2020年2月19日20時5分にNHK岩手から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
おととし、大船渡市で、三等航海士の男性がセメントを運搬する船内でタンクを密閉する装置に挟まれて死亡した労災事故について、国土交通省は、船を運航する会社が十分な安全教育などを怠ったとして、船員法違反の疑いで書類送検しました。
船員法違反の疑いで書類送検されたのは、北九州市の船舶運航会社「アジアパシフィックマリン」と、当時の安全管理担当者の47歳の社員の男性です。
国土交通省気仙沼海事事務所によりますと、おととし7月、大船渡市のセメント工場の桟橋に係留されたセメントの運搬船で、作業にあたっていた当時25歳の三等航海士の男性がタンクを密閉する装置に挟まれて死亡したということです。
この装置は別の作業員が誤って作動させていたため、国土交通省気仙沼海事事務所が調査をしたところ、船の運航管理を行っていた「APマリン」が船員法で定められている安全に関する教育や訓練を怠っていたことがわかったということです。
「APマリン」は、「事故で亡くなった社員のご冥福をお祈りするとともに、2度とこのような事故を起こさないために、全社で安全体制を確立していきます」とコメントしています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/morioka/20200219/6040006640.html
※以下は、平成30年10月24日付の調査報告書からの抜粋。
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本船は、08時00分ごろから当日の作業について乗組員全員が参加してミーティングを実施し、安全担当者である一等航海士が、甲板部員に対して、荷役装置であるセメント用高圧圧送式空気輸送装置 (以下「本件装置」という。)のブロータンク4基のうち2基について、受入弁のシートの交換作業を実施する旨の説明を行った。
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【判明した事項の解析】
本船は、大船渡港太平洋セメント大船渡工場包装桟橋において、本件装置の受入弁シートの交換作業中、甲板員Aが、一等航海士からの指示を受けて2号A槽の受入弁を閉鎖する際、操作盤の位置を間違え、1号B槽の受入弁操作スイッチを操作して1 号B槽の受入弁を閉鎖し、また、一等航海士が、整備作業時の安全に関する注意事項を遵守しなかったことから、1号B槽で作業中の三等航海士が頭部を受入弁と同シートとの間に挟まれて死亡したものと考えられる。
甲板員Aは、受入弁スイッチを操作した経験がなかったことから、操作盤の位置を間違えたものと考えられる。
一等航海士は、本件装置の取扱説明書を読んでいなかったことから、同取扱説明書に記載されていた整備作業時の安全に関する注意事項(電源断、作動空気圧を0kg/㎠にする等)を遵守しなかったものと考えられる。
三等航海士は、ヘルメットを着用していなかったことから、受入弁と同シートの間に頭部を挟まれた際、致命傷を負った可能性があると考えられる。
http://www.mlit.go.jp/jtsb/ship/rep-acci/2018/MA2018-11-3_2018sd0041.pdf
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。