2020年1月10日21時17分に産経新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
平成30年2月、北海道ニセコ町で吹雪により視界不良となるホワイトアウト下で乗用車を運転中、路肩を歩いていた女子大学生をはねて死亡させたなどとして、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)罪に問われた同町の調理師、柴橋被告(男性、48歳)に札幌地裁は10日、禁錮1年2月、執行猶予3年(求刑懲役1年10月)の判決を言い渡した。
駒田秀和裁判長は判決理由で、当時約11メートルまで近づかなければ歩行者を認識できない程度の視界不良だったと認定。
その上で、「歩行者の存在は容易に想定でき、徐行義務がある。時速30~40キロで走行した過失がある」と指摘した。
弁護側は、「視界不良の中で減速すれば追突される危険があり、義務はない」と無罪を主張していたが、「(追突は)後続車も徐行していることや尾灯の点灯で回避可能で、具体的な恐れがあったと言えない」と退けた。
弁護側は判決を不服とし、即日控訴した。
https://www.sankei.com/affairs/news/200110/afr2001100036-n1.html
1月10日19時33分にテレビ朝日からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
弁護側は、事故当時は吹雪で視界が悪く、車は制限速度50キロ以下の30キロから40キロで走行していたとし、事故の予見は困難だったと無罪を主張。
一方の検察側は、視界が悪く、さらに道路脇には雪山があった状況などから、柴橋被告が車を一時停止させるか、最徐行させる義務があったとして、禁錮1年10カ月を求刑していました。
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000173450.html
1月9日13時27分に朝日新聞からは、冬の晴れた日の夜に記者が現場を歩いての感想など下記趣旨の記事が、現場の写真付きでネット配信されていた。
北海道ニセコ町で2018年2月、吹雪で視界がきかなくなる「ホワイトアウト」の中を歩いていた女子大学生(当時21)が、車にはねられ死亡した。
事故は避けられなかったとして裁判で無罪を主張する運転手の男(48)への判決が10日、札幌地裁で言い渡される。
現場を歩くと、冬の観光地特有の問題も見えてきた。
起訴状などによると、男は18年2月21日午前0時50分ごろ、ニセコ町曽我の道道で、観光客の女子大学生と友人を乗用車で後ろからはねて死傷させたとして、自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死傷)の罪に問われている。
現場は制限速度50キロの片側1車線の直線道路。
事故当時は吹雪で視界が悪く、車は時速30~40キロで走っていたという。
争点は、ホワイトアウト時の運転に過失があったかどうかだ。
道路交通法70条では、道路や交通の状況に応じて他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転することを定めている。
検察側は、視界が悪く道路脇に雪山があって道が狭くなっていたことから、男が車を一時停止か最徐行させる義務があったと主張。
禁錮1年10カ月を求刑した。
これに対し、弁護側は、周辺の車が男の車と同じようなスピードで走っていたため、ホワイトアウト時に一時停止すると後続車に追突されるおそれがあったと反論する。
さらに、歩行者が車道に寄り過ぎていたと主張し、事故は回避できなかったと訴えている。
8日、事故が起きた同じ時間帯の午前1時前後に、記者が現場を歩いた。
【歩道整備追いつかず】
ホワイトアウトだった事故時とは違い、晴れていたが、街灯は少なく暗い。
気になったのは歩道がないことだ。
雪が少ない今季でも路側帯は雪山で埋まっており、歩行者は車道にはみ出して歩かざるをえない。
女子大学生らはコンビニから3キロ以上離れた宿泊先に戻る途中、はねられた。
記者も同じ道をたどると、30分で車12台とすれ違った。
周辺の交通事情に詳しい警察関係者は、「深夜に外出するのは観光客くらい。外国人を含め、不慣れな観光客による交通事故が増えている」と説明する。
ニセコ町は、ここ数年、町内の道道に歩道を設けるよう道に要望してきた。
しかし、整備されたのは利用者が多い一部の道路などで、多くは手つかずだ。
道後志総合振興局によると、予算が限られるなか、国が通学路などを優先する方針を示していることも、事故現場付近の歩道整備が進まない理由だという。
ニセコの人気の高まりも、歩道整備が追いつかない一因だ。
用地買収が必要な場合でも、急激な地価上昇で予算が足りなかったり、すでに別荘や宿泊施設用に売却済みだったりすることもあるという。
同局小樽建設管理部真狩出張所の戸来仁志所長は、「歩道整備には時間がかかる。当面はドライバー、歩行者双方に気をつけてもらうしかない」と話す。
https://digital.asahi.com/articles/ASN177J0DN17IIPE01Z.html?pn=6
※昨年、2019年9月11日15時15分に北海道新聞からは、北海道では過去5年で雪による視界
不良で追突事故が120件起きているなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
検察側は、状況に応じた速度と方法での運転を義務づける道交法などを根拠にして、「一時停止や最徐行をするべきだった」と主張する。
弁護側は、「視界不良時は追突事故が多発する。一時停止や徐行はかえって危険」と反論。
時速約30キロでの走行は「追突を避け、前方にも注意を払うための最適な運転だった」とする。
道警によると、過去5年間に道内で起きた雪による視界不良が原因の追突事故は計120件で、死者1人、負傷者160人という。
交通事故に詳しい立命館大法科大学院の松宮孝明教授(刑事法)は、「人をはねる、あるいは車が追突されるリスクがそれぞれどの程度あったかについて、当時の天候や地理、時間帯などを踏まえ、丁寧に事実認定することが求められる」と話す。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/343440
(ブログ者コメント)
朝日新聞掲載写真を見ると、雪が少ない今冬ですら、道路脇には除雪された雪が土手のように積っており、その土手を避けて歩くとなれば、車道を歩くしかない。
事故に遭われた方はそのような道を深夜に、それもホワイトアウト状況下、よくもまあ3km先まで歩いていたものだ。
何か、報道されない事情でもあったのだろうか?
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。