2018年6月15日付で河北新報から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東京電力が廃炉の方針を明らかにした福島第2原発は、2011年3月11日の東日本大震災で炉心溶融(メルトダウン)を起こし大量の放射性物質が放出された福島第1原発(双葉町、大熊町)と同様、原子炉の冷却機能を一時失い、危機にひんした。
一部の外部電源が使えるなどしたため、最悪の事態を回避できた。
第2原発は4基あり、震災発生時は全て運転中だった。
地震直後の原子炉の自動停止には成功したが、その後、津波に襲われ、1、2、4号機の原子炉が冷却機能を失った。
原子炉格納容器の圧力も上昇し、放射性物質を大量に含む蒸気を外部に放出する「ベント」の準備も進めた。
政府は、第1原発に続き、同12日に第2原発も「原子力緊急事態」の対象に追加。
半径3km圏の住民に避難指示を出し、10km圏の住民に屋内退避を求めた。
ただ、第1原発と比べて襲来した津波が低かったことや、外部電源の一部が使えたことなどから、震災4日後までに全4基の原子炉の安定的な冷却に成功。
ベントも実施されなかった。
事故収束後、原子炉内にあった核燃料は順次、使用済み燃料プールへ移送し、15年3月までに全4基で取り出しが完了、それぞれのプールで冷却を続けている。
第2原発は、現在、第1原発の廃炉作業の後方支援拠点として、汚染水タンクの組み立てなどに活用されている。
4基は運転開始から30~36年が経過し、原則40年の運転期間に近づきつつある。
出典
『<福島第2廃炉>震災時冷却機能、一時失う』
https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201806/20180615_63023.html
(ブログ者コメント)
震災当時の状況については、東電HPに詳しく説明されている。
以下は冒頭部分。
福島第二原子力発電所は、福島第一原子力発電所と同様に地震・津波の被害を受けましたが、炉心損傷に至ることなく全号機の冷温停止を達成しました。
その要因としては、地震・津波の後も外部電源等、交流電源設備が使用可能であり、原子炉を冷やすことができたことが挙げられます。
一方で、海水ポンプが津波によって損傷したため、原子炉からの除熱を行うことができなくなりました。
このため、原子炉隔離時冷却系や復水補給水系といった、海水ポンプのサポートを必要としない系統を活用するなど、臨機応変に圧力容器や格納容器内の冷却を進めました。
その間に損傷していた海水ポンプのモーター交換や仮設ケーブルの敷設を行い、海水ポンプを復旧したことで除熱が可能になり、全号機を冷温停止とすることができました。
・・・・・
『福島第二原子力発電所はなぜ過酷事故を免れたのか』
http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/outline/2_12-j.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。