2019年1月24日11時22分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
排水基準を超える汚水を海に流したとして、愛知県警は24日、国内最大級の処理能力をもつ食品リサイクル工場「Bなごや」(名古屋市港区)の運営会社「K清掃社」(本社・熊本市)の社長ら2人を水濁法違反の疑いで逮捕し、発表した。
同社は、ごみの運搬手続きなどで優遇される、国の「再生利用事業者」(全国約170社)に登録されている。
逮捕されたのは、社長のM(男性、46歳)=名古屋市=、工場責任者のT(男性、34歳)=東海市=の両容疑者。
逮捕容疑について、M容疑者は「違法な排水を指示していません」と否認し、T容疑者は認めているという。
県警によると、2人は共謀し、昨年9~11月、5回にわたり、汚れの指標となるCOD(化学的酸素要求量)など複数の項目で基準値を超える汚水を、工場の排水口から名古屋港に排出した疑いがある。
環境省によると、汚水による海への影響は、地理的条件が左右する部分も大きいが、富栄養化の原因となり、ひどい場合は赤潮やアオコが発生する恐れがあるという。
K清掃社は、2017年度、先進的なリサイクル関係施設の整備を支援する愛知県の「循環型社会形成推進事業費補助金」に採択されている。
名古屋と熊本に工場があり、廃棄された食品から肥料を作るリサイクル事業などを展開。
ホームページによると、「Bなごや」の1日の処理能力は326トンで、「国内の食品リサイクル施設では最大級の能力」(農水省)という。
出典
『国内最大級の食品リサイクル工場、社長らに汚水排出容疑』
https://www.asahi.com/articles/ASM1R555XM1ROIPE01G.html?iref=pc_extlink
1月28日15時53分に朝日新聞からは、違法排出マニュアルがあったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
工場を運営する「K清掃社」社長のM容疑者(46)ら2人が、不正と認識しながら違法な排水を指示している可能性があることが、県警への取材で分かった。
「深夜や雨天、満潮に行う」。
昨年11月末、県警がK清掃社の関係先を家宅捜索すると、汚水を排出するタイミングなどをまとめたマニュアルが見つかった。
不正な排出について、隠語で「水を抜く」とも記されていたという。
県警によると、工場責任者のT容疑者は、不正排水について「自分が担当になった4、5年前には、すでに行われていた」としている。
においや色が目立たないようにして繰り返していたとみられる。
K清掃社は、食品リサイクルを推進する名古屋市から打診を受け、2007年に「Bなごや」を設立。
ホームページによると、1日の処理能力は326トンで、「国内の食品リサイクル施設では最大級の能力」(農水省)という。
ただ、受け入れる食品廃棄物が増え、近年はリサイクル事業の業務量が工場の処理能力を上回る状態だったとみられる。
T容疑者は県警に「排水処理が追いつかず、(不正に)流さないとあふれてしまうのでやった」と説明しているという。
信用調査会社によると、同社の売上高は右肩上がりで、18年3月期は約19億8500万円。
出典
『汚水排出は「雨天、満潮に」 容疑者、マニュアル運用か』
https://www.asahi.com/articles/ASM1T5STNM1TOIPE02J.html
(2019年5月12日 修正1 ;追記)
2019年3月23日21時38分に日本経済新聞から、会社は許可取り消しとなったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
水濁法違反罪で元社長らが起訴されたのを受け、名古屋市は23日までに、廃棄物処理法に基づき、工場を運営する廃棄物処理会社「K清掃社」(熊本市)に、工場の設置や廃棄物の運搬などの許可を取り消す処分を出した。
また市は同日までに、2016~17年度に交付した補助金と加算金の計約2586万円を返還するよう同社に求めた。
市によると、工場は食品廃棄物を肥料化する施設。
17年11月~今年2月に名古屋港へ出す排水を検査した結果、12回にわたってCOD(化学的酸素要求量)が水濁法の基準を超えていた。
〔共同〕
出典
『名古屋市、熊本の会社の工場設置許可取り消し 汚水排出』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42838890T20C19A3CN8000/
5月9日11時6分に朝日新聞からは、元社長に執行猶予付きの有罪判決が出たという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
名古屋地裁は8日、水質汚濁防止法違反の罪に問われた工場の運営会社「K清掃社」に罰金50万円(求刑罰金50万円)、同社の元社長、M被告(47)に懲役6カ月執行猶予3年(求刑懲役6カ月)の判決を言い渡した。
神田裁判官は判決で、「組織的かつ常習的な犯行。自分の立場や利益を守りたいなどの動機から違法排水を続け、隠蔽工作も行っていた」と批判した一方、事業許可の取り消し処分を受けていることなども量刑の理由に挙げた。
判決によると、M被告は昨年9~11月に5回、水素イオン濃度など複数の項目で基準値を超える汚水を、従業員に指示して工場から名古屋港に排出した。
出典
『名古屋港に工場から汚水、元社長に猶予判決 名地裁』
https://www.asahi.com/articles/ASM584PP5M58OIPE011.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。