2024年2月20日14時47分にYAHOOニュース(産経新聞)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
伐採された樹木の枝や樹皮などを加工し、燃料として火力発電に活用する「木質バイオマス発電所」で火災が相次いでいる。
保管施設にある燃料が発酵し、自然発火したとみられる事例が目立つ。
木質バイオマスは環境に優しいエネルギー源とされ、近年発電所の建設が進んでいるが、燃料の保管方法など安全面での課題が浮上してきた。
■建設ラッシュで10倍に
木質バイオマス発電は、燃料のもととなる木が成長過程で二酸化炭素(CO2)を吸収していることから、CO2排出量を削減できる発電方式の一種として扱われる。
計画が国に認められれば、発電した電気を電力会社が買い取る固定価格買い取り制度(FIT)の認定が受けられる。
同じくFITの対象となっている太陽光や風力と違い、自然の状況に左右されず、燃料を確保すれば安定的に発電できることなどから、近年建設ラッシュを迎えた。
林野庁によると、FITなどの認定を受け稼働する木質バイオマス発電所は、平成27年3月末の22カ所から令和5年3月末には219カ所と、10倍近くに増えた。
政府は12年の国内総発電量のうち、5%を木質を含めたバイオマス発電でまかなう計画を立てており、発電所の規模も大型化してきている。
■火元、保管設備付近か
その分、事故も目立つようになった。
今年1月31日、JERA(ジェラ)武豊火力発電所(愛知県武豊町)で火災が発生。
この発電所では石炭と木質バイオマス燃料を混ぜて焼く「混焼」を行っているが、火元は木質燃料を約300トン保管していた設備付近とみられている。
設備に通じるベルトコンベヤーにも延焼した。
停電は発生せず、電力供給にも影響はなかったが、同発電所では昨年にも発煙事故が発生。
事態を重くみたJERAでは2月5日、外部有識者を招いた事故調査委員会を設置した。
同様の火災は昨年5月と9月、中部電力など5社が出資する米子バイオマス発電の発電所(鳥取県米子市)で、3月には関西電力舞鶴発電所(京都府舞鶴市)でも発生。
経済産業省電力安全課によると、平成31年から令和5年までに少なくとも11件発生しており、昨年は6件が集中した。
■「燃料特質踏まえて」
これらの発電所で燃料として広く活用されている木質燃料「木質ペレット」は、乾燥した木材を細かく砕き、圧力をかけて円筒形に成形したものだ。
業界団体の一般社団法人「日本木質ペレット協会」(東京都)では、「水分が加わらないようにする、通気性の良い場所で高温を避けるなど、適切に管理すれば、難しい素材ではない」と説明する。
ただ各電力会社の報告では、推定される事故原因として「サイロ内の木質ペレットの一部が発酵・酸化して可燃性ガスが発生し、自然発火で当該ガスに引火」(関西電力)、「燃料貯留槽内のホワイトペレットが、長期間保管されていたことにより自然発酵し、発火に至った可能性がある」(米子バイオマス発電)など、木質ペレットの発酵に言及している。
燃料が砕けて粉状になり「粉塵(ふんじん)爆発」が起きた可能性も指摘されている。
火元が発電設備ではなく、燃料の保管場所とみられることが特徴だ。
ただ電気事業法上、これらの保管場所は、火力発電所におけるボイラーなど「主要電気工作物」の設備には含まれておらず、破損があっても報告義務はない。
しかし、事故が相次いだことを受け、電力安全課では今月、バイオマス燃料に起因する可能性のある火災が発生した際には、対象でない場合であっても報告するように、全国の発電所に通知した。
再発防止に向けた措置で、担当者は「燃料の特性を踏まえた運用をしてほしい」として、適切な運用管理を呼びかけている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/4300daddf7799d5500051d284d178665d2d6bf46
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。