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(10月19日 NHK横浜)
『専門家「横浜市の地盤は複雑」』
過去に大手建設会社の社員として、横浜市内でくい打ち工事を行った経験がある福島工業高等専門学校の元教授の金子研一さんは、「横浜市は特に地下の固い地盤の構造が非常に複雑な地域で細かく記録を取りながら工事を進めるのが常識だ。工事を行った会社だけでなく、管理している元請けの建設会社にも重い責任がある」と指摘している。
金子さんによると、今回、問題が発覚した横浜市は、関東の中でも地下の固い地盤の構造が複雑で、地表が平らに見えても、地下の固い地盤に急な傾斜があることが知られていて、僅か10m離れた場所で、固い地盤の深さが4mも違うこともあるという。
金子さんは、「横浜市内でくいを打つ際には、1本1本、細かく記録を取って工事を進めることが常識で、くいの長さが足りないときはくいを補足していくなどの対策が必要な地域だ」と指摘している。
http://www3.nhk.or.jp/lnews/yokohama/1056892811.html?t=1445289290010
(10月20日 毎日新聞)
『マンション傾斜:473本分くい打ちデータを一括提出』
旭化成建材が、約3カ月かけて打った473本のくい打ちに関するデータを、一度に発注元の三井住友建設などに報告していたことが分かった。
くいを打った現場担当者が主に施工報告書にとりまとめ、現場責任者である別の旭化成建材社員がチェックしたが、改ざんを見抜けず、承認していた。
その後、データの再確認に当たるべき立場の1次下請け・日立ハイテクノロジーズ社と元請け・三井住友建設も見抜けなかった。
旭化成は、旭化成建材内でこまめにデータチェックがなされなかったことなどで改ざんが拡大したとみており、「チェックやデータ管理のあり方に不備があった」としている。
三井住友建設は、今回の事案を受け、当面はくい打ち工事に社員を必ず立ち会わせることにした。
http://mainichi.jp/select/news/20151020k0000m040165000c.html
(10月21日 毎日新聞)
『マンション傾斜:データ改ざんの「なぜ」 社長の説明は』
旭化成によると、くいの施工データを改ざんしたとされる旭化成建材の契約社員は、体調を崩し休んだ間に代役を務めた同僚からデータを引き継げなかったり、データの記録用紙の紙切れに気づかなかったりしたことなどで、一部のデータが取得できなかったと説明。
工期終盤で報告書をまとめて作成したため、一部のデータを転用してしまった、とも話しているという。
「支持層に届いていないという認識を持ってやった工事はない。不具合を隠すため転用したのではない」。社内調査で、契約社員は繰り返し、こう話しているという。
しかし旭化成の幹部は、「実際には傾いている。何らかの欠陥、不具合があったのではないか」と話す。
横浜市都筑区のマンションのくい打ち作業は、2チームを投入。
うち1チームについて契約社員がリーダー役を務め、その下で旭化成建材の下請け企業の7人が作業に従事した。
このチームが担当したくいに改ざんがあった。
この点について、7人は契約社員と同様に、「支持層に当たった」と説明。
ただ旭化成の幹部は、「その信ぴょう性を含め、まだまだわからない」と話し、調査が長期化する見通しを示唆した。
マンションの西棟では、8本のくいが支持層に届かないなど不安定な状態だった。
8本の打ち込み作業は、工期の終盤に集中していた。
工期に問題はなかったのか。
旭化成は、「普通のくい打ち工事の工期だった」と答えた。
http://mainichi.jp/select/news/20151021k0000m040107000c.html
(10月22日 読売新聞)
『杭の長さ、最大2m足りず…工期延長気にしたか』
杭の長さが最大で約2m足りなかったことがわかった。
この杭は、継ぎ足しができないものだったため、追加発注する必要があったが、その場合は工期が延びる可能性があったという。
国交省は、杭打ち工事を行った旭化成建材の現場責任者が工期の延長を気にして工事を終えた可能性もあるとみて、同社などに経緯の説明を求める。
http://www.yomiuri.co.jp/national/20151021-OYT1T50124.html
(2015年11月6日 修正1 ;追記)
(11月4日 産経新聞)
『化成建材データ偽装 「自分たちが見破る」自治体職員ら懸命』
全国に拡大するくい打ち工事データ偽装問題。
横浜市都筑区の傾いたマンションに端を発したが、最初に飛び火したのは北海道だった。
道職員の地道なチェック作業が功を奏し、釧路市にある道営住宅の偽装を見破った。
横浜、東京、愛知、青森と次々と偽装が発覚する中、不正を働いた現場管理者が複数いることも判明。工事を請け負った旭化成建材への国交省の立ち入り検査を促す要因となった。
全国の自治体では、今も「自分たちの目で偽装を見破る」と休日返上の作業が続く。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151104-00000072-san-bus_all
(11月4日 毎日新聞)
『くい打ち不正:現場責任者説明変える「手伝ってもらった」』
データを改ざんした旭化成建材の現場責任者が、内部調査に対し、改ざんについて「他の作業員にも手伝ってもらった」と話していることが、同社の親会社・旭化成への取材で分かった。
現場責任者は当初、「自分1人でやった」と話していたが、説明を変えたという。
旭化成は、現場責任者が施工報告書をまとめる過程で、他の作業員がデータの改ざんを手伝った可能性もあるとみている。
http://mainichi.jp/select/news/20151104k0000m040095000c.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。