2016年10月28日23時36分に朝日新聞から、下記趣旨の記事が件数推移のグラフ付きでネット配信されていた。
全国の高速道路で昨年、逆走が259件発生し、死亡・人身事故は26件に上ったことが、国交省のまとめで分かった。
いずれも、統計を取り始めた2011年以降で最多。
過去5年の全てのケースを分析したところ、約7割で65歳以上の高齢者が運転していた。
専門家は、「高齢者対策が急務」と訴える。
秋田県由利本荘市で21日、日本海沿岸東北道の大内ジャンクション(JCT)付近で、軽乗用車と大型トラックが正面衝突。
軽乗用車がJCTを逆走して本線に入り、運転していた男性(76)と同乗の高齢夫妻の計3人が死亡した。
国交省によると、全国の高速道路で15年に確認された逆走は、最多だった14年より47件増えて259件。
死亡事故は8件、人身事故は18件だった。
うち、242件の原因を分析したところ、31%が「ぼーっとした」など特段の理由がなく、25%が「道を間違えて戻ろうとした」、26%は逆走の認識が無く認知症などの疑いがあった。
発生場所では、柵などがなく、反対車線に容易に入れてしまうインターチェンジやJCT、サービス・パーキングエリア、料金所付近が全体の6割以上を占めた。
残りは、本線上で起きたか、場所が不明だ。
また、過去5年で高速道路で発生した逆走1034件を調べると、700件(68%)は高齢の運転手だった。
国交省によると、高速道路の逆走事故件数が日本と同程度のドイツでは、65歳以上が32%、逆走の死亡事故のみを分析した米国では、60歳以上が20%だ。
海外では、若い世代の飲酒による逆走事故が多い一方、日本では、社会全体の高齢化が一因となり、逆走を引き起こす高齢者の割合が突出して高いという。
14年現在で、日本の65歳以上の免許保有者は約1640万人。10年前から1・8倍に増えた。
全ドライバーの2割を占め、今後も増加が見込まれる。
秋田大大学院の水戸部一孝教授(人間情報工学)は、「高齢になると、認知や反応が遅れるのが特徴。標識を見逃すなど、一度はミスをしても、二重三重に逆走を気づかせる安全対策が必要だ」と話している。
国交省は、昨年11月、「2020年までに逆走事故ゼロ」を宣言。
進行方向を分かりやすくする看板やカラー舗装で注意喚起するほか、カーナビを使った警告や自動運転技術の活用などの対策も検討している。
出典
『高速逆走、昨年最多259件 7割で65歳以上が運転』
http://www.asahi.com/articles/ASJBW5QF7JBWUTIL03F.html
(ブログ者コメント)
以下の過去報道から推察するに、上記記事のベースは交通安全白書かもしれない。
(2016年5月17日11時9分 時事通信)
政府は17日午前の閣議で、2016年版「交通安全白書」を決定した。
15年に高速道路で発生した逆走事案は前年より47件多い259件で、統計のある11年以降で最多となった。
白書では、高齢化の進展や認知症問題が背景にあると指摘しており、11~15年に発生した逆走事案の運転者の68%が65歳以上の高齢者だった。
15年の逆走事案のうち、事故に至ったケースは18%。
政府は、高速道路での逆走事故を20年までにゼロにする目標を掲げており、逆走車両の検知システムの構築や高齢者の運転免許証の自主返納推進など、官民連携して対策を進める。
また、15年の交通事故死者数は前年から4人増え4117人となり、15年ぶりに増加に転じた。
65歳以上の高齢者の死者が前年比で54人増えたため。
事故死者全体に占める高齢者の割合は増加傾向が続き、15年は54.6%で過去最高。
そのうち、ほぼ半数の47.6%が歩行中の事故死だった。
加藤勝信1億総活躍担当相は閣議で、「交通事故の防止は国を挙げて取り組むべき重要な課題だ」と強調した。
出典
『高速逆走が最多、高齢化背景=事故死者15年ぶり増-交通安全白書』
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016051700140&g=soc
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。