2011年12月20日15時14分に読売新聞から、21日1時47分に西日本新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
福岡県の県立直方高校で2005年に開かれた体育祭の最中に落雷でけがをし下半身に軽度のマヒが残った元生徒の男性(23)が、体育祭を中止しなかった学校側の責任として、同県に約6365万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が20日、福岡地裁小倉支部であった。
裁判長は、男性がはだしだったことに触れた上で、「体育祭再開後、教員は落雷で感電しないよう靴をはかせるべきだった」と指摘し、約68万円の支払いを命じた。
判決によると、05年9月10日、雷雨のため中断した体育祭の再会後、近くで再び落雷があり、階段状の応援席の最前列ではだしで応援合戦をしていた当時2年の男性ら生徒約10人が、雨でぬれたグラウンドを伝わった雷によって感電し、病院に運ばれた。
裁判長は判決で、落雷とけがの因果関係を認めた上で、男性の損害額を後遺障害への慰謝料など約348万円と算定。 日本スポーツ振興センターから男性が受けた障害見舞金などを差し引いて賠償額を決めた。
原告側は「雷鳴が聞こえており、体育祭は中止すべきだった」と主張したが、判決は「いったん中断して屋内に避難させ天候の様子を見ており、不相当な点はない。中止する義務があったとは言えない」として退けた。
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ちなみに、当時の状況については、2005年9月11日付の朝日新聞福岡西部版(聞蔵)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
10日午後2時すぎ、県立直方高校から、「近くに落雷があり、生徒がしびれなどを訴えている」と119番通報があった。
体育祭で校庭にいた生徒8人が救急車で病院に運ばれ、うち2年の男子生徒(17)が入院した。
同校などによると、当時、校庭には生徒や保護者ら約1500人がいた。
8人は呼吸が激しくなったり、しびれを感じたりした。
雷は数百m離れた裏山付近に落ちたらしい。
(ブログ者コメント)
□雷は、雷雲の1ケ所からだけ発生するものではない。雷雲のそこかしこから発生する可能性があるので、雷鳴が遠のいたからといって安心するのは禁物だ。
本件、昨年9月の大原はだか祭り落雷で34名が重軽傷を負った事故の記事でも、同様なコメントをしているが、念のため。
□ブログ者は、落雷場所が数百mも離れていれば問題ないだろうと漠然と思っていたが、地面が濡れていた場合は危険なことを、この事例で知った。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。