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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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2018731日付で日本海新聞から下記趣旨の記事が、電柱に巻き付いたかずらなどの写真付きでネット配信されていた。

 

停電の原因と言えば、風雨や落雷を思い浮かべる人が多いだろう。

 

ただ鳥取県内では、動植物が電線に触れて漏電し、停電につながる事故も相次ぐ。

 

難敵はカラスとヘビ、かずらの3種。

いくら除去しても隙を突いて侵入してくる「いたちごっこ」が続き、電力会社は対策に思案投げ首だ。

 

 

【針金ハンガーも】

 

鳥取市の住宅地。

電柱の上に木の枝を複雑に組み合わせ、絶妙なバランスを保つ。

カラスの巣だ。

材料に針金ハンガーも交じっていた。

 

「除去しても、またすぐに別の場所で作られる」。

中国電力の担当者は、困惑の表情を浮かべる。

 

カラスは高所に巣を作る習性があり、市街地の電柱がターゲットになりやすい。

鳥取県内での撤去は2017年度に760件、18年度は7月4日現在で650件に上る。

 

中電は、複数の棒が突き出た営巣防止装置を設置するなどの対策も試みているが、隙間を縫って器用に巣を作られることもある。

 

ひなや卵がある場合は厄介だ。

「巣立つまでは除去できないので、応急措置的な対応になる」と担当者。

親鳥は、生まれたばかりのひなを守るため、近づこうとする人を襲うケースもあるという。

 

 

【雨天は要注意】

 

動植物による停電は、電柱と電線との接続部を覆うカバーの隙間に入り込むことにより、漏電やショートを引き起こして発生する。

 

異常を感知した変電所が自動的に電力供給を止める仕組みで、雨の日に起きることが多い。

 

中電によると、鳥取県内で17年度に起きた停電は114件で、このうち原因の最多は風雨の38件。

カラスとヘビ、かずらの3種を合わせると2番目に多い17件で、落雷が15件と続く。

 

今年はヘビによる停電が目立つ。

5月23日には大山町内で最大2000戸が停電した。

約3時間後に全世帯で復旧し、ヘビが電気設備に巻き付いて死んでいるのが見つかった。

 

ヘビは鳥の巣のひなや卵などの餌を狙って電柱を登る。

ボルトなどに巧みに体を絡ませて進むため、ネズミ返しのような遮蔽板を設置しても効果が薄い。

活動期の夏場にショートさせる事故が多いという。

 

 

【地面に電流】

 

中山間地に多い原因が、つる植物のかずらだ。

茎がいったん電柱に巻き付くと、ぐんぐん上へ。

地面に電流が流れる「地絡」と呼ばれる現象を引き起こすこともある。

 

関係機関がパトロールを強め、電線に触れる前に切断するなどしているが、夏場は1日に1m以上も伸びることから、追い付いていないのが現状だ。

 

動植物による停電を完璧に防ぐのは難しく、保守点検の苦労は絶えない。

中電鳥取営業所配電総括課の津森課長は、「住民が自ら取り除くのは危険なので、見つけたら通報してほしい」と呼び掛けている。

 

出典

動植物原因の停電多発 鳥取県内、落雷より多く

http://www.nnn.co.jp/news/180731/20180731046.html 

 

 

※植物による停電の危険性については、北陸電気保安協会「でんきほあん 2013年
  陽春号」にも写真付きで掲載されていた。

 

梅雨明け前の7月初旬のことでした。

お客さまから「停電」との連絡を受け出動し、点検したところ、構内第1柱の地絡継電器が動作し、区分開閉器が切れていました。

 

構内柱や受電設備など、お客さま設備に異常はないか、キュービクルへ小動物(特にヘビなど)が侵入していないかなど、目視点検を順番に行いました。

 

その結果、事業場奥で、構内柱上の架空電線に“つる草”が巻き付いている状態を発見しました。

 

当該構内柱横の樹木の枝から伸びてきた『クズのつる』が架空電線に巻きつき、その部分が絶縁劣化して電柱上のアームを通して地絡(高圧漏電)し、停電に至ったのでした。

 

よく見ると、高圧絶縁電線の絶縁被覆が溶けて充電部分が露出しており、巻きついた“つる草”も真っ黒に炭化して、火災になる一歩手前でした。

 

これまで点検の都度、構内周辺の除草を念入りに行っており、前回の点検時は“つる草”が伸びているところや巻き付きは全く無かったのですが、数日の間に柱の上に到達してしまったようです。

 

特に今回の場所は、真下からではなく、横の樹木から“つる草”が伸びてきたことが原因でした。

 

幸いにも、付近一帯が停電する波及事故や樹木火災になることもなく、“つる草”の撤去、電柱周りの樹木伐採と電線の応急処置で、停電を復旧することができました。

 

「絶縁電線」であっても、植物等が長時間接触し雨が続くと、電線の絶縁が破壊して、停電事故の原因になります。

 

そのため、常に樹木と近接している架空電線には、防護管で保護することも必要です。

 

“つる草”が原因での故障例として、 

・屋外キュービクル内に侵入して、高圧機器充電部へ接触し停電

・エアコン室外機のファンに絡まり、モーターが焼損

・非常用予備発電設備に侵入により、制御用基板を焼損 

など、意外と多くあります。

 

この故障対応で、草木が急成長する時期は、更なる注意が必要と痛感しました。

 

このような設備状況では、協会の点検はもとより、お客さま(連絡責任者)にも日常管理として、電気設備周辺の除草と、目視点検を行うことにより、電気事故防止の協力をお願いしています。

 

出典

『保安技師の体験 丹南営業所 保安課』

http://www.hokuriku-dhk.or.jp/attention/pdf/253_6.pdf

 

 

 

 

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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
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