2019年4月19日付で毎日新聞東京版夕刊から、下記趣旨の記事が現場写真付きでネット配信されていた。
国内外で人気の高い瀬戸内国際芸術祭が今月開幕する香川県・小豆島。
玄関口となるフェリーターミナルのアートトイレのドアについて、総務省四国行政評価支局(高松市)が「識別しづらい」と指摘した。
ドアノブが奇抜な白黒模様と重なり、視覚障害者らには見えにくい状態となっている。
芸術祭の開幕は26日に迫るが、改善は間に合わず、現状のまま来場者を迎えることになりそうだ。
芸術祭は2010年から3年に1度、主に香川県内の島々を会場に開催し、多彩な芸術作品の展示やイベントがある。
今回は11月上旬まで春、夏、秋の会期があり、県などでつくる実行委は、延べ約100万人の来場を見込む。
指摘があったトイレは、小豆島・土庄港フェリーターミナル(同県土庄町)1階にある。
管理する町によると、前回芸術祭が終了した後の16年秋、「ART no SHOW TERMINAL(アートノショーターミナル)」と銘打ち、デザイナーのコシノジュンコさんの事務所が監修して、ターミナルを改装した。
トイレも、元々白いタイル張りだったが、アーティスト・田中秀和さんの絵画作品「緊張と解放の図面」を印刷したシートをドアや壁に貼った。
曲線や丸などの文様がモノトーンで表現されている。
事業費は約90万円。
芸術祭を控え、施策のチェックを行う同支局が昨年8月、来場者が多く見込まれる港施設をバリアフリーの観点から点検。
視覚障害者の女性とトイレを訪れた際、使いづらいとの声が上がった。
金属製のドアノブは改装前から使われているが、細身で緩くカーブしており、背景のデザインと重なって判別しづらかった。
同支局は、周辺歩道の段差、案内表示の小ささなどと併せて、町に指摘した。
町は改善を図る予定で、
▽シートをはがして白い壁に戻す
▽視認性の高いドアノブの形状・色に変える
などの対策を想定。
ただ、作品の撤去やイメージの変更は作家への説明も必要で、時間がかかるという。
町商工観光課の担当者は、「指摘を謙虚に受け止め、不自由のない形にする。障害者団体に相談するなどし、優先順位を付けて直したい」と話している。
出典
『トイレ 用途よりアート? 芸術祭開催の香川・小豆島、奇抜さがアダ 模様重なり視覚障害者「不便」』
https://mainichi.jp/articles/20190419/dde/041/040/015000c
(ブログ者コメント)
本件、安全とは関係ない事例だが、本ブログでは過去、芸術作品が事故につながった事例を2件掲載している。
2016年 新宿区で木製ジャングルジム火災
2014年 青森市でアクリル板で囲まれた自動車の排ガスを吸って死亡
それと軌を一にするところがあるのではないかと感じたので、参考までに紹介する。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。