2018年10月26日付で毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
油圧機器メーカーKYBなどによる免震・制振装置の検査データ改ざん問題で、建物の建設を担うゼネコン各社に不安が広がっている。
オイルダンパーの出荷シェアで半分超を占めるメーカーが新規受注を停止しており、装置の調達が困難になるほか、建物の設計手法の見直しを迫られる可能性も出てきたからだ。
今後の都市開発への影響も懸念される。
KYBや建材メーカーグループ・川金ホールディングス(HD)は、国や顧客が指定した基準を満たしていない免震・制振オイルダンパーの検査データを改ざんしていた。
装置の交換を優先するため、新規受注を停止している。
免震・制振ダンパーは、タワーマンションや大型商業施設、災害拠点となる役所などに多く使われている。
大手ゼネコンによると、オイルダンパー以外にも、金属の弾力性を利用したダンパーなどがあるが、大小の揺れに対応できるオイルダンパーが最も使い勝手が良く、東日本大震災などの影響で需要が高まっているという。
オイルダンパーは、月約100本を生産するKYBが国内トップシェア(約45%)で、月約40本の川金HDとで、業界全体の半数超を出荷している。
このためゼネコン各社からは、「今後の調達が難しくなる」(大手関係者)との声が上がっている。
また、これまでオイルダンパーの使用を前提に行っていた高層建物などの構造設計の見直しを迫られる可能性がある。
KYBは、2020年9月までに約1万本のオイルダンパーを交換する方針で、ゼネコン各社は交換作業にも従事するため、同年の東京五輪を見据えた都市圏の開発計画への影響も懸念される。
一方、マンションの住民らも、今回の改ざん問題に気をもんでいる。
大手建設会社によると、オイルダンパーは一般的に20階以上の高層建築で利用されることが多いが、低層の住宅などでも設置されるケースがあるという。
KYBなどは、問題のダンパーが設置された一般住宅の公表に慎重で、住民の不安も長期化しそうだ。
出典
『KYB・川金HD 免震装置データ改ざん 装置、調達困難に ゼネコン影響懸念』
https://mainichi.jp/articles/20181026/ddm/041/020/106000c
(ブログ者コメント)
事故やトラブルを起こした場合、多方面に大きな影響を及ぼすことがあるが、その1例として紹介する。
両社の事例については、それぞれ本ブログでも紹介スミ。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。