、需要が増えると周波数は低くなる。
北海道を含む東日本では、周波数を常に50ヘルツになるように制御している。
しかし、需要と供給のバランスが急激に崩れて周波数が乱れると、タービンの故障やシステムの異常が起こりやすくなる。
これを避けるため、電力の供給を自動的に遮断する仕組みが、元々備わっている。
大阪電気通信大の伊与田功教授(電力系統工学)は、「北海道各地で電気の遮断がドミノ倒しのように一斉に起き、すべての発電機が電気系統から離れて広域で停電する『ブラックアウト(全系崩壊)』が起きた」と話す。
今後は、停めていた水力発電を動かし、そこでつくった電気を使って、火力発電などを順次、稼働させていく。
ただ、十分な供給力を確保するには、ボイラーやタービンを損傷した苫東厚真火力の復旧が欠かせず、1週間以上かかるという。
【もし冬だったら…】
今回の大停電は、「想定外」とは言い切れない。
2011年の東日本大震災では、東京電力福島第1原発など、多くの原発が止まり、首都圏では計画停電が実施された。
一カ所に多くの発電設備を置く「集中立地」のリスクへの対応は、震災の教訓の一つだった。
北海道での大停電が、暖房などで電力がより必要な冬に起きていたら、被害はさらに大きくなった可能性がある。
【電力会社間の電力の融通にも課題が残った】
北海道と本州の間には、電力をやりとりできる「北本連系線」があり、頼みの綱のはずだった。
距離が長くても送電が安定するよう直流を採用しているため、北電が本州から電力を受け取るには、北海道側で受け取った直流から通常の交流に変換しなければならない。
変換の装置を動かすために交流の電気が必要だが、停電のために調達できず、すぐに使えなかった。
しかも、連系線の能力は最大60万KW。
苫東厚真火力の発電能力の2分の1に及ばない。
北電は、外部電源がいらない新しい連系線を本州との間に建設しているが、今回の事態には間に合わなかった。
大阪府立大の石亀篤司教授(電力システム工学)は、「本州から受け取れる電力は多くなく、北海道内は、ほぼ独立した系統。地震の発生が(電力消費の比較的少ない)未明で、発電所の多くが止まっていたため、出力のバランスを維持するのが難しかったのではないか」とみる。
同様の大規模停電が北海道以外で起きる可能性はあるのか。
ほとんどの電力会社は、複数の電力会社と、外部電源が必要でない連系線でつながっている。
石亀さんは「可能性は低いだろう」とみる。
一方、電力のシステムに詳しい荻本和彦・東京大特任教授は、「地震はどこでも起こりうるので、電源の種類や場所を分散することで、停電リスクを減らすことが重要だ。だが、完璧にするのは難しいので、大規模停電が起きた際の減災対策を考えておく必要がある」と指摘する。
出典
『北海道ブラックアウト 最大の火力発電所からドミノ倒し』
https://www.asahi.com/articles/ASL966Q4QL96ULFA044.html
9月12日5時1分に朝日新聞からは、地震直後、一時的にブラックアウト回避操作が成功していたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
北海道で6日未明の地震後に起きた大規模停電をめぐり、地震直後に北海道電力が本州側から緊急の電力融通を受けるなどして、いったんは電力の需給バランスを回復していたことが、大手電力間の電力融通などを担う国の電力広域的運営推進機関の分析でわかった。
だが、その後、何らかの理由で再びバランスが崩れ、地震から18分後に、道内ほぼ全域の停電(ブラックアウト)に陥った。
広域機関や北電は、これまで、ブラックアウトまでに本州から電力融通があったかを明らかにしていなかった。
世耕経済産業相は11日、停電に至った経緯を、第三者も交えて検証する意向を示した。
広域機関や北電によると、6日午前3時7分の地震発生直後、震源に近い苫東厚真火力発電所2号機と4号機が自動停止し、130万KW分の供給力が一気に失われた。
すぐに本州側から60万KWの融通を受けたほか、北電が一部地域を強制的に停電して需要を減らす措置を取り、3時11分までに電力の需給バランスは回復したとみられるという。
需給バランスが崩れたままだと、各地の発電所の機器が故障を防ぐために自動停止し、大停電につながる。
これを防ぐための措置が、地震直後に一時的に機能したもようだ。
だが、この後に再び均衡が崩れ、午前3時25分、苫東厚真1号機を含め道内の火力発電所などが停止して、ブラックアウトした。
この間、北電の運用が適正だったかどうかが、原因究明の焦点の一つになりそうだ。
出典
『北海道の大停電防止、一時は機能 本州から電力融通受け』
https://www.asahi.com/articles/ASL9C4V8JL9CULFA01L.html
(3/3へ続く)
(2/3から続く)
2018年9月12日5時4分に朝日新聞からは、厚真火力発電所の損傷状況に関する下記趣旨の記事が、写真付きでネット配信されていた。
苫東厚真発電所について、経産省と北海道電力は11日、全面復旧が11月以降になるとの見通しを示した。
これまで「1週間以上」と説明していた復旧時期が大幅にずれこみ、市民生活や企業活動に影響が広がりそうだ。
復旧が遅れる理由について、北電の阪井副社長は、「点検が進むにつれ、損傷していた場所が多く見つかった」と説明した。
北電によると、1号機ではボイラー内に通る配管が2本、2号機では11本の損傷がみつかった。
1号機より2号機の方が被害を受けた配管の数が多い分、復旧には時間がかかるという。
復旧が遅れる4号機はタービンから出火し、内部の温度がまだ90℃あるという。
作業員が入れないため、冷えるのを待って、16日以降に点検を始める。
タービンを分解し、損傷部分を修理、交換するなどして組み立て直す必要があり、1、2号機より、さらに時間が必要になる。
出典
『苫東厚真発電所、全面復旧は11月以降 配管損傷や出火』
https://www.asahi.com/articles/ASL9C5CJJL9CULFA02Q.html
(2018年9月23日 修正1;追記)
2018年9月20日付で毎日新聞東京版からは、地震発生後、ブラックアウトに至るまでの18分間の経緯が、下記趣旨でネット配信されていた。周波数変動のグラフ付き。
経産省などは19日、今月6日未明の北海道地震発生から道内全域の大停電(ブラックアウト)に至るまでの18分間の、北海道電力管内の周波数の推移などのデータを公表した。
主力の火力発電所の停止で電力供給が大幅に落ちこみ、北電は3度にわたる強制的な停電で需要を抑え込もうとしたが、需給のバランスがとれずに周波数が急低下し、ブラックアウトに陥った経緯が明らかになった。
経産省は、複合的な要因が重なったとみて詳細を調べている。
・・・・・
経産省などが公表したデータによると、6日午前3時7分の地震発生直後に、主力の苫東厚真火力発電所2号機(最大出力60万KW)と4号機(同70万KW)が緊急停止した。
供給量が急激に減少したことで、通常時は50ヘルツで安定している周波数は急低下。
その影響などで、道内全域の風力発電や水力発電も連鎖的に停止した。
1分足らずで、地震発生前の電力総需要310万KWの半分近い供給力が失われたとみられ、周波数は、一時、46.13ヘルツまで急落した。
北電は、一部地区を強制的に停電する「負荷遮断」を実施して需要を減らしたほか、本州から約60万KWの電力の融通を受けるなど、需給のバランスを図ったことで、一度は周波数が50ヘルツをほぼ回復し、危機は乗り越えられたかに見えた。
しかし、ここから想定外の事態が発生する。
停電しなかった地域では、地震で目を覚ました住民らが照明やテレビをつけるなどして需要が急伸し、再び周波数が低下し始めたため、北電は残存する火力発電の出力を上げて対応。
3時20分ごろには、苫東厚真火力1号機(35万KW)の出力が低下し、再び急激に周波数が低下したため、2回目の負荷遮断を実施した。
再度、周波数が持ち直したところに、苫東厚真1号機が停止。
3度目の負荷遮断も周波数の低下を止めることができず、他の3カ所の火力発電も連鎖的に停止したことで、3時25分にブラックアウトに至った。
一連の負荷遮断などの対応は、大半が自動的に行われており、経産省は「人為的な操作でトラブルが起きたとは思っていない」としている。
・・・・・
しかし、苫東厚真1号機の停止に伴い、周波数が急低下した際は、3度目の負荷遮断でも止めることができなかった。
経産省は、「(周波数低下のスピードに)負荷遮断が間に合わなかった可能性がある」(幹部)とみている。
すでに相当程度供給量が減っていたうえ、2度の負荷遮断で需要も抑えられていたため、調整余地が限られていた可能性もある。
また、北電は最大129万KWの供給が失われる想定で、大規模停電を回避する準備をしていた。
電力広域的運営推進機関によると、地震直前、苫東厚真の出力は2号機が56万KW、4号機は60万KW。
風力や水力は計数10万KWとみられ、地震直後に失った供給力は、想定を上回った可能性がある。
経産省は、「(負荷遮断などの)システムの備えや運用が適切だったか、検証が必要」とみる。
・・・・・
出典
『北海道地震 ブラックアウト 18分間に3度強制停電 需給バランス守れず』
https://mainichi.jp/articles/20180920/ddm/002/040/072000c
9月20日12時11分にNHK北海道からは、1号機はボイラー管に7cmほどの亀裂が入っていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
北海道で起きた大規模停電、ブラックアウトの原因となった苫東厚真火力発電所の内部が、地震後、初めて公開された。
・・・・・
このうち、発電所で最も出力が大きい4号機では、地震によってタービン内部で火災が発生した。
タービンを格納する施設の外側には、高温の蒸気が噴き出した跡が今も残り、被害の大きさがうかがえる。
また、すでに別の場所に移された1号機のボイラー管は、直径4.5cmの管に7cmほどの亀裂が入っている。
1号機は、ブラックアウトの直前まで運転を続けていたが、ここから大量の蒸気が漏れ出し、出力が低下したという。
・・・・・
出典
『苫東厚真火発内部 地震後初公開』
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20180920/0004091.html
2018年9月6日付で東京新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
6日の北海道の地震では、発生直後、震度計のデータが気象庁に入電せず、震度不明となるトラブルが続出。
「震度5弱以上」とみられる所だけでも、未入電は17カ所に上った。
うち、震度6強とみられる所が1カ所、6弱とみられる所が3カ所。
データの入手には現地調査が必要で、気象庁は「震度6強の地点が今後増えるか、震度7の地点が出る可能性もある」とした。
原因は、停電や通信障害の可能性があるが、不明。
こうした震度データの途絶は、しばしば起きており、2004年の新潟県中越地震では同県川口町(現長岡市)の震度計がダウンし、1週間後に震度7と判明。
16年の熊本地震でも、2度目の震度7(益城(ましき)町、西原村)が判明したのは、4日後だった。
震度データは防災の初動に欠かせず、余震活動の観測でも必要。
非常用電源や通信回線の増強が課題となっていた。
入電データで震度6強の安平(あびら)町は、計測震度と呼ばれる生の数字が「6.4」。
6.5だと震度7になり、今回はその寸前だった。
震度計がない所の揺れも推定した分布図では、安平町と千歳市に震度7相当とみられる地域があるという。
地震のメカニズムは、東北東と西南西から地盤を圧縮する力が働く逆断層型。
陸や海のプレート(岩板)境界が滑る地震ではなく、内陸直下で断層がずれ動いた地震とみられる。
出典
『北海道地震 震度データ、多数入らず』
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201809/CK2018090602000264.html
9月8日9時36分に日本経済新聞からは、アメダスのデータも50地点から入電していなかったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
最大震度7を観測した北海道地震で、気象庁は8日までに、道内に225あるアメダス観測点のうち、50地点に障害が発生したと発表した。
通信や電力供給に問題があるとみられ、臨時の観測点を設けるなどの対応を進めた。
上ノ国町では、波浪の観測点が機能しなくなった。
本来なら、データは気象庁のホームページで公開されており、避難や救助活動に影響する可能性がある。
今回の地震では、地震計のデータが気象庁に入らず、最大震度の把握が約半日後になった経緯もあり、観測態勢の強化や安定性を求める声が強まりそうだ。
震源に近い厚真町では、6日午前4時以降、データが入手できなくなったが、7日午後6時以降は、気象衛星ひまわり8号を介した通信で、降水量だけ把握できるようになった。
同様に安平町、むかわ町などでも、時間帯によっては降水量のデータが送れていなかったが、その後、復旧した。
いずれも、50地点には含まれていない。
〔共同〕
出典
『道内アメダス不調50地点 通信障害や停電原因か』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO35142520Y8A900C1CC0000/
2018年9月11日13時49分に産経新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
北海道地震で液状化現象が起きた札幌市清田区で、北海道テレビ(札幌市)の女性アナウンサーと男性記者が泥にはまり、消防に救助されたとして、同社は10日、公式ホームページに「取材活動についてのお礼とお詫び」を掲載した。
北海道テレビによると、アナウンサーと記者は、地震が発生した6日の正午前に清田区の液状化現場で泥にはまった。
消防が救助活動を行ったが、手間取り、助け出されたのは午後5時半ごろだったという。
その様子を他の民放が撮影していたことから、ネット上で取材活動に批判の声が上がっていた。
北海道テレビはテレビ朝日系の地方局。
岡CSR広報室長は、「被災者救助に向けられるべき消防の活動に支障を生じさせたことを深く反省し、ご迷惑をおかけしたことをおわび申し上げます」と話している。
出典
『北海道テレビのアナらが泥にはまり、救助に6時間 「消防の活動に支障」と謝罪』
http://www.sankei.com/affairs/news/180911/afr1809110018-n1.html
(ブログ者コメント)
北海道テレビのHPに掲載されているお詫び文には、以下の記載もあった。
このたびのことを教訓とし、社員・スタッフの教育を徹底して再発防止に努め、取材中の安全確保の徹底を図り、引き続き報道、情報の発信に尽くしてまいります。
https://www.htb.co.jp/news/20180906/
2018年9月7日12時11分にFNN PRIMEから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
北海道地震で道内全世帯が停電する中、北海道を中心に展開するコンビニが営業を続け、温かい食事を提供するなど被災者を助けているとして、SNSなどで称賛の声が相次いでいる。
コンビニエンスストアのセイコーマートは、9月6日の被災直後、停電などで多くのスーパーなどが休業を余儀なくされている中でも、(※電気自動車ではない)車のバッテリーから電源を取り、営業を続けた。
セイコーマートによると、北海道内に1100ある店舗のうち、従業員などが出勤できない店舗を除く1050の店舗が営業したという。
セイコーマートの一部の店舗には店内でガス調理する施設があり、おにぎりや総菜など、温かい料理を提供していた。
こうした対応に、SNSの投稿者によると
「できたてのおにぎりが出てくるなんて、神すぎる」
「北海道の誇り」
などと、非常時の対応に賞賛の声が上がっている。
実は、こうした対応は、会社側が普段から非常電源キットを各店舗に配布していて、今回はそれを使い、従業員の車などから電源を取ったことから可能になったという。
出典
『“神対応”停電でも営業続けた地元コンビニに賞賛の声』
https://www.fnn.jp/posts/00359920HDK
9月11日5時0分に北海道新聞電子版からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
6日未明に起きた胆振東部地震で、コンビニ道内最大手セコマ(札幌)の対応が注目されている。
同社は、2004年の台風18号による停電で、店内レジが使えなくなった。
その後、車のバッテリーから電源を取ってレジを稼働できるようにし、商品発注用の端末もレジとして使えるように対応。
胆振東部地震でも、6日から約1050店舗で営業した。
店内調理「ホットシェフ」でも、停電後、約500店舗のガス釜で、多くの人に行き渡るよう、おにぎりを集中的に作った。
過去の大災害を教訓にした備えが奏功した。
出典
『セコマ 停電中でも大半が営業 過去の教訓生かす』
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/226975/
(ブログ者コメント)
9月10日昼に放映されたTBS「ひるおび」では、下記趣旨の説明もあった。
・非常電源キットと共にマニュアルも全店舗に配布していた。
・津波対策として高い場所に物流倉庫を移し、そこに燃料も備蓄していた。
今回の地震では、そこから各店舗に向けて、商品や店で使う燃料を配送した。
・従業員の意識も高く、自宅の片づけを最小限にとどめ出勤した従業員によって、店を開くことができた。
ちなみに、高い場所に移した倉庫とは、下記かもしれない。
(2016/11/25 08:25 リアルエコノミー;北海道の地域経済ニュースサイト)
セコマ(本社・札幌市中央区)は卸・物流を担うグループ企業、セイコーフレッシュフーズ(同・同市白石区)の釧路配送センター移転新築工事を進めていたが28日から本格稼働することに伴い、取引先関係者約100人を集めた内覧会を24日開催した。
同社は、釧路市星が浦にあった旧釧路配送センターが、築18年で老朽化していることから用地を近隣に取得して移転を検討。
しかし、東日本大震災後の津波対策強化でさらに内陸の土地が必要と判断、釧路市阿寒町下舌辛(しもしたから)に約4万㎡を確保して新配送センターを建設していた。
総工費は約20億円。
新センターは、海抜20m以上で海から内陸へ25㎞入ったところにあり津波の心配は少ない。
自家発電設備(330KV)2台を配備。
敷地に3万5000㎘のA重油タンクを設置しており、周囲が停電になっても最大で20日間は稼働を続けられる。
また、自前の給油スタンドも持ち、4万8000㎘を備蓄。
周辺エリアで給油できなくても常時使用する40台のトラックがセイコーマート店舗とセンター間を3週間往復できる。
配送エリアは釧路市や根室市、北見市、網走市など道東22市町村で、セイコーマート131店舗のほか、外部取引先80店舗など合計300店に毎日商品を供給していく。
セコマは、道や各市町村、自衛隊と災害協定を結んでおり災害時でも機能する道東の物流拠点として位置付ける。
・・・・・
出典
『セコマが「釧路配送センター」移転新築 阿寒IC直結の防災機能備えた3温度帯対応』
http://hre-net.com/keizai/ryutu/21572/
2018年9月11日11時23分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
北海道胆振地方を震源とする地震で最大震度7を記録し、大きな被害が出た北海道厚真町の避難所に、東日本大震災を教訓に開発された段ボールベッド500台が設置された。
ベッドで眠った避難中の住民たちは、一夜明けた11日朝、「久しぶりによく寝られた」「寝起きも楽だった」と喜んだ。
段ボールベッドは、2011年3月の大震災直後、体育館などの冷たい床で雑魚寝する被災者をテレビで見た大阪府八尾市の段ボールメーカーの社長が考案した。
寝台が床から高いため、ほこりを吸い込むことを防ぎ、寝起きする際の足腰への負担も軽減される。
直接、床で寝るよりも、エコノミークラス症候群を防ぐ効果も期待されるほか、断熱性もある。
16年4月の熊本地震でも、避難所で使われた。
今回は、同道北見市の日本赤十字北海道看護大学に備蓄してあったベッドを搬入し、10日に避難者と協力しながら組み立てた。
避難しているお年寄りたちは、早速、座ったり寝転がったりしながら、「いい感じ」と笑顔。
ベッドは約1畳分で、寝台の高さは30cmほどで、仕切りもあるためプライバシー確保にもつながる。
妻と避難中の塚田さん(72)は腰痛を抱えており、「普通のベッドと変わらない良い寝心地で、昨晩は10時間も寝た。トイレに行く時も寝起きが楽だった」と笑顔を見せた。
出典
『北海道震度7 「よく寝られた」避難所に段ボールベッド』
https://mainichi.jp/articles/20180911/k00/00e/040/189000c
(ブログ者コメント)
段ボールベッドについては、本ブログでも何回か紹介スミ。
ただ、実際に使った避難者の感想が報じられたのは、ブログ者の知る限り、初めてだ。
2018年9月6日21時6分にNHK東北から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
6日午前2時すぎ、仙台市青葉区中央のJR仙台駅前にある建設中の8階建てのビルで、セメントでできた外壁材をクレーン車で吊り上げていたところ、重さおよそ140kgの外壁材3枚が折れて落下した。
この事故で、地上でクレーン車を誘導していた登米市中田町の千葉さん(男性、62歳)の頭に、落下した外壁材の一部が当たった。
千葉さんは病院に運ばれたが、およそ1時間半後に死亡した。
警察によると、外壁材はクレーン車がビルの3階につり上げる途中で、折れて落下したという。
警察は、外壁材が折れた原因などについて、調べを進めることにしている。
出典
『外壁材落下し男性作業員死亡』
https://www3.nhk.or.jp/tohoku-news/20180906/0002697.html
2017年3月1日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第2報として掲載します。
第1報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/6826/
(2018年9月12日 修正3 ;追記)
2018年9月5日21時52分にNHK和歌山から、元上司が書類送検されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
警察は、当時の上司が爆発を防ぐ措置を怠ったことなどが事故につながったとみて、業務上過失致死傷の疑いで書類送検した。
波浪計を設置した国交省によると、波浪計の内部にあった蓄電池の劣化や不具合で水素ガスが発生し、作業員が着ていた服などから出ていた静電気が引火して爆発が起きた可能性があるという。
出典
『波浪計爆発死亡事故で書類送検』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/wakayama/20180905/2040001134.html
9月4日13時7分に産経新聞westからは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
起訴を求めない意見を付けたとみられる。
出典
http://www.sankei.com/west/news/180904/wst1809040051-n1.html
(2019年1月5日 修正4 ;追記)
2019年1月4日12時35分にNHK和歌山から、元上司は不起訴になったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
業務上過失致死傷の疑いで書類送検されていた当時の上司について、和歌山地方検察庁は4日までに嫌疑不十分で不起訴にした。
和歌山地方検察庁は「起訴に足る証拠を集められなかった」としている。
出典
『波浪計爆発事故で元上司を不起訴』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/wakayama/20190104/2040001950.html
2018年9月5日付で毎日新聞東京版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
厚労省は4日、東京電力福島第1原発事故後に放射線量の測定作業などに従事し、肺がんで死亡した50代男性について労災認定したと発表した。
第1原発事故後の被ばくを巡る労災認定は5例目で、死亡事案で認めたのは初めて。
認定は8月31日付。
厚労省によると、男性は1980年6月~2015年9月のうち約28年3カ月、第1原発を中心に全国の原発で作業に従事し、累積の被ばく線量は約195ミリシーベルトだった。
このうち11年3月の事故後の被ばく線量は、同年12月までが約34ミリシーベルトで、15年9月には約74ミリシーベルトに達した。
主に第1原発の構内外で放射線を測定し、作業中は防護服や全面マスクを着用していたという。
男性は16年2月に肺がんを発症した。
厚労省は遺族の意向として、死亡時期などを明らかにしていない。
肺がんに関する原発労働者の労災認定の基準は
▽被ばく線量が100ミリシーベルト以上
▽被ばくから5年以上経過して発症
など。
放射線医学の専門家らで作る厚労省の検討会の意見を踏まえ、認定した。
東京電力ホールディングス広報室は、「引き続き、発電所の安全確保、労働環境の改善に努めたい」としている。
出典
『東日本大震災 福島第1原発事故 作業員、死亡は労災 事故後の被ばく認定』
https://mainichi.jp/articles/20180905/ddm/041/040/105000c
(ブログ者コメント)
廃炉作業中の労災認定としては、本ブログで以下の情報を紹介している。
2015年10月29日掲載
2015年10月21日報道 福島第1原発の廃炉作業で被ばくし白血病を発症したとして、事故後の作業被ばくで初の労災認定
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/5331/
2018年9月5日0時9分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東日本大震災の津波で亡くなった約9500人分の検視記録について、東北大学が宮城県警からデータの提供を受け、死亡状況の詳しい分析に着手する。
震災の膨大な検視データを活用した初の研究。
救助や避難方法の研究につなげ、津波に巻き込まれても生き延びるための「生存学」の構築をめざす。
震災では約9割が溺死とされたが、日本法医学会の調査報告は、津波に巻き込まれる前後の打撲や水圧による胸部圧迫、長く水につかったための低体温症など、様々な要因が関連した可能性を指摘している。
今後の津波災害では、もし津波から逃げられなかったとしても、どうすれば助かるか考える必要がある。
東北大災害科学国際研究所の今村文彦教授(津波工学)、門廻充侍(せとしゅうじ)助教(同)と、同大医学部の舟山真人教授(法医学)らがチームを組み、東日本大震災での「致死プロセス」解明に取り組むことを決めた。
県警は、身元が判明した約9500人分について、個人名を除き、性別・年齢や住所、遺体発見場所、死因や所見などのデータを提供。
大学側は、遺族の異議があればデータを削除する方向で調整しており、近く、倫理委員会が結論を出す。
今後、岩手、福島両県警にもデータ提供を依頼する。
研究は、多岐にわたる。
遺体発見場所と津波で浸水した深さ、土砂の分布などを分析し、人が流れ着きやすい場所の特徴がわかれば、発災後の迅速な発見に生かせる。
津波や障害物で頭や胸にどれくらい力が加わるか分析し、避難時に身につけるライフジャケットや防災頭巾の開発につなげることができる。
また、住民約400人が犠牲になった宮城県石巻市南浜地区では、生存者から聞き取りをして、何が生死を分けたか調べるという。
今村教授は、「南海トラフ巨大地震の想定では、津波到達まで数分しかなく、物理的に避難が難しい地域もある。あきらめずに何が必要か、生存の方法を考えたい」と話す。
出典
『津波死9500人の検視記録を分析へ 東北大「生存学」』
https://www.asahi.com/articles/ASL94578TL94UTIL028.html
(ブログ者コメント)
「生存学」とは、初めて聞く言葉。
調べてみると、立命館大学に「生存学研究センター」なる組織があった。
以下は、同センターHPに掲載されている説明文(抜粋)。
東北大学でいうところの「生存学」とは、少しニュアンスが違うような気もするが、ご参考まで。
立命館大学生存学研究センターは2007年度文部科学省グローバルCOEプログラム「生存学」創成拠点の採択を受け、設立されました。
5年間のプログラムとして「生存学」創成拠点では、大学院先端総合学術研究科と人間科学研究所が基幹となり、教員・院生・研究員が組織を超えて連携し、研究・教育活動を展開してまいりました。
今後はこうした実績を踏まえて「生存学」を構想・提言・実践しつつ、さらなる展開を行う国内の中核的研究拠点となります。
また、海外研究者との連携を強め、グローバルなハブ機能をもった拠点として国内外での「生存学」の交信を目指します。
主な活動内容
「障老病異」を基軸とし、4つの学問的課題群としてさらなる飛躍を目指します。
具体的には、
①生存の現代史
②生存のエスノグラフィー
③生存をめぐる制・政策
④生存をめぐる科学・技術
です。
この4つの課題群を交差させつつ展開し、研究会、ワークショップ、国際共同研究会等を開催してまいります。
・・・・・
「生存学」という新しい分野
私たち人間はみな「障老病異」とともに生きています。
障害、老い、病気、そして、たとえば性的なアイデンティティの面で人と異なることなどは誰の身にも起こり得ることです。
それにもかかわらず、これまではその当事者の側に立って調べたり考えたり、その情報を蓄積したりということがあまり行なわれてきませんでした。
医療やリハビリテーションは、基本的に病気や障害を「治す」ための学問です。
そうすると、「治らない状態」はその学問の枠から外されていきます。
では、そうした人のために社会福祉学があるではないかと言われるでしょうか。
けれども、福祉サービスを受ける時間以外の時間にもその人は生きています。
その人たちがどうやって生きてきたか、生きているかを知る、そしてこれからどうして生きていくか考える。
それが「生存学」です。
https://www.ritsumei-arsvi.org/aboutus/aboutus-1/
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その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。