2019年3月15日15時0分に読売新聞から、下記趣旨の記事が写真やグラフ付きでネット配信されていた。
航空機に鳥が衝突するバードストライクの国内の発生件数が減少している。
昨年はピーク時から4分の1以上減り、全ての航空会社などに報告を義務づけた2009年以降、最少の1423件(速報値)だった。
鳥を空港に寄せ付けない様々な対策が奏功したとみられる。
ただ、航空機に10億円の損害が出たケースもあり、国交省は引き続き防止策を進める。
【衝突数 ピークの4分の3】
バードストライクについて国交省は、米ニューヨークで155人乗りの旅客機がハドソン川に不時着した事故が起きた09年以降、全航空会社や機長らに報告を求めるようになった。
同年の発生件数は1617件だったが、航空機の運航便数の増加に伴って右肩上がりの傾向となり、ピークの14年には1967件に達した。
しかし、翌年からは減少に転じ、18年は1500件を下回った。
空港別では、羽田が最多の156件(前年比10件増)で、伊丹47件(同2件減)、佐賀45件(同10件増)、成田42件(同18件減)、福岡41件(同6件減)が続いた。
佐賀は着陸回数が羽田の40分の1程度にすぎないが、空港事務所は「周囲に干潟や川があり、どうしても鳥が集まりやすい」という。
減少の背景には、各空港などの取り組みがある。
海上にあり、トビやサギ、カラスなどの飛来が多い北九州空港では、昨春から、鳥の餌となるバッタの集中的な駆除に乗り出した。
調査の結果、最大約980万匹ものバッタの発生が予測されたため、舗装工事に使うローラー車で草地を走行し、幼虫も含めて駆除した。
国交省によると、バッタを食べるトビの昨秋の出現数は、前年の2~5割ほどに減少。
バードストライクも、昨年は前年比8件減の16件だった。
バッタ駆除は新年度以降も続ける予定という。
このほか、各空港では鳥が定着しないよう定期的に車両で見回りをしたり、威嚇射撃で追い払ったりしている。
佐賀では鳥が嫌がる高周波音を滑走路周辺で流しており、成田や中部ではレーザー光線を鳥に照射する検証実験を行っている。
国交省も10年以降、全国75空港で衝突した鳥の血液などをDNA型鑑定して種別を特定し、その鳥が好む虫などを空港から排除する対策につなげる取り組みを続けている。
【機体損傷 昨年39件】
発生件数は減少しているものの、衝突場所や鳥の大きさなどによっては、深刻な被害をもたらしている。
バードストライクが機体の損傷にまで至ったケースは、昨年39件。
このうち、7月に岡山県内を飛行中の小型機が衝突を受けた事例では、右主翼の前方が大きくへこみ、6年ぶりにバードストライクによる航空事故と認定された。
17年には離陸中止や引き返し、目的地変更も22件確認された。
航空会社の経済的負担も大きい。
国交省によると、旅客機の損傷だと修理費は100万円単位となり、ジェットエンジンでは1億円以上かかることもある。
17年11月に北九州空港で起きたケースでは、鳥がエンジンの最前部のファンを突き抜け、「圧縮機」と呼ばれる内部の重要な機器にまで到達し、修理費は約10億円に上ったという。
大手航空会社の社員は、「エンジン内部の小さなブレード(羽根)1枚の交換で車1台が買えるほど費用がかかる。衝突は1件でも減ってほしい」と話す。
国交省は「各空港での有効な取り組みを周知し、対策強化につなげたい」としている。
出典
『バッタ大量駆除/威嚇射撃…空港の鳥対策 効果大』
https://www.yomiuri.co.jp/national/20190315-OYT1T50201/
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
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