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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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2024711649分にYAHOOニュース(現代ビジネス)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

・・・

1世紀半近くにもわたって日本の産業支えてきた「産業技術総合研究所」の全面協力のもと、刊行された『「あっぱれ! 日本の新発明 世界を変えるイノベーション』から、おもしろ発明をご紹介しましょう。

今回は、プルシアンブルーという顔料に着目した新発明を解説します。

なんと、環境汚染の原因とされる窒素化合物ですが、その化合物の一つアンモニアを、顔料で吸着・除去してしまおう、という、なんとも仰天の発明なのです。

*本記事は、『「あっぱれ! 日本の新発明 世界を変えるイノベーション』(ブルーバックス)を抜粋・再編集したものです

■なぜアンモニアを除去しなければならないのか?

・・・

アンモニア吸着機能が発見されたのは、ただのブルーではなく、プルシアンブルーだというのである。

なぜ、ほかのブルーではダメなのか?

そんな素朴な疑問にとりつかれた探検隊は、産総研のナノ材料研究部門に出向いた。

高橋顕さんと川本徹さんに疑問をぶつけるためだ。

 

■じつはPM2.5の半分をアンモニアが占める

・・・

■「窒素循環量の増大」で起こっている大問題

悪臭をなくしたいのはわかるが、研究の目的は、じつはそれだけでなかった。

その背景には、もっと大きな問題が横たわっていたのだ。

それは、「窒素循環量の増大」である。アンモニアの化学式は「NH₃」で、Nは窒素。
つまり、アンモニアは窒素化合物だ。

いま地球上では、その窒素が循環している量の増大によって、さまざまな問題が起きているという(前回記事のレポートを参照してほしい)

人口が増加すれば食糧の生産量が増えるので、アンモニアの使用量もこの50年間で、およそ10倍になりました。

そのため、地球環境を循環するアンモニアも増え、それが多くの問題を引き起こしています。

大気中では酸性雨や地球温暖化、海では赤潮、青潮、アオコなど富栄養化の原因にもなっているのです」(高橋さん)

それに加えて、アンモニアはPM2.5の主要生成物だと考えられている。

農業によって排出されるアンモニアが、工業によって排出される窒素酸化物や硫黄酸化物と空気中で結合して、アンモニウム塩(硝酸アンモニウムや硫酸アンモニウムなど)になり、その小さい粒子がPM2.5になるのだ。

いまや世界人口の95%はWHOの基準値を超えるPM2.5濃度の環境下で生活しているという。

「群馬県で採取されたPM2.5の組成を調べたところ、半分以上がアンモニウム塩だったという報告もあります(図「群馬県で採取されたPM2.5の組成」)

「農作物や家畜などの食料生産を増やせば増やすほど、PM2.5による健康リスクが高まります。
アメリカでは、食料輸出によって得られる利益よりも、それに伴うPM2.5による健康リスクのほうが大きいとする研究結果も発表されています」
(高橋さん)

EUでは、PM2.5を減らすのにもっとも効果的な手段は「アンモニアの削減」であるという考えのもと、2030年以降に大気中のアンモニアを19%削減する(2005年比)という目標が掲げられた。

環境問題で「削減すべきもの」といえば二酸化炭素(CO)のことしか頭になかったが、窒素削減もまた重要なテーマだったのだ。

「それ以外でも、アンモニア除去技術の必要性は高まってきています。

たとえば、実用化が進んでいる水素燃料でも、アンモニアの処理が課題の一つです。

分解すると水素と窒素になるアンモニアは、エネルギーキャリアになりえます。

水素は貯めるのが難しいけど、アンモニアの状態で移送してから現地で分解すれば、水素をつくれますから」

「その意味ではアンモニアは役に立つのですが、つくった水素の中に不純物としてアンモニアが残ってしまうのは困るんです」
(高橋さん)

もちろん、「悪臭」の除去もアンモニアをめぐる大きな課題の一つだ。

社会の高齢化が進むとともに、病院や介護施設などのにおいについても、何とかしたいという需要はますます高まっているという。

■大事なのはプルシアンブルーの「穴」

・・・

■プルシアンブルーは「穴だらけ」だった

プルシアンブルーの分子構造を見ると、あちこちに「空隙(くうげき)サイト」と呼ばれる空洞がある。

「サイト」は「場所」ぐらいの意味だと思えばいいだろう。

要するに、「穴」がたくさんあるわけだ。

金属を置き換えて色を変えるときも、この穴に金属イオンが取り込まれることが重要となる。

セシウムもまた、穴に入ることで吸着されることがわかった。

高橋さんらは構造解析などによってその原理を解明し、企業と協力して無機ビーズ、着色綿布など、多様な形態のセシウム吸着材を開発した。

「この研究の過程で、プルシアンブルーの結晶構造の中には水を吸着する空隙サイトがたくさんあることがわかったのです。
アンモニアのことを考えたのは、それからですね。
じつは、水とアンモニアはよく似た性質を持っています。
だから、水がくっつくプルシアンブルーにはアンモニアもくっつくのではないかと着想したのです」

「日本は化学肥料の多くを輸入に依存しています。
もしアンモニアを吸着して回収し、肥料として再利用することができれば、少しは自給率を高められるのではないかと思いました。
もっとも、単なる思いつきで提案しただけで、当初はコスト計算も何もしていなかったので、川本にボコボコにダメ出しされましたけど」
(高橋さん)

こんどは隣で苦笑する川本さんであった。

しかし、このプルシアンブルーの空隙サイトが、このアンモニア吸着という発明の大きなポイントなのだ。

※こちらの次回記事は、711()の公開予定です。

https://news.yahoo.co.jp/articles/9e1e7fc9d102b6b75a574028dc5217077903354f?page=1 

 

 

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自己紹介:
化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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