2019年1月24日10時30分に京都新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
京都市教育委員会が昨年10月から、全ての市立小中高校の体育館2階管理用通路に児童、生徒が立ち入ることを禁止にした。
市内の中学校で同通路から生徒が転落した事故を受けた措置だが、「2階から試合の応援をしたい」との声は根強い。
子どもの安全確保と応援者の要望をどう両立させるか、学校は難しい対応を迫られている。
事故はバスケットボール部の試合中に起きた。
生徒が体育館2階通路で観戦中、開いていた窓から外側の約3.5m下の地面に転落した。
窓には柵がなく、当時はカーテンが閉まっており、生徒は「カーテンに引っかかって転落した」と話したという。
市教委はその後、全ての市立小中高校に2階管理用通路への児童・生徒の立ち入り禁止を徹底するよう通知。
「2階通路は窓やカーテンの開閉用などのためのもので、観戦を想定したものではない」ことが理由だった。
これを受け、市中学校体育連盟バスケットボール専門部は、市内の大会では、選手が控える1階の「ベンチ」にも応援者が入れるようにした。
しかし、2階から観戦したいとの声は根強い。
2階から応援したことがあるという市内のバスケ部の中学2年生男子(14)は、「試合で保護者や生徒が多いと、1階の応援場所はごった返す。2階は広範囲に声が届くので、気を付けて入れるようにしても良いのでは」と話す。
バスケ部顧問だった元府立高教諭(62)は、「2階から観戦する光景はよくあった。安全第一のため、立ち入り禁止は仕方ないが、スポーツは『見る』『応援する』ことも教育の一つ。何らかの対策を考えてほしい」と求める。
ただ、市教委は「基本的に、体育館の2階通路は観戦できる設計になっていない」として、今後も開放はしない考えだ。
文部科学省は2008年、東京都内で児童が校舎の天窓から落下して死亡した事故を受け、学校施設での転落事故を防ぐマニュアルを作成。
教室などについては、「暗幕(カーテン)使用時は窓の開閉状況に注意する」「腰壁の高さや窓の形状に応じ、手すりの設置や窓の開閉方式を検討する」などと、今回の事故防止にもつながる対策を記載するとともに、危険性が高い場所には生徒を近づけないようにも学校に求めている。
学校でのスポーツ事故や部活動の問題に詳しい名古屋大の内田良准教授(教育社会学)は、「そもそも、体育館は体育の授業に使うためのもの。観戦が伴う部活の試合を想定して設計されていないために、こういった問題が起きる。観戦がしたいなら、対応できる市民体育館などの施設を活用すべきだ」と指摘する。
近年は、子どもの試合に応援に来る保護者も多いという。
観戦の十分なスペースが確保できない体育館で、生徒の安全確保を最優先にしながら応援者の要望をどう満たすか。学校側の工夫が求められている。
出典
『「安全」か「応援」か 体育館2階通路が立ち入り禁止に』
https://this.kiji.is/460980921627198561?c=39546741839462401
※事故当時の報道は下記参照。
(2018年10月14日22時57分 京都新聞)
14日午後0時15分ごろ、京都市上京区一条通室町西入ルの上京中の体育館2階の窓から、部活動の試合で同中を訪れていた左京区の修学院中1年の女子生徒(12)が、約3.5m下のコンクリートの地面に転落した。
生徒は頭や腰を打ち、市内の病院に搬送された。
意識はあるという。
警察や市教委によると、体育館では、市内の中学校約10校が集まってバスケットボールの大会が行われており、女子生徒は2階の通路で観戦。
窓際のカーテンに寄り掛かったところ、窓(縦約140cm、横約70cm)が換気のため幅44cmほど開いており、バランスを崩して転落した。
市教委は、「けがをした生徒には、少しでも早く回復してほしい。事故原因の究明を含め安全管理を徹底し、再発防止に努める」としている。
出典
『カーテンにもたれたら…2階窓から転落、女子中生けが 京都』
https://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20181014000104
2018年11月7日19時49分に京都新聞からは、2011年度にも京都市の別の中学校で同様な事故があったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
事故を受け、市教委が各学校を調査したところ、2011年度にも別の中学校で同様の事案があったことが7日、分かった。
事故を受け、市教委は全公立学校で体育館2階通路への生徒の立ち入りを禁止したが、11年度はそういった対応をとっておらず、市教委は「(11年度の事故後に)適切な措置を講じていれば、先月の事故を防げたかもしれない」としている。
市教委によると11年度の事故は、バレーボール部の1年生女子生徒が体育館で練習終了後、2階管理用通路で片付け中、誤って高さ約3.6mの窓から外側に転落。
手首を骨折するけがを負ったという。
公式の事故記録は残っておらず、関係者からの聞き取りで分かったという。
7日の京都市議会教育福祉委員会で報告された。
市教委は、「7年前の段階で、他校でも起こり得ることと認識していればよかった。今後も注意喚起をしていく」としている。
出典
『体育館2階から女子中学生転落、他校でも負傷 「防げたかも」』
https://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20181107000149
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。