7月20日5時30分に神戸新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
2012年9月、消防隊員ら37人が死傷した日本触媒姫路製造所(兵庫県姫路市網干区興浜)の爆発事故。
爆発を防ぐ注意義務を怠ったとして、業務上過失致死傷罪などに問われた当時の同製造所の課長(62)ら3人に、19日、神戸地裁は有罪判決を下した。
犠牲になった男性消防職員=当時(28)=が所属していた同市消防局は、危険箇所を把握する「指揮隊」の創設や化学薬品に強い防火衣の導入などを実施。
痛切な事故を教訓に、再発防止対策を徹底してきた。
市消防局が事故を受けて設けた指揮隊は、災害時に現場の状況をつかみ、活動方針の検討を専門に行う。
飾磨、姫路東、姫路西の3消防署に配備、各5人が所属している。
指揮隊長を務めた経験がある消防・救急課長の塚原・消防司令長は、「6年前とは統制が大きく変わった。民家火災の際にも、隊員のコントロールや熱中症対策などの安全対策ができるようになった」と話す。
化学薬品の飛散による負傷を和らげるため、全国に先駆けて、石油コンビナート災害に対応した新型の防火衣も導入した。
さらに、コンビナート火災時の危険距離を上回る放射距離を持つ「無人放水銃」を配備するなど、検証と対応を強化してきた。
事故を巡り、事業所と消防との連携不足が指摘された。
同消防局は事故後、市内の大規模事業所に、災害時の状況を適切に伝える「消防技術説明者」の配置を要請。
15カ所ある特定事業所との間で、事故を想定した連携訓練を年間計50回以上実施している。
同製造所とは、最低月1回、昨年は計15回の訓練を行った。
事故で負傷し、被害者参加制度を活用して法廷に立った消防司令補は、「どうして事故が起きたのか、同僚たちと共有することが使命だと思った」。
公判では懸命にメモを取り、隊員たちに伝えた。
当時は、危険性やアクリル酸の扱いなど、同製造所側からの情報が乏しかったために、隊員らが巻き込まれた。
今年発生した同製造所の軽微な事故では、現場に出動した若い隊員から、「こういう時は状況確認が大切」と声が上がり、「教訓が生きた」と感じたという。
石見市長は判決を受け、「事故の教訓を忘れず、消防活動の安全対策と市民の安全・安心の確保に取り組む」とコメントした。
出典
『工場爆発受け姫路市消防 再発防止へ対策徹底』
https://www.kobe-np.co.jp/news/himeji/201807/0011461462.shtml
(ブログ者コメント)
6年前の事故は本ブログでも紹介スミ。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。