2018年6月6日21時37分にNHK石川から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
6月6日20時28分に毎日新聞石川版からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
6日午前4時前、石川県白山市相川新町の「N製紙」の工場の従業員から「男性2人が紙を溶かす溶剤が入ったタンクに転落した」という通報が消防にあった。
消防が駆けつけると、タンクの中には従業員の男性3人が倒れていて、その場で死亡が確認された。
警察によると、亡くなったのはいずれも従業員のMさん(男性、57歳)、Iさん(男性、49歳)、Nさん(男性、27歳)。
はじめにMさんが、タンク内で紙づまりが発生したため、紙を取り除くためタンク内に入って倒れ、その後、助けに行ったIさんとNさんも次々と倒れたという。
タンクは深さ5mほどで、縦横50cmほどの開口部があり、ハシゴを使って上り下りする構造になっていて、当時はタンクに古紙と水と硫酸、マグネシウムを入れ、濃度などを調整する作業を行っていたという。
警察の実況見分では、タンクの底に深さ約20cmの溶液がたまっていた。
消防が駆けつけた際、タンク内には致死量の濃度を下回るものの、硫化水素が発生しているのが確認されたという。
警察などによると、N製紙の工場は24時間体制で稼働していて、従業員は3交代制で勤務をしているという。
死亡した3人は午前0時ごろから勤務し、このうちMさんとIさんの2人は紙の製造を担当する部門の、Nさんは事務部門の従業員だという。
従業員3人が死亡した工場では、6日午後3時前から警察官が訪れ、現場を詳しく調べている。
また、金沢労基署も立ち入り調査を行って、事故の状況を調べている。
工場はJR北陸線松任駅の北西約3kmの海沿いにある。
同社は1937年創業。
産業用特殊紙などを製造しており、従業員は70人。
出典
『製紙工場のタンク内で3人死亡』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/kanazawa/3025317011.html
『石川 製紙工場、溶剤タンクで作業員3人死亡』
https://mainichi.jp/articles/20180606/k00/00e/040/226000c
6月6日16時10分にTBS NEWSからは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
6日午前3時45分ごろ、白山市の「N製紙」の男性従業員から、「紙を溶かす溶剤が入っているタンクで男性が倒れている」と119番通報があった。
タンク内では、古紙に水や希硫酸などを混ぜる作業が行われていて、Mさんは古紙に混ざったごみを取り除くため中に入ったところ倒れ、その後、助けに向かった他の2人も相次いで倒れたとみられている。
「基本はタンクには入らない。今回は、何らかの異常があったからだと推測している」(社長インタビュー時の回答)
現場からは硫化水素が検出されているということで、警察で事故との関連を調べている。
出典
『石川・白山の製紙工場の溶剤タンクで男性従業員3人が死亡』
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3388348.html
6月6日19時57分に産経新聞westからは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
同社によると、タンクでは再生紙を作るため、古紙と水、希硫酸を混ぜて溶かしていた。
同社では、従業員が中に入って作業することを想定しておらず、マニュアルを作成していなかった。
ただ、従業員に立ち入りの禁止は指示していなかったとしている。
事故は6日午前3時半ごろ発生。
従業員のMさんとIさん、男性従業員1人の計3人で作業中、Mさんがタンクに混入した異物を取り除こうとし、中に入って倒れた。
救助しようとしたIさんと、近くで別の作業をしていたNさんが内部に入って次々に倒れた。
出典
『作業員3人死亡の溶剤タンク、希硫酸など使用…立ち入りマニュアルなし
石川の製紙工場』
http://www.sankei.com/west/news/180606/wst1806060088-n1.html
6月7日20時26分にNHK石川からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
警察や関係者によると、タンクは大きさが約80m3。
中には、溶液をかき混ぜるためのかくはん機が付いているという。
警察が6日、タンクの中を調べたところ、紙が溶けたような液体と長さ1mほどの布のようなものが見つかったが、タンク内の配管などに目立った損傷はなかったという。
出典
『3人死亡 業務上過失致死疑いも』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/kanazawa/3025339311.html
6月8日付で毎日新聞石川版からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
警察によると、水や希硫酸を混ぜて粘土状になった古紙が詰まりを引き起こした可能性があるという。
N製紙によると、タンクに入ることを想定した安全対策マニュアルはなかったという。
この点について金沢市内の別の製紙業者は、「再生紙を作る工程でタンクに入る可能性はあり、その際には『送風機で酸素濃度を高める』などと定めたマニュアルを用意している」と話す。
労安法に基づいて酸欠作業主任者を置き、安全性が確保されない場合は作業を中止するという。
この業者は、作業で硫化水素が発生する可能性はあると指摘した上で、「物質として(空気より重いため)下にたまりやすく、タンク開口部からのぞいた時には臭いがしないため、『大丈夫だ』と思って中に入ったのでは」と推測。
何より「グループ作業で、何とか仲間を助けようと入ってしまったのかもしれない。自社の安全教育を改めて徹底する」と話した。
出典
『白山の製紙会社転落事故 3人死亡 業過致死疑いで捜査 白山署が見分』
https://mainichi.jp/articles/20180608/ddl/k17/040/273000c
6月10日19時23分にNHK石川から、死因は硫化水素中毒だったという下記趣旨の記事がネット配信されていた。
警察が9日、3人の遺体を司法解剖して詳しく調べたところ、血液中から致死量を超える硫化水素が検出されたことがわかり、3人は、いずれも、硫化水素による急性中毒で死亡したと判断した。
警察によると、当時、工場では古紙と希硫酸それに水を混ぜる作業を行っていて、事故当時、タンク内には非常に高い濃度の硫化水素が発生していたとみられる。
出典
『タンク事故 硫化水素で中毒死』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/kanazawa/3025439391.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。