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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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(2010年11月20日 旧ブログ掲載記事)
 
2010年11月19日2時49分に、北海道新聞から、以下の趣旨の記事がネット配信されていた。
 
11月18日午後3時半ごろ、札幌市の橋の塗装現場の地面に作業員が倒れているのを同僚が発見。全身を強く打っており、間もなく死亡が確認された。
警察によると、被災者は同僚6人と橋にかけていた足場の撤去作業を行っており、作業中に誤って約15m下の地面に落ちた模様。被災者は命綱をしていたが、何らかの原因で切れたとみて調べている。
 

 
(ブログ者コメント)
 
□安全帯のどこが切れたのか?本当に切れたのか?外れたのではないか?など、原因を知りたいところだ。
□安全帯を使用する際の基本は、規格に合致した製品を正しく使うことだ。
安全帯の正しい使い方については、平成18年に厚生労働省から、直近の墜落事故に関連して、以下のパンフレットが紹介されている。
パンフレットに記載された内容の例は下記。
「安全帯の廃棄基準例(P7)」
・ベルトに3mm以上の摩耗、切り傷などがある。
・ロープに7ヤーン以上の摩耗、切れがあるもの。
・フックの外れ止め装置の開閉作動の悪いもの。
 
 
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(2010年11月19日 旧ブログ掲載記事)
 
2010年11月18日17時31分に、msn産経ニュースから、以下の趣旨の記事がネット配信されていた。
 
11月18日午前3時20分ごろ、山梨県早川町の工事現場で、作業員がコンクリートミキサー車のドラムと外側の手すりの間に身体を挟まれているのを別の作業員が発見し、119番通報。病院に運ばれたが間もなく死亡した。死因は窒息死。
警察によると、被災者は17日午後7時ごろから一人でドラム内部の清掃などをしていた。ミキサー車のエンジンはかかったままであり、ドラム内に上半身を入れて作業中、何らかの原因でドラムが回転したとみて調べている。
 
 
 
(ブログ者コメント)
 
同じような事故が、今年7月25日に名古屋、10月16日に川崎で起きており、このブログにも掲載した。
機械によって構造は異なるかもしれないが、一般的に言って、機械を動かすためのスイッチというものは、動力源をスイッチ部分で遮断する機能しか持っておらず、スイッチに不具合が出れば、すぐに動力源とつながり、機械は動きだしてしまう。
回転機の清掃や点検を行う場合は、必ず動力源のスイッチを切っておくことが大切だ。
 
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(2010年11月16日 旧ブログ掲載記事)
 
2010年11月15日18時23分に、以下の趣旨の記事がmsn産経ニュースからネット配信されていた。
 
2010年5月14日、新日鉄君津製鉄所で、地上6.7mに設置された高濃度の一酸化炭素が通るガス管の支柱部分の塗装作業をしていた作業員が一酸化炭素中毒で死亡した事故に関し、労基は、当該ガス管は2年以内に1回は定期検査を行うことが義務づけられているにもかかわらず、平成20年1月1日から今年5月13日までの間、地上から見える部分の点検しか行っていなかったとして、11月15日に労安法違反容疑で、会社ならびに君津製鉄所の担当課長を書類送検した。
労基は、ガス管のつなぎ目に取りつけられたボルトが一部欠損していたことから、緩んだ部分から一酸化炭素が漏れ、事故につながった可能性もあるとみて調べている。
http://sankei.jp.msn.com/region/kanto/chiba/101115/chb1011151825004-n1.htm

また、2010年11月16日付の朝日新聞千葉版に、以下の趣旨の記事が掲載されていた。
 
当該配管は直径約4mで、配管接続部分のボルト120本のうち、27本が折れていた。


事故発生当時のmns産経ニュースは、以下を参照。 http://sankei.jp.msn.com/affairs/disaster/100515/dst1005151319003-n1.htm
 

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(2010年11月16日 旧ブログ掲載記事)
 
2010年11月13日19時35分に、以下の趣旨の記事がmsn産経ニュースからネット配信されていた。
 
11月13日午後1時ごろ、宮崎県国冨町の太陽電池パネル製造会社「ソーラーフロンティア」国冨工場で、生産ラインの整備・保守作業中の作業員が降下してきた資材用リフトの下敷きになり病院に搬送されたが、間もなく死亡が確認された。
警察によると、同工場は来年の稼働に向けて準備中だったという。
 
 
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(2010年11月15日 旧ブログ掲載記事)
 
2010年11月14日13時52分に、以下の趣旨の記事が、福島民報よりネット配信されていた。
 
11月13日午後2時40分ごろ、南相馬市の東北電力原町火力発電所で、タービン棟の窓ふき作業の準備をしていたアルバイト作業員が、乗っていたゴンドラごと、約21m下の地面に落ち、全身を強く打って間もなく死亡した。
 
警察によると、2人1組で滑車移動機を使ったゴンドラに乗って上下に移動しながら窓ふきをしており、もう1人の作業員は、屋上で安全確認をしたり、滑車を横に移動させたりしていた。被災者は命綱をつけていなかった。
 
警察は、ゴンドラごと落下したことから、ロープが固定されていなかった可能性もあるとみて原因を調べている。
 
 
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(2010年11月15日 旧ブログ掲載記事)
 
2010年11月13日23時38分に、以下の趣旨の記事が、福島民報よりネット配信されていた。
 
11月13日午後1時30分ごろ、南会津町の林道拡幅工事現場で、土留め用のブロックの積み上げ作業をしていた作業員2人が、倒れてきたブロック(約1m四方、重さ約800kg)の下敷きになった。1名は首、もう1名は右足を折る重傷。警察で原因を調べている。
 
 

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(2010年11月9日 旧ブログ掲載記事)
 
2010年11月8日21時51分に朝日新聞から以下の趣旨の記事がネット配信されていた。また、11月9日の毎日新聞朝刊にも同様の趣旨の記事が掲載されていた。
 
11月8日午後4時20分ごろ、苫小牧市の港湾物流会社「苫小牧埠頭」から、倉庫で作業員が倒れたと119番通報があった。消防署員が2人を救出したが、まもなく死亡が確認された。現場の酸素濃度を測定したところ、約8%だった。
警察によると、被災者らは飼料袋の外側に付着したカビを除去するため倉庫内に入ろうと、出入り口のシャッターを開けようとしたが開かなかった。そこで、横の通用口から入ったところ、最初に入った人が突然倒れ、不審に思って後を追った人も入り口から約3mの場所で倒れた。もう一人後に続いていた人は、急いで脱出して無事だった。
倉庫(平屋、間口20m、奥行き17m)には、飼料として使うための、しょうゆ製造後の大豆搾りカスが約200袋保管されていたため、警察では、搾りカスが発酵して倉庫内が酸欠状態だった上、シャッターが開かず、換気が不十分だった可能性があるとみて原因を調べている。
 (ブログ者コメント)
 大豆搾りカスが発酵する際に、倉庫内の酸素を消費したことが原因だった可能性がある。
発酵するものとか腐るものが閉所に存在する、あるいは存在する可能性がある場合は要注意。また、鉄が錆びる際にも酸素を消費する。
よって、閉所に入る時には、十分な換気または事前に酸素濃度を測定しておいたほうが賢明だ。
 
 (修正1;2010年11月28日 追記)
 2010年11月9日付の北海道新聞の朝刊と夕刊、ならびに同日付の室蘭民報に、下記趣旨の記事が掲載されていた。
 
倉庫は苫小牧港管理組合が所有し、苫小牧埠頭が飼料の保管のために使用している。
苫小牧埠頭によれば、飼料用サイロで作業する際は酸素濃度測定器を持って行くことが義務づけられているが、今回は倉庫内での作業のため、携帯していなかったという。
関係者によれば、倉庫は通常の出入り口が広く、出入りするたびに換気されるという。
労基署は、労安法で飼料貯蔵倉庫が酸欠危険場所に指定され、酸素濃度測定などの対策を義務づけられていることから、9日午後、立ち入り検査を行う。
苫小牧埠頭によると、事故のあった倉庫の扉を最後に開けたのは11月1日で、異常はなかったという。
倉庫の天井には換気扇があり、扉の開閉で換気されるため、作業中に酸素濃度測定器は使用していなかったという。
警察によると、倉庫の扉は横に開閉する鉄製の電動式。事故時、被災者Aさんともう一人の作業員(16歳)が扉を開けようとしたが開かず、被災者Bさんを呼んだ。Bさんが扉の点検のため狭い点検口から入ったが、出てこないため2人も点検口から入ったところAさんが倒れ、もう一人の作業員は逃げて通報した。
Aさんは入り口から10mほど入った地点で倒れていた。
 
(ブログ者コメント)
 
飼料倉庫は酸欠危険場所だと分かってはいても、Aさんのような状況に置かれた場合、そのことが思い浮かばず、ついつい、私でも様子を見に中に入っていくかもしれない。
入口に「酸欠危険場所」という表示があれば、思いとどまるかもしれないが・・・。
 
 
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(2010年11月5日 旧ブログ掲載記事)
 
2010年11月4日14時43分に静岡新聞から、同日18時26分に共同通信から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
 
2010年11月4日午前8時40分ごろ、富士市の産業廃棄物処理会社「サニックス富士工場」から、社員2人が廃プラスチック破砕機の中で倒れていると119番通報があった。消防が救助に当たったが、2人の死亡が確認された。
警察によると、2人は3日午後9時から夜勤に就き、破砕機を動かしていた。
ベルトコンベアーから破砕機に送られてきたプラスチックごみが中間槽で詰まったため、槽の中に入って除去していた際、約3m3以上、重さ約1トンのプラスチックごみが落下してきて埋もれ、窒息死したとみて調べている。
 
 
(修正1; 2010年11月11日 情報追記)
 
2010年11月5日付の静岡新聞に、以下の趣旨の記事が掲載されていた。
 
同社は4日夜に記者会見し、「破砕機のタンク内に詰まったプラスチックゴミを下から除去する際に、ゴミが落下して埋もれたのではないか」との見方を示した。 「破砕機のタンク内でプラスチックゴミが詰まるケースは、同社の全国15工場でも年に1回程度で、ほとんどない」という。
同社は、同日、全工場に安全対策の徹底を伝えたとし、今後は「細やかなケースにもマニュアルを作り、徹底させたい」と話した。
破砕機は高さ7.4m、ベルトコンベアーで上部からプラスチックゴミを流し込み、下にある刃で細かくする構造。2人が埋もれたゴミは、同社の調べで約400kgであった。
また、11月6日付の静岡新聞には、以下の趣旨の記事が掲載されていた。
5日までの警察の調べで、2人の死因は、廃プラスチックに埋まったことによる窒息死とみられることがわかった。
 


(修正2; 2011年5月18日 情報追記)
 
20115171651分に、msn産経ニュース静岡から下記趣旨の記事がネット配信されていた。
 
富士労基署は17日、労安法違反の疑いで、サニックスと同社富士工場主任(32)を書類送検した。
ベルトコンベヤーに詰まった廃プラスチックの除去中、落下する危険性があったにもかかわらず、網を張るなどの対策を講じないまま作業させたため、作業員(45)ら2人が生き埋めとなり窒息死した、という容疑。
 
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(2010年11月4日 旧ブログ掲載記事)
 
2010年11日3日付で、下記趣旨の記事が神奈川新聞よりネット配信されていた。
 
11月1日午後3時半ごろ、厚木市の工場跡地で遺跡などの試掘調査中、作業員Aさんが崩れてきた土砂の下敷きになり、病院に搬送されたが、間もなく死亡した。
Aさんは、市職員ら2人と、現場に試掘した縦19m、横2m、深さ2mの窪地内で地質などを調査していたが、突然土砂が崩れ、胸から下が埋まった。職員らに助け出された時には痛さで叫んでいる状態だったという。警察で死因などを調べている。
 
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(2010年11月2日 旧ブログ掲載記事)
 
以下の趣旨の記事が2010年11月2日付の毎日新聞朝刊に掲載され、11月1日18時39分に朝日新聞から、同日20時39分に共同通信からネット配信されていた。
 
11月1日午前10時30分ごろ、愛知県一宮市の染色加工会社「艶金興業」開発センターの解体工事現場で、敷地出入り口に設置された鉄製の門扉が突然、歩道側に倒れ、工事車両の交通整理をしていた警備員Aさんが下敷きになった。Aさんは全身を強く打っており、搬送先の病院で死亡が確認された。
警察によると、門扉は柵状のスライド式で、縦2.3m、横4.6m。幅9mの市道を半分程度塞ぐ形で倒れていた。門扉には、粉じんが敷地外に飛ぶのを防ぐため、3本の鉄パイプ支柱が立てられ、その上からシートをかぶせられていた。
事故当時、風速5~6mの風が吹いており、瞬間最大風速は10mくらいだったらしい。
警察では、シートが強風を受けた影響で門扉が倒れた可能性があり、安全管理に問題がなかったか、工事関係者から事情を聴いている。
 
 
(ブログ者コメント)
 
今回はシートが風圧を受けたことが原因だろうが、シートがなくても、この手の柵状スライド式門扉は、風で倒れることがある。ブログ者が勤務していた工場でも、強風の中、門を閉めようとした人が、倒れてきた柵状門扉の下敷きになったことがある。
重いので倒れないだろうとか、柵状、格子状なので風は通り抜けるだろう、などと思い込んでいたら大間違い。元勤務工場の事例に関し、柵の総面積に受ける風圧で門扉の転倒モーメントを計算したところ、思いのほか簡単に倒れることが、事故後に判明した。その後は、普通の引き戸のような、ほとんど支えるもののないスライド式だったものを、幼児用自転車のように門扉の横に転倒防止用の支え枠をコロ付きで設け、対策とした。
同種門扉を使っている事業所は、ご用心。
 

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(2010年10月30日 旧ブログ掲載記事)
 
2010年10月29日14時31分に、北海道新聞から、以下の趣旨の記事がネット配信されていた。
 
10月29日午前7時10分ごろ、宗谷管内枝幸町のスーパー「西條枝幸店」の商品搬入口で、運転手のAさんが、高さ約90cmのトラック荷台から、重さ約300kgの鉄製カーゴとともに転落。Aさんはカーゴの下敷きになり、頭を強く打って死亡した。
警察によると、Aさんはスーパーに納入に来ていて、荷台からカーゴを降ろす作業をしていた。
 
 

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(2010年10月30日 旧ブログ掲載記事)
 
2010年10月29日10時52分にMSN産経ニュースから、同日11時18分に読売新聞から、以下の趣旨の記事がネット配信されていた。
 
10月29日午前4時5分ごろ、埼玉県所沢市のタカタニ所沢物流センターで、同社社員のAさんが倉庫の搬入口で倒れているのを、離れた場所で作業していた人が発見。110番通報した。
Aさんは、屋外にある固定式のリフトと搬入口の床面(ヘリの部分?;高さ1.1m)との間に首を挟まれた状態で、すでに死亡していた。
警察によると、Aさんは、当時、一人でリフトを使ってパレットを倉庫から出し入れする作業を行っていた。リフトと床面の間には約10cmの隙間があったという。警察で事故原因を調べている。
 
 
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(2010年10月29日 旧ブログ掲載記事)
 
2010年10月28日付で茨城新聞から、同日23時15分付で毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
 
10月28日午前10時ごろ、古河市の下水道工事現場から、作業員がマンホール内で倒れた旨、119番通報があった。
現場に駆け付けた消防レスキュー隊が調べたところ、作業員2人が深さ4mのところで倒れており、内部から硫化水素が検知された。Aさんは心肺停止状態で救助されたが搬送先の病院で死亡。Bさんも意識不明の重体。
現場では、当日午前8時ごろから下水道管の新設工事が行われ、事故当時は7人の作業員が現場にいた。初めにAさんがマンホール内に入ったところ突然倒れ、Bさんが救出しようと中に入り、続けざまに倒れた。マンホールは深さ7m。2人は、途中にある転落防止用の蓋の上で倒れたという。
市によると、マンホール内で作業する場合は、事前に酸素濃度や硫化水素濃度を測定することが労安法で義務づけられているが、今回の作業では、測定せずに入った可能性が高いとみて調べている。
http://www.ibaraki-np.co.jp/news/news.php?f_jun=12882687465794
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20101029k0000m040127000c.html
 
(ブログ者コメント)
 
□硫化水素は腐った卵の臭いで、人間の鼻でも感知しやすい。データにもよるが、不快臭を感じる濃度は0.4~0.5ppm程度。急性中毒になる濃度は200~300ppm程度。死に至るのは1000ppm程度だと言われている。この点、被災者が突然倒れたということから考えると、硫化水素中毒ではなく、酸欠だったのではないか?でなければ臭くてたまらず、4mも降りては行けないはずだ。
□酸欠は恐ろしい。空気流れのない場所では、深さ1mであっても、死に至った事例がある。


(2010年10月31日 修正1; 情報追記)
 
10月29日付の朝日新聞茨城版ネット配信記事に、マンホール構造図が掲載されていた。
 
 
10月30日付の朝日新聞茨城版ネット配信記事に、以下の趣旨の記事が掲載されていた。
 
・午前10時過ぎ、マンホール内で66ppmの硫化水素を検知した。この値は換気後の測定値につき、事故当時は、もっと高濃度だった可能性がある。
・現場に酸素濃度や硫化水素濃度を測定する計器はなく、2人とも空気呼吸器を着けずにマンホール内に入って倒れた。
 
10月30日付の茨城新聞ネット配信記事に、以下の趣旨の記事が掲載されていた。
 
・亡くなった人の死因は、司法解剖の結果、酸素欠乏による窒息死の疑いが強いことが判明した。
・先に倒れた人を救助しようとマンホール内に入って倒れた人は、マンホール内の異常に気付き、タオルで口を塞いで下に降りたところ、突然倒れた。
・工事を請け負った業者から市への事前説明では、当日、マンホールに入る作業はなかった。
 
 
(2010年11月23日 修正2; 情報追記)
 
2010年11月22日に、茨城新聞から以下の趣旨の記事がネット配信されていた。
 
地元の工事関係者は、「県内で酸欠事故など聞いたことがなかった」と驚いており、今回の事故を教訓に、酸欠防止対策に乗り出す業者も出始めた。
当初は硫化水素中毒が疑われたが、警察の司法解剖で、死因は酸欠死だったことがわかった。
労安法では、酸欠の恐れがある危険な場所での作業は、有資格者が前もって酸素濃度などを測定するように定めており、基準値を超えた場合は換気や空気呼吸器などの装着を義務づけている。工事を請け負った業者は、「法令順守を徹底しなかったことが事故の原因」とする報告書を市に提出している。
 
(ブログ者コメント)
 
酸欠事故防止のための規制は、以下の労安法酸欠則に定められている。
 
 
(2010年12月12日 修正3; 情報追記)
 
2010年12月11日付で、茨城新聞から下記趣旨の記事がネット配信されていた。
 
労基署は、10日、労安法違反容疑で幸手市の下水道工事業者と同社社長(42)を書類送検した。容疑は、作業員をマンホール内に立ち入らせる際、酸欠知識を持った作業主任者を配置しなかった上、酸素濃度計を用意せず、作業開始前の濃度測定を怠った疑い。この社長は、事故時、救助に向かって酸欠になり、一時意識不明になっていた。
工事は市が市内の工事業者に発注しており、送検された業者は下請けとして工事に入っていた。
労基署は、10日、同種事故再発防止に向け、市や県の出先機関に対し緊急要請書を出し、工事業者に自主点検などの安全指導を図るように促した。
 

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(2010年10月29日 旧ブログ掲載記事)
 
2010年10月29日2時31分に、下記趣旨の記事が福島民報よりネット配信されていた。
 
10月28日午前8時15分ごろ、会津坂下町の発泡スチロール製造工場の敷地内で、トラックに荷物を積む作業をしていた運送会社社員がトラックの荷台から落ち、頭を強打して間もなく死亡した。警察で原因を調べている。
 
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(2010年10月23日 旧ブログ掲載記事)
 
(事故の概要)
 
2009年5月27日付の赤穂民報ネット版に、以下の趣旨の記事が掲載されていた。
 
5月27日午後6時35分ごろ、赤穂市木津の大阪合成有機化学研究所の赤穂清水工場から、有機溶剤中毒で作業員が意識不明になったと119番通報があった。
警察によると、倒れたのは研究担当者1名と社員2名の計3人。3人とも意識を回復し、容態は安定。
事故のあった部屋では、同日午前10時から、タンクで医薬品原料となる二次加工物の製造を交代で行い、事故発生時は被害にあった3人で作業していた。何らかの原因でタンク内の温度が異常に上昇し、有機溶剤のテトラヒドロフランが気化したものとみられる。周辺への影響はないという。
 
(事故の原因と顛末)
 
2010年10月20日8時31分付で産経関西から、同日13時5分付で神戸新聞から、以下の趣旨の記事がネット配信されていた。
 
□新しい医薬品を製造することを目指し、水素化ナトリウムなどを反応させていた時に有毒ガスが発生した。
□兵庫県警は、20日までに、消防法違反容疑で、同社の役員ら3人を書類送検した。
容疑は、危険物に指定されている水素化ナトリウム40kgを無許可で貯蔵したほか、22.9kgを危険物取扱者免状取得者を立ち会わせずに取り扱った疑い。
 
 
(ブログ者コメント)
 
□水素化ナトリウムは固体で、一般的にはテトラヒドロフラン(THF)などの中で使われているらしい。もし、今回もそのようにして使われていたとしたら、事故当時に報道されたTHF中毒ではなく、反応で発生した別の有毒ガスによる中毒だったのかもしれない。
□水素化ナトリウムは固体で、危険物第3類の8.金属の水素化物に該当する。指定数量は10kg。今回、40kgを無許可貯蔵していたというが、新薬品試作ということで、タマタマ、一時的に指定数量をオーバーしたとか、新規に持ちこんだ、といった事情があったのではないのだろうか?もしそうだとすれば、この点、危険物管理上、注意すべきであろう。
 

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(2010年10月20日)
 
2010年4月4日、7月26日、7月29日、8月14日付の朝日新聞山形版(ネット;聞蔵)に、以下の趣旨の記事が掲載されていた。
 
(概要)
 
2009年4月2日午後0時半ごろ、新庄市の食品容器製造会社「ヨコタ東北」の本社工場内で、従業員が型抜き機に頭を挟まれ、搬送先の病院で死亡した。警察によると、被災者は食品容器の加工、裁断作業をしていたという。
 
(原因)
 
型抜き機には、安全扉が開くと機械が停止するインターロックが組み込まれていたが、安全扉が開いたままでも機械が作動するように何年も前から安全装置を粘着テープなどで固定。その状態で日常的に作業させていたらしい。工場長と主任オペレーターは、それが普通だと思っていたと話している由。
 
(顛末)
 
2009年7月25日、警察は工場長と主任オペレーターを業務上過失致死容疑で逮捕した。
2010年7月28日、労基は同社と専務、工場長を、労安法違反で書類送検した。
2010年8月13日、地検は工場長を起訴。専務を在宅起訴。主任オペレーターは違反の容疑が軽微だとして起訴猶予とした。
 
 
(ブログ者コメント)
 
□ブログ者は、たまに、「安全性」×「作業性」=1の関係式が成り立つのではないか・・・と思うことがあるが、この事例に接した際もそう感じた。
インターロックという安全設備があったがために、経営的には作業効率の低下が、作業する人には面倒臭さがもたらされた。
面倒臭ければショートパスしたくなるのが人間の常だが、それを抑えるのが安全管理者の役目だ。
ネットで調べると従業員130人の中堅企業らしいが、なぜ安全管理体制が形骸化したのだろう?インターロック機能の意味合いも機械メーカーから伝えられていたと思うのだが・・・。

 
□同種事例として、JR西の緊急列車停止装置警報スピーカー詰めもの事件がある。これは、今年9月、音がうるさいと紙などがスピーカーに詰められていることが発覚したものだ。Y.T社は会社全体、JR西は一部の不心得社員によるものという違いはあるが、両社に共通するところは、組織に安全文化が根付いてないということではないだろうか?
 

(2011年7月14日 修正1 ;追記)
 
2011年7月13日18時20分に、NHK山形から下記趣旨の記事がネット配信されていた。
 
業務上過失致死などの罪に問われている当時の工場長に対し、山形地裁は、執行猶予のついた有罪判決を言い渡した。当時の工場長は、安全装置を作動しない状態で作業を続けさせ、従業員の安全を確保する義務を怠ったとして、業務上過失致死などの罪に問われている。
裁判長は、「以前にも安全装置が作動しない状態にして労災事故が起きており、生産効率ばかりを重視した動機は無責任で犯行は悪質だ」と指摘した。
その一方で、反省の態度を示していることや遺族との間で示談が成立していることなどをあげ、執行猶予4年の判決を言い渡した。
ヨコタ東北は、「判決を真摯に受け止めると同時に、再びこのような事故が起こらないように企業努力に励みます」とするコメントを出した。
 http://www.nhk.or.jp/lnews/yamagata/6023823611.html
(NHKの記事は、1日か2日でアクセスできなくなりますので、御承知おきください
 

 
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(2010年10月19日 旧ブログ掲載記事)
 
2010年10月17日22時41分と18日14時22分に朝日新聞から、18日22時41分に読売新聞から、また10月18日付で河北新聞から、以下の趣旨の記事がネット配信されていた。
 
10月17日午後3時50分ごろ、宮城県鳴子温泉のJパワー(電源開発)鬼首発電所の敷地内でけが人が出たとの110番通報があった。
 
警察によると、午後3時35分ごろ、突然地下から水蒸気や土砂が高さ30mまで噴き上がり、現場にいた4人の作業員は別々の方向に逃げたが、重機を操作していた建設会社の人が全身やけどの重傷を負い、また、噴出口付近で安全確認などを行っていたボーリング会社の人が、一時行方不明になっていたが、18日、約100m離れた場所で土砂の中から遺体で発見された。他の2人は無事だった。
 
発電所によると、水蒸気の噴出は9月に始まり、10月8日に規模が拡大。地面がすり鉢状に陥没して高温水の池になり、水蒸気は高さ約20mにまで噴き上っていた。
その後、噴出が高さ約1mにまで下がったので、噴出を抑えようと、噴出口に石を入れる作業を11日から始めていた。
 
噴出口は直径20~30m。事故当時、死亡した人は、噴出口中心部から約50m離れた、穴の外側にいた。
発電所側は、ここまで大規模な噴出は初めてで、予見できなかったと話している。
 
事故前に水蒸気噴出が急増していたことが発電所側の話しで分かり、警察は安全管理体制に不備がなかったか調べている。
 
 
 
 

(2011年9月4日 修正1 ;追記)

2011年9月3日2時20分に、msn産経ニュース宮城から下記趣旨の記事がネット配信されていた。

警察は2日、業務上過失致死傷の疑いで、被疑者不詳のまま書類送検した。 「(事故は)予見が不可能」として被疑者を特定せずに書類送検しており、地検は関係者を不起訴にする公算が大きい。

警察によると、死傷した作業員2人はJパワーの子会社、JPハイテックから、噴気地帯の注水作業などを請け負った会社の社員。
警察などは関係した複数社について、業務上過失致死傷罪の要件となる予見可能性や結果の回避義務の有無を捜査してきた。

しかし、長期間にわたり地下にたまった圧力が原因とされる今回の事故は予見が不可能で、死傷した2人が行っていた作業の進め方に問題はなかったと判断。捜査関係者は「過失は立証できなかったが、地検とも協議し、結果の重大性にかんがみて事件送致した」としている。


 出典URL■■■


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(2010年10月17日 旧ブログ掲載記事)
 
2010年10月16日12時22分付で、読売新聞から以下の趣旨の記事がネット配信されていた。
 
10月16日午前4時50分ごろ、川崎市の日本冶金の製鋼工場で、同社の社員が大型集じん機のベルトに右手を巻き込まれ、手首を切断する大けがを負った。
警察によると、被災者は一人で集じん機の点検をしていたらしい。警察で詳しい原因を調べている。
 
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(2010年10月16日 旧ブログ掲載記事)
 
2010年10月14日10時18分付で、以下の趣旨の記事が神戸新聞よりネット配信されていた。
 
昨年1月16日、神戸市内のビルで、ベランダの避難昇降口から女性が転落死する事故があったが、警察は、塗装工事の際に開口部を開けっ放しにし、転落防止の注意義務を怠っていたのが原因として、14日にも業務上過失致死容疑で、塗装工ら3人を書類送検する。
 
事故は、午前10時25分ごろ、6階建てビルで発生。3階の医院に勤務する60歳の女性が、洗濯物を干しにベランダに出た際、床の昇降口(55cm四方)の金属ふたが開いており、約3m下の2階ベランダに転落。頭を強く打って、約12時間後に死亡した。
 
塗装工ら3人は、同日午前9時ごろから、5階ベランダの柵の塗装のため、2~4階の昇降口を使って足場用丸太を運搬。女性の転落時、3階昇降口を開けたままにして、別の場所で休憩していた。ビル利用者に作業手順を説明したり、昇降口を閉めたりする注意義務を怠り、女性を死なせた疑いが持たれている。
3人とも、ちゃんと説明すべきだった、申し訳ないなどと、容疑を認めているという。


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(2010年10月15日 旧ブログ掲載記事)
 
2010年10月15日付の毎日新聞社会面、15日0時22分にネット配信された中日新聞、14日20時33分にネット配信された読売新聞に、以下の趣旨の記事が掲載されていた。
 
10月14日午後3時35分ごろ、岐阜市の金属加工会社「かんぜん」の、解体中のアルミ加工工場の外壁(高さ約11m、横17.5m)が、壁を囲んでいた防塵シートとシートを支える鉄パイプと共に、道幅約10mの市道を完全に覆う形で倒壊し、下校途中の女子高生が下敷きになって死亡した。ほぼ即死状態だったという。
 
工場は3階建てで、道路拡張に伴う解体工事中。工場本体はすでに取り壊されていて、トタンとコンクリート製の外壁だけが残されていた。この日は午前8時から13人で作業を行っていた。
 
毎日新聞には、「クレーンの先端が壁に固定されていた足場とみられる金網状の鉄骨にひっかかり、外そうとする動きをした直後、壁が2、3回大きく揺れて倒れた」という目撃者談が、一方、中日新聞には、「重機が鉄製のパイプをアームで挟んで引き抜こうとした際、壁が揺れて倒れた」という目撃者談が掲載されている。
 
警察では、業務上過失致死の疑いがあるとみて、工事の手順や安全確保対策などについて、解体に当たった業者などから事情を聴いている。
 
 
 
(ブログ者コメント)
 
15日のテレビ欄を見ると、テレビ東京を除く全民放のワイドショーで、この事故を取り上げるらしい。
また、毎日新聞社会面でも、結構大きく扱われていた。

いくら通りがかりの女子高生が巻き込まれて死亡した事故とはいえ、単なる工事上の事故。直接原因も、ほぼ明らかになっている。
それなのに、なぜ、これほど大事故扱いするのだろうか?
同日、静岡で起きたゴンドラ作業中の2名の死亡事故はベタ記事扱いなのに。

報道各社の姿勢に違和感を覚える。
昨日、本ブログに書いた北海道新聞もそうだったのだが・・・・。
 
 

(修正1:2010年10月16日 原因追記)
 
10月16日付の毎日新聞朝刊社会面、15日12時22分にネット配信された読売新聞、15日21時14分にネット配信された朝日新聞に、以下の趣旨で事故原因に関する記事が掲載されていた。
 
解体業者の丸萬後藤興業が外壁を固定する安全措置を全くとっていなかったことが、15日、分かった。警察によると、同社は恒常的に壁の固定を怠っていた可能性が高いという。
 
同社は、14日昼食後、びょうぶ状に1枚残った外壁を工場敷地側に倒そうとしたが、壁の内側に鉄骨や金網を残した未撤去のエレベーター外枠が残っており、それが障害となって壁が倒れなかった。そこで骨組みを壁から撤去するため、重機で鉄骨部分の先端をつかんで引き上げ、途中で離したところ、壁全体が数回にわたってグラグラ揺れて倒れたという。
 
通常は敷地内の障害物を撤去した後に壁を解体するが、エレベーター外枠が残されていた状態だったため、警察は作業手順にも問題があったとみて調べている。また、道路側に警備員を配置しておらず、倒壊当時、現場責任者が現場を離れていた疑いもあるという。
 
全国解体工事業団体連合会によると、今回のように壁が1枚残った場合は不安定で一番危険。必ず安全対策をせねばならず、内側からワイヤーを壁にかけるとか重機の先端で壁を挟む、クレーンで吊り上げる、といった方法で固定するのが原則だという。
 
 
 
(修正2;2010年10月18日原因追記)

10月16日9:00に岐阜新聞からネット配信された記事によれば、倒壊した壁は、最初は「コ」の字形で安定していたが、両側の壁を先に解体したことで安定感を失っていたらしい。
 
10月16日17:25に共同通信からネット配信された記事によると、事故当時、鉄骨入りの建築物の解体に必要とされる有資格者を現場に配置していなかったとのこと。
 
 
(修正3;2010年11月15日 新情報追記)
 
2010年11月14日付の毎日新聞に、以下の趣旨の記事が掲載されていた。
 
捜査関係者への取材によると、解体業者は、事故当日午後からコの字形に3面残った壁の取り壊し作業を行った際、最初の2面については重機で壁の上部を挟んで固定し、建物角の接続部分を切断した後で倒したが、最後に残った壁だけは重機で挟まず、作業の邪魔になっていたエレベータ外枠を撤去しようとして、壁が市道側に倒れた。
 
同社は、これまでにも安全措置を取らなかったことが度々あったという。当時の現場責任者は、調べに「最後の壁も重機を使って固定すべきだった」と話しているという。


(修正4;2011年4月19日 新規情報追記)
 
2011419日付の毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
 
岐阜労基署は、18日、工事を請け負った解体工事会社「丸萬後藤興業」と同社の専務(50)を労安法違反容疑で岐阜地検に書類送検した。
容疑は、専務は安全管理を総括する立場にありながら、必要な作業計画を作成せず、作業主任者も選任しないまま工事をさせたとしている。社長は現場を把握しておらず送検を見送った。

http://mainichi.jp/select/jiken/archive/news/2011/04/19/20110419ddm041040075000c.html




 
(2012年1月16日 修正5 ;追記)
 
2012年1月15日9時58分に岐阜新聞から、社長などが書類送検されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
 
警察は14日、解体工事会社「丸萬後藤興業」の社長ら3人を業務上過失致死の疑いで、週内にも書類送検する方針を固めた。
書類送検されるのは、同社の社長と専務、当時重機を操縦していた運転手。


同社は事故直前、壁の支えだった内側のエレベーター外枠と壁の接合部分を切断していた。

警察は、社長ら同社幹部は事故発生当時は現場にいなかったものの、解体工事前に現場を視察するなど、事故を予見し倒壊を回避する措置を取ることができたとして、過失の疑いがあると判断した。

http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20120115/201201150958_15986.shtml
 

また、2012年1月17日10時44分に岐阜新聞から、幹部を書類送検した背景について、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
 
この事故で、県警は重機運転手に加え、事故当時、現場にはいなかった社長と専務も業務上過失致死容疑で書類送検した。
企業活動に伴う事故は、その過失の範囲をどこまで広げるかが捜査の焦点の一つだが、経営トップの責任も追及する岐阜県警の断固とした姿勢が表れたものといえる。

事故を引き起こした運転手とは異なり、企業幹部は結果との関係が間接的となる。
しかし、県警は事故発生当初から結果の重大性を踏まえ、捜査に着手。
「たまたま現場を通り掛かった罪のない女子高生が事故に巻き込まれ、未来を断たれた。責任を問われるのが重機の運転手だけ、というのはありえない」(捜査関係者)との姿勢で臨んだ。


捜査の結果、幹部が解体前に現場を視察し状況を把握していたことや、作業計画がなかったことなどを把握。
会社幹部は、壁が倒れるという最悪の結果を事前に予見し、安全体制を確立すべきだったとして、書類送検に踏み切った。


幹部に対する詰めの捜査が必要であったため書類送検までには1年3カ月を要したが、捜査員はこの間、遺族と定期的に面会して捜査の長期化に対する理解を求めてきた。
「同じ工事なら素人の方が、もっと慎重にやったはずだ」と県警幹部。
ずさんな解体工事に対し、岐阜地検の判断が注目される。


http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20120117/201201171044_16002.shtml
 


 (2012年4月3日 修正6 ;追記)
 
2012年3月30日付の読売新聞岐阜版ならびに毎日新聞岐阜版から、両親が工事発注者などを提訴したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
 
事故から1年半。解体工事業者のみならず、工事の発注者も被告として提訴した父親(42)は29日、岐阜市で開いた記者会見で、「民事裁判でどうして娘が亡くなったのか、真実を求めたい」と訴えた。

業務上過失致死容疑などで書類送検された解体工事業者の社長らを調べている岐阜地検の捜査は大詰めを迎えている。

しかし、両親は、事故の原因や背景を調べるうちに、解体工事業者だけでなく、刑事責任は問われなかった工事の発注者の金属加工会社「かんぜん」にも事故を起こした責任があるとの疑念を募らせていた。
 
道路の拡幅工事に伴う土地の明け渡し期限は、10年10月28日。
解体工事が始まったのは9月中旬で、工期は1カ月半だった。
訴状によると、解体工事の発注額は、行政側が取り壊し費用として査定した金額の約6分の1に過ぎなかった。
さらに、建造物の柱の位置などを記した図面が、発注元の「かんぜん」から元請けの「松原建築商事」、下請けの「丸萬後藤興業」に交付されていなかった。


正明さんは「刑事責任は問えないとしても道義的な責任を問い、事故の真相を究明したい」との思いを持っている。
また、母親(41)は「娘の誕生日に間に合うように準備をしてきました」と語り、誕生日の4月19日の前に提訴に踏み切ったことを明かした。

 

出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gifu/news/20120329-OYT8T01095.htm
http://mainichi.jp/area/gifu/news/20120330ddlk21040007000c.html
 
 
 
(ブログ者コメント)
 
思いもかけない御両親の提訴だが、事故の真因は、指摘のとおりのところにあるような気がする。
短い工期、図面の不交付。それに費用の大幅ダウン。費用については、発注側が6分の1でやれと言ったのか、受注側が6分の1でやりますと言ったのか定かでないが・・・。

 
 

(2013年3月16日 修正7 ;追記)

  20133141951分にNHK岐阜から、315157分に毎日新聞から、専務らが起訴されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

岐阜地検は、道路側の壁をワイヤーで固定しないまま1枚だけ残すなど、安全対策を怠ったとして、工事を請け負った解体会社の専務と重機で作業していた従業員(62)を、業務上過失致死の罪で在宅起訴した。

 

地検は、事故現場にいなかった専務について、「従業員が作業していた現場や工事の状況を認識し事故を予見できたにもかかわらず、適切な施策をとらなかった」と指摘した。

社長に対する業務上過失致死罪については、「過失を認めるだけの証拠がない」として不起訴処分としたが、解体工事の作業計画を作成しなかったとして、労安法違反(危険防止措置義務違反)の罪で略式起訴した。

 

同社に工事を発注した元請けの建設会社と同社長(53)も建設業法違反容疑で書類送検されていたが、起訴猶予とした。

出典URL

http://www.nhk.or.jp/lnews/gifu/3083202221.html?t=1363286635425

http://mainichi.jp/select/news/20130315k0000m040119000c.html

 






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魚田慎二
性別:
男性
自己紹介:
化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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