2018年11月2日19時21分に日本経済新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
化学材料メーカー大手の日立化成は2日、鉛蓄電池や半導体材料の品質検査不正に続き、新たに自動車用バッテリーなどの28製品で検査不正があったと発表した。
国内7事業所全てで不正があり、対象事業は日立化成の連結売上高の1割を占める。
取引社数は、延べ約2400社に上る。
日立化成の丸山社長は、「幅広い製品での不適切な行為には、慚愧の念に堪えない。全事業所であったということは、会社として甘えた文化があった」と陳謝した。
新たに検査不正が見つかったのは、民生用リチウムイオン電池の負極材やディスプレーの回路を接続するフィルム、自動車の外装や内装の樹脂製品など、28製品だ。
6月の鉛蓄電池のデータ改ざんの際に約500社だった取引先は、延べ約2400社に膨れあがる。
同社が茨城県や千葉県などに持つ7つの全事業所で、検査報告書の改ざんや顧客との契約と異なる方法での検査があった。
10年以上改ざんを続けていた製品も見つかったという。
現在まで、製品の不具合や法令違反の事例は見つかっておらず、製品の回収などは検討していないという。
現時点では業績への影響は限定的との見方を示した。
鉛蓄電池のデータ改ざんを受け、外部の有識者でつくる特別調査委員会が調べを進めており、11月下旬には調査報告書が出るとみられる。
丸山社長は自身の進退については、「経営者として重い責任がある。調査報告書を精査して考えたい」と述べるにとどめた。
出典
『日立化成、品質不正新たに28製品 国内全7事業所で』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO37301550S8A101C1MM8000/?n_cid=NMAIL007
4ケ月ほど前、2018年6月30日付で東京新聞から、最初の改竄が発表された経緯などについて、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
日立製作所グループの日立化成は29日、産業用鉛蓄電池製品約6万台の検査成績書に不適切な数値を記載する捏造行為があったと発表した。
製品は、主に工場やビルの非常用電源として使われており、納入先は国内の複数の原発を含め、約500社。
製造した名張事業所(三重県名張市)内で、昨年末には当時の事業所長に不正が報告されていたが、公表していなかった。
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顧客と取り決めた試験方法と異なる社内の方法で実施した上、データを本来の方法に合わせる形で検査成績書に書き込んでいた。
丸山社長は、「(社内の試験方法で)能力があるからいいんじゃないかという安易な判断をする現場の空気があった」と述べた。
今後、外部専門家らによる特別調査委員会を設置して原因を究明する。
昨年12月に経団連が会員企業に要請して実施した自主調査では、判明しなかった。
名張事業所の品質保証担当の部長は、昨年末に当時の事業所長に不正を報告していたが、丸山社長らには伝わらなかったという。
4月に着任した現事業所長が経営陣に報告し、公表に至った。
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出典
『日立化成、検査数値を捏造 鉛蓄電池6万台 原発含め500社納入』
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201806/CK2018063002000141.html
6月29日21時39分に時事ドットコムからは、品質不正問題に関連して行われた2度の内部監査でも発覚しなかったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
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対象の製品は、主に工場などの非常用バックアップ電源に使用されている。
名張事業所で生産しており、出荷時に納入先と取り決めた方法で検査をせず、納入先に提出する検査成績書に架空のデータを記入していた。
昨年11月に品質保証の責任者から知らされた前事業所長は、経営陣に報告しなかった。
不正は少なくとも7年間に及ぶ。
日立化成は、退職者を含め、複数の社員が関わったとみている。
産業界に広がった一連の品質不正問題を受けて行った2度の内部監査でも発覚しなかった。
4月の事業所長交代をきっかけに見つかり、今月に入って経営陣が把握したという。
出典
『日立化成、鉛蓄電池データ捏造=複数の原発にも納入-500社に6万台出荷』
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018062901000&g=eco
(ブログ者コメント)
「2度の内部監査でも発覚しなかった」という件、内部監査で不正が見つからなかったということだろうか?
それとも、内部監査で不正が見つかった、あるいは不正していたと申告されたが、所長のところで情報が止まった、ということだろうか?
それとも・・・・。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。