2019年4月19日15時56分にNHK京都から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
資源保護のため漁獲が規制されているクロマグロについて、京都府北部の沿岸で定置網に大量に入り込んだクロマグロの群れを逃がすために漁ができなくなるケースが今年に入ってから相次いでいることが、NHKの取材で分かった。
一度網に入ったクロマグロは、逃がしても死んでしまうケースもあり、効果的な資源保護の難しさが浮き彫りになっている。
クロマグロは、国際的な枠組みによって漁獲量の上限が設けられていて、日本でも都道府県ごとに漁獲枠が決められ、各地の漁協などはこれを超えないよう、漁業者と調整している。
京都府の沿岸に設置された32の大型の定置網では、漁獲枠を超えそうな場合、クロマグロを手作業で海に戻しているが、京都府漁業協同組合によると、数100匹以上の群れで網に入った場合は選別が難しいため、漁をあきらめて全ての魚を逃がすしかないという。
これについてNHKが調べたところ、クロマグロの群れのために漁を断念したケースは、ことし2月と3月の2か月間で40回、漁全体の6.4%に上ることが分かった。
水産庁は、クロマグロを逃がすために漁ができなくなった場合の補助制度を設けるなどしているが、クロマグロは傷つきやすく、定置網の中で弱ってしまい、逃がしても死んでしまうものが少なくないとみられるということで、効果的な資源保護の難しさが浮き彫りになっている。
京都府漁業協同組合の上林専務は、網を開放して魚を逃がすことについて、「一定の補償はあるにせよ、漁業者は『網にかかった魚をすべて水揚げしていれば補償以上になった』という思いが強いと思う。漁業者は『魚をとってなんぼ』というところがあり、士気にも影響が出ると考えている」と述べた。
そのうえで、「マグロは弱い魚で、一度触っただけで死んでしまうこともある。せっかく逃がしても死んでしまっては何にもならないので、資源をうまく利用するという意味で議論を尽くすべきだと思う」と述べた。
定置網にかかり弱ったクロマグロを逃がすことについて、水産庁は「クロマグロは、法律に基づいて漁獲規制が行われるようになったばかりで、さまざまなデータを集めている最中だ。クロマグロが弱い魚であることは、漁業者や専門家からの指摘もあって認識している。定置網の構造や逃がす際に使う網などを改良することで、魚が受けるダメージを減らす方法を考えたい」とコメントしている。
出典
『クロマグロ逃がすため漁不可能に』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kyoto/20190419/2010003381.html
(ブログ者コメント)
〇冒頭のアナウンサー談。
『資源の減少が懸念され、漁獲量が規制されているクロマグロ、その規制の在り方をめぐって漁業者からは、定置網の仕組みとマグロの魚としての特徴から、疑問の声があがっています。』
〇この報道は、NHK記者が定置網漁に同行して取材したもの。
以下は映像の1コマ。
クロマグロを両手で抱え、あるいは手網に入れて海に返していた。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。