本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。 それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。 本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。 一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。 (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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2011年12月22日付の朝日新聞山口西部版(聞蔵)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
山陽小野田市のコンクリート製品製造会社の工場で2009年6月、サイロの底が裂けて大量の砂が流出し、作業員2人が生埋めになって死亡した事故で、うち1人の死亡について、業務上過失致死容疑で書類送検された鉄工会社の現場監督(68)と現場班長(37)を、山口地検が21日、起訴猶予にしたと発表した。
「サイロの底を支えるためにジャッキの数を増やすなど、ある程度の安全対策をしていた」などと、理由を説明した。
ちなみに、事故時の状況など、過去の主だった報道は下記。
2009年6月17日付 朝日新聞山口西部版朝刊(聞蔵)
16日午後1時45分ごろ、山陽小野田市のコンクリート製品製造会社「Jパイル製造山口工場」で、コンクリートの原材料に使う砂を貯蔵する金属製サイロの底から突然、砂が流出し、作業員1人が生埋めになった。
消防などが救出作業をしていたが、さらに発生から約25分後、残っていた砂が再びサイロの底から流れ出し、別の作業員も生埋めになった。
2人は救出され、病院に運ばれたが、1人が死亡、1人が意識不明の重体。
警察によると、サイロ(高さ6.5m、直径6m)は、鉄骨などでできた架台(高さ約1.8m)の上に設置されている。
死亡した作業員ら8人は、架台を補強するため、サイロが載っている部分の鉄骨を取り換える作業をしていた。 サイロの底が裂け、砂が大量に流出したという。
工場には4基のサイロがあり、事故があったのは75年ごろに製造されたもの。
サイロの内部は縦に2室に仕切られており、計180トンの砂を貯蔵可能で、底面には砂を排出するための穴がある。
事故当時、1室に67トン、もう1室に30トンの砂が入っていたという。
2009年6月18日付 朝日新聞山口西部版(聞蔵)
サイロ底部の約半分にあたる面積が裂けて穴が開いていたことがわかった。
底部にある「ゲート」と呼ばれる砂の排出口2ケ所のうち1ケ所が抜け落ちていたことも確認された。
同社は記者会見で、「補修作業を発注したO鉄工所側には、今年3月ごろ、砂を抜いて作業したほうがいいと指摘したが、抜かなくても安全だというので、任せていた」と説明した。
2009年6月19日付 朝日新聞山口版朝刊(聞蔵)
サイロ底部の金属に腐食があることが新たにわかった。
サイロ内部は、底部の鉄板の上に約10cmのコンクリートが敷かれているが、警察によると、この鉄板部分が腐食していたという。
20011年9月16日付 朝日新聞山口西部版朝刊(聞蔵)
警察は、作業を請け負っていた鉄工会社の現場責任者ら2人を業務上過失致死容疑で書類送検する方針を固めた。
サイロから砂を抜くなど、事故防止策をとっていなかった疑いと、鉄骨を取り外した際、仮設の架台を設けるなど、補強措置をとらなかった疑い。
(ブログ者コメント)
□今回の起訴猶予は、「1人の死亡について」とただし書きがあること、また、その不起訴理由から考えると、「補強措置をとらなかった」容疑に関するものだと思われる。
□「砂を抜かなかった」容疑については、過去に報道なし。発注元から指摘されていたのに、なぜ安全だと評価したのか、その点も含め、まだ審査されているのかもしれない。
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魚田慎二
性別:
男性
自己紹介:
化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。
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