2015年10月15日17時1時10分に毎日新聞から下記趣旨の記事が、対象製品の写真付きでネット配信されていた。
東洋ゴム工業(大阪市)は14日、船舶のエンジンや鉄道車両などの振動を抑制するために使われる「防振ゴム」約8万8000個について、品質試験のデータを改ざんするなどの不正があったと発表した。
納入先は18社で、今後、ゴムを使った製品の安全性の確認作業を進め、必要があれば、ゴムを東洋ゴムの負担で交換する。
同社製品で性能データ改ざんなどの不正が明らかになったのは、2007年の断熱パネル、今年3月の免震ゴムに続き、3件目。
社会的な信用失墜や経営への悪影響は避けられない状況だ。
不正が発覚したのは、過去10年間に製造した防振ゴム約2500万個のうち、8万7804個。
内訳は、船舶用が5万6126個、鉄道用が2万9146個、その他産業用が2532個。
製造過程の品質試験で、数値を改ざんして規格を満たしたように記載したり、試験をしていないのに過去の試験データを転記したりするなどしていた。
強度が10%不足しているケースなどがあったが、現時点で具体的な被害の報告はないという。
納入先の18社の企業名については、守秘義務を理由に公表しなかった。
防振ゴムは、今年3月にデータ改ざんが発覚した免震ゴムを製造していた同社子会社「東洋ゴム化工品」の明石工場(兵庫県稲美町)で製造。
東洋ゴムは、免震ゴムのデータ改ざんを受け、出荷段階の全製品の緊急品質監査を実施し、8月10日に「正規品が出荷されていたことを確認した」と“安全宣言”を出した。
しかし、製造過程の品質試験の監査は行っておらず、8月20日に同工場の従業員からの内部告発を受けて不正が発覚した。直近では、8月19日に不正があった。
同社のコンプライアンス部門の責任者、高木常務執行役員は、14日夕、大阪市内で記者会見し、「免震ゴム問題発覚後も不正が続いていたことは、大変重く受け止めている」と謝罪した。
国交省は、「問題の防振ゴムを使ったとしても、直ちに安全に影響はない」としている。
船舶に使う防振ゴムについては、東洋ゴムは製造段階で船舶安全法に基づいて、国の「予備検査」を受けている。
しかし、東洋ゴムは、その際に不正データを示していたという。
一方、鉄道用の防振ゴムについては、東洋ゴム側と鉄道車両メーカーとの間で性能の取り決めを定めており、国の基準はないという。
出典URL
http://mainichi.jp/select/news/20151015k0000m040001000c.html
(以下は、その他の主だった報道)
(10月14日 産経新聞west)
『また同じ構図、教訓生かされず… コンプラに重大欠陥』
防振ゴムをめぐる問題は、今年3月に表面化した免震ゴム装置の性能偽装とまったく同じ構図で起こっていた。
しかも、経営陣を刷新して再発防止を誓った6月以降も不正はひそかに続けられており、教訓はまたしても生かされなかった。
今回は、免震ゴムと同じ明石工場の品質保証課が関与。
同課は、平成20年の異動で、人員が2割減らされた。不正は、20年以降の件数が多いという。
免震ゴムの不正は、当初は担当者1人による行為だと公表されたが、外部の調査により、上司の指示で4人が関与していたことが明らかになった。
http://www.sankei.com/west/news/151014/wst1510140113-n1.html
(10月14日 産経新聞west)
『「今後の影響分からない」 再発防止を誓った後も不正…』
会見に臨んだ高木常務執行役員は、「(不正行為があった)ゴムの材料試験は工程の途中なので、緊急品質監査の項目に入っていなかった。不備があったといわれても仕方がない」と弁明。
「再発防止を誓った後でこのようなことになり重く受け止めている」と述べたが、免震ゴム問題を受けて綱紀粛正に取り組んでいた時期にも、不正行為があったことになる。
今回の不正行為は、防振ゴム事業を手がける子会社で行われたコンプライアンス研修後、関係者から寄せられた「検査結果の証明書類に不実の記載がある」との通報を端緒に発覚した。
http://www.sankei.com/west/news/151014/wst1510140118-n1.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。