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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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(2010年12月8日 旧ブログ掲載記事)
 
2010年12月7日11時32分に、msn産経ニュースから下記趣旨の記事がネット配信されていた。
 
豊田市にある「日本環境安全事業(JESCO)」豊田事業所で定期点検中にミスがあり、PCBを含む油が約5ℓ漏れていたことが、7日、分かった。
事業所は、当初、「外部への流出はない」として、豊田市に報告していなかった。市は立ち入り調査した。

事業所によれば、11月19日の点検でPCBの分解処理槽の気密性をテストするため、中の窒素を抜いたところ、排気管が外れており、施設内に試験用の油が漏れたという。油には基準値の約17倍のPCBが含まれていた。

JESCOは政府出資の機関で、全国に保管されているPCBを分解、無害化する事業を行っている。
 

 

(2011年9月2日 修正1 ;追記)

その後に報道された情報を下記する。

①「2010年12月23日 朝日新聞愛知版」

原因や対応に原則を破った判断ミスが重なっていたことがわかった。

□気密試験も窒素の抜き取りも、本来は事業所の指示で運転会社が操作する原則なのに、今回は運転会社が判断して実施した。
前日に試験をし、抜き取りは金曜日で、反応槽の点検業者がその週で帰るため、急いだという。

□配管が外れていたことは、運転会社も知っていた。
窒素を抜けば、室内で酸欠の危険があると判断し、バルブを開く前に退避した。
再入室時には、酸素濃度計で確認していた。

□漏出は二つの配管で起き、一方は少量のため布でふき取った。もう一方は、漏出油をバケツで受け止めた。
運転会社の作業主任はPCB濃度測定のため、缶に入れるよう部下に指示。ところが、「缶が見あたらなかった」との理由で漏出油は処理工程に回され、測定されなかった。

□同事業所も漏出油には、外部に出して良い濃度しかPCBは含まれていなかったと判断した。
配管内に付着したPCBの認識が甘く、「不明な場合は分析」という原則が守られなかった。
所長は「排気系という安全装置を外した状態で操作した。基本にはずれ、深刻だ」と話す。判断ミスの原因については「慣れからくる油断、過信の結果」と述べた。


出典URL■■■


②「2011年1月18日 赤旗」

□事故当時の対応をしたのが本来責任を負うべきJESCOの正社員ではなく、派遣社員だったこと、1日のうち16時間が派遣社員だけで作業していることが明らかになった。

□事故対応に当たった現場の指揮者は当初、PCBが含まれていないと判断。漏れていた液体をふき取り、配管下にバケツを置いただけだった。
作業員は全員派遣社員だった。  同事業所によると、JESCOの正社員は31人、運転会社の作業員は137人で、うち派遣社員は101人。12社から派遣されている。

□1日のうち正社員がいるのは日中の8時間だけ。日常的に違う派遣会社から派遣された作業員同士で指揮命令を行っており、労働者派遣法上も問題になる。

□視察した議員は「PCBは十分な知識と訓練を受けた人が管理すべきもの。職長まで派遣社員だというのは問題といわざるを得ない。JESCOは全国に5事業所あるが、派遣社員が多いという実態がある。処理方法も含めて処理のあり方を根本的に見直すべきではないか」と指摘した。


出典URL■■■


(ブログ者コメント)

一般の会社と違い、JESCOはPCB特措法に基づき、期限を区切ってPCBを処理するための組織だ。処理終了後は解散することになる.
そのような事情があるので運転は派遣社員に任せている・・・そういったことなのだろうか?



③「2010年12月24日 豊田市委員会議事録」

□11月19日の事故以外、2件の事故・トラブルの説明。  

その1)12月8日 遮蔽フード内における低濃度PCB油の漏洩事故

12月8日午後4時半頃、1階小型トランス解体エリア(遮蔽フード内)において、洗浄槽の洗浄液を分析するため、サンプリングラインに残留している不要な液を回収するポリタンクから、洗浄液約5Lが遮蔽フード内の床に漏れていることを確認した。
洗浄液は、直ちに回収し、PCBの外部への影響はなかった。
今後の対策として、暫定的には外部から確認できるよう、ポリタンクを透明なものに変更し、恒久的には、ポリタンクに回収しない方法へ変更する。  

その2)11月11日 非常排煙装置誤操作

11月11日午前11時頃、定期点検中に5階通路で天井裏を確認しようとして誤って非常用排煙口を開け、約20分間、排煙装置が作動した。
PCBがない通路部分の排煙装置であったため、施設外へのPCBの流出はなかった。
今後の対策として、開放しないことを改めて徹底すると同時に、開けないように表示をした。


□これらの事故・トラブルに関する、委員とJESCOの質疑応答や意見要望が記載され、また、事故概要も資料として添付されている。

出典URL■■■



(2011年9月9日 修正2 ;追記)

11月19日の事故に関し、当時、現場で勤務していた元社員の方から、報道は事実と違う、というメールを頂戴した。 その方が体験したという事故時の状況などは下記。(漏洩量はその方の実感)

・午前7時50分ごろ、同僚と一緒に反応槽(PCB分解槽)の気密試験の現場監視をしていたところ、反応槽の排気配管からPCBを含む廃液30~50ℓが目の前で漏洩した。
・中央制御室に連絡して指示を仰いだところ、応援1名が到着し、一緒に漏れたPCBを拭き取った。
・漏洩箇所は高さ4mを超える場所であり、中2階を挟んだ1階の床には常時、PCBが降り注ぐ状況であったため、自分を含む2名が廃液を浴びた。(化学防護服は現場に常備されていないので着用しなかった)
・上司の命令により、作業服を着替え、15時に帰宅した。
・話は違うが、タンクローリーから金属ナトリウムを圧送で施設に受け入れており、専門知識のない派遣社員が大量に取り扱っていることに危惧の念を抱いている。


(ブログ者コメント)

□拭き取り作業は廃液の漏洩が止まってから実施した筈。とすれば、架台などからしずくが垂れている状態で拭き取ったと思われるが、急いで拭き取らねばならない理由でもあったのだろうか? ポタポタが収まってから、あるいはどこかに常備している筈の防護服を取りに行き、それを着用してから拭き取ればよかったのに、と感じた。

□豊田事業所では、PCBと金属ナトリウムを反応槽に入れ、常圧下、50~320℃で反応させている。 そのようなプラントは、確かに、専門知識を持った人が運転すべきと思うが、はてさて派遣社員にどのような教育訓練を行っているのだろうか?
一方、緊急時の対応などを考えると、ある程度、化学プラントの運転経験のある人が望ましいのだが、ネットの「豊田市/PCB廃棄物処分場での機械運転業務(派)、3交替制」なる募集情報を見ると、採用条件としては「高卒以上、フォーク、乙四、クレーン」とあるだけで、スキル・経験は「不問」となっている。
そういった点が気になった。

□メールには内部告発的な内容も含まれていたが、それは本ブログの趣旨とは違うので、転記は割愛した。ただ、同じ内容が以下のHPで取り上げられている。
■■■


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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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