2016年10月7日21時50分にNHK新潟から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
10月7日20時30分に新潟日報から、10月8日付で毎日新聞新潟版からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
7日正午すぎ、三条市原の山林で、東北電力が送電線の鉄塔を建設する工事のため、生コンクリートを専用のバケットに入れてヘリコプターで運んでいたところ、突然、バケットの開閉部が開き、中に入っていた生コンクリートおよそ250ℓ(500kg)が山林へ落下した。
東北電力によると、地上に設置した容器に生コンクリートを移そうとしたところ、開閉部が開かないトラブルが発生したため、作業を中断し、同じ山林の中の約1.3km離れた場所に設けたヘリポートに戻っていた途中に、開閉部が突然開いたという。
生コンクリートは工事現場からおよそ600mほど離れた民有地の山林に、高さ約150mから落下、飛散したが、付近に民家などはなく、けが人や建物への被害は確認されていないという。
生コンクリートは、山中でそのまま固まるとみられる。
8日以降に撤去作業を行う。
東北電力は、「周辺地域にお住まいの皆様には大変なご心配とご迷惑をおかけし、深くおわび申し上げます。再発防止のため原因究明に努めたい」とコメントしている。
国交省は、事故につながりかねない航空重大インシデントに認定。
運輸安全委員会は、原因を詳しく調べるため、7日、調査官2人を現地に派遣した。
出典
『三条でヘリから生コンが落下』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/niigata/1033365721.html?t=1475871086778
『三条の山中でヘリから生コン落下 国交省 重大事態認定』
http://www.niigata-nippo.co.jp/news/national/20161007284055.html
『落下 ヘリから山中に生コン500キロ 三条・送電線工事』
http://mainichi.jp/articles/20161008/ddl/k15/040/147000c
(ブログ者コメント)
以下は、10月7日付の東北電力プレスリリース。
内容的には上記報道と同じだが、バケットの写真が掲載されている。
『新潟県内の送電線新設工事におけるヘリコプターからの鉄塔基礎工事用生コンクリートの落下について』
https://www.tohoku-epco.co.jp/news/normal/1192883_1049.html
(2016年11月7日 修正1 ;追記)
2016年11月5日7時30分にNHK新潟から、安全管理が不徹底だったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
国交省が聞き取りなどを行った結果、バケットに不具合があったにも関わらず、適切な修理がされていなかったことがわかったという。
さらに、航空法に定められたバケットの操作に関わる電気配線の検査もされていなかったという。
このため国交省は、4日、安全管理が不徹底だったとして、ヘリコプター運航会社を厳重注意し、2週間以内に再発防止策の報告を求めた。
出典
『生コン落下で運航会社厳重注意』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/niigata/1034142811.html?t=1478376345465
(2018年9月29日 修正2 ;追記)
2018年9月27日10時56分にNHK新潟から、不具合が生じたバケットの修理方法が不適切だったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
運輸安全委員会が27日公表した調査報告書によると、ヘリコプターからつり下げて生コンクリートを運ぶバケットと呼ばれる容器に不具合があったにもかかわらず、適切な修理をせずに正規のものではない電気配線に交換していたことがわかったとしている。
そのうえで、トラブルの原因について、ヘリコプターの使用に適していない電気配線を使ったことで、飛行中にバケットの開閉用のモーターが作動したと見られると結論づけている。
運輸安全委員会は、機材の健全性の確保より運航の継続を優先したと考えられるとして、「Tエアサービス」の安全管理が適切でなかった可能性があると指摘している。
出典
『生コン容器の不具合対応不適切か』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/niigata/20180927/1030005173.html
(ブログ者コメント)
以下は、運輸安全委員会報告書(概要)に記載されている内容
本重大インシデントは、同機がバケットに生コンを積載して飛行中、意図せずバケットが開いたため、生コンが地上に落下したものと推定される。
意図せずバケットが開いたことについては、それ以前に発生していた不具合を特定及び修理せずに、正規のものではない逆極性の配線に交換していたため、機上作業員が荷下ろし場でバケットを開ける操作をした際に、制御回路内でバケットを全開させるための電気的保持回路が形成されたが、レセプタクルの一時的な接触不良のためバケットが開口せず、その後、飛行中に接触が回復して通電した際に、開閉用モーターが作動したことによるものと推定される。
https://jtsb.mlit.go.jp/jtsb/aircraft/detail.php?id=2165
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。