2018年5月18日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第2報修正1として掲載します。
第1報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/8342/
(2019年5月31日 修正1 ;追記)
2019年5月24日3時1分に大分合同新聞から、粘土化していた火砕流台地に水が溜まったことが原因だったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、第1報ともどもタイトルも修正した)
【戦後8件、九州では大分と鹿児島に集中】
昨年4月に中津市耶馬渓町で起きた山崩れと同じケースの斜面崩壊が、九州で少なくとも戦後8件発生していたことが国交省の資料で分かった。
いずれの箇所も、火山の噴火による火砕流が堆積してできた地質で、発生時に雨は降っていないか、小雨だった。
大分、鹿児島両県に集中しており、県内では他に2件あった。
台地のへり部分が崩れるといった共通点も見られる。
崩壊箇所周辺の地質は、地質年代「第4紀」(約260万年前~現在)に火砕流の堆積物で形成された。
はっきりした台地の形をしているのが特徴で、九州では主に大分、熊本、鹿児島の3県に広がる。
発生したのは、いずれも台地周縁の崖や急斜面。
直近の雨のピークから4時間~7日以上経過した段階で崩れた。
大分県内では、住民6人が犠牲になった中津市以前にも、2003年7月に日田市三和で土砂崩れ(1人死亡)、05年11月に竹田市会々で崖崩れ(家屋1棟全壊)が起きていた。
中津市の山崩れを受け、国交省の九州地方整備局と国土技術政策総合研究所、大分県、学識経験者は、メカニズム解明などを目的とした研究会を設置。
崩落現場の調査で、崩れた斜面の内部に地下水が集まっていたことが確認された。
地質が複雑で、異なる地質の境界に地下水がたまりやすくなっているとみられるという。
このため、長い時間をかけて境界付近が粘土化するなどし、雨が降っていない状態でも崩壊した可能性があると推測されている。
研究会は、火砕流台地周縁の地形解析や地質調査などを進めている。
九州地方整備局は、「崩壊の発生メカニズム解明や、今後崩壊する危険性が高い斜面を探る手法の確立を目指す」と話している。
【耶馬渓の山崩れ現場上空で電磁探査】
国交省の九州地方整備局と国土技術政策総合研究所は21~23日、中津市耶馬渓町金吉の山崩れ現場上空で電磁探査調査をした。
一帯に広がる火砕流台地の地下水などの状況を把握し、雨が降っていない状態での崩壊メカニズム解明や調査手法の確立につなげるのが目的。
県などでつくる研究会の取り組み。
対象エリアは現場を含む約12km2。
ヘリコプターで地上30mの高さにつるした磁気センサーで磁場を発生させ、地下150mまでの範囲で地下水のある場所を調べた。
今後、湧き水の水量観測も始め、流れ出る地下水の特性や地形・地質との関連性の分析などに役立てる。
調査は、同様の斜面崩壊が起きた九州8カ所の一つ、鹿児島県南大隅町の現場でも今月、実施している。
出典
『大雨ないのに斜面が崩壊、共通点は「火砕流台地」』
https://www.oita-press.co.jp/1010000000/2019/05/24/JD0058103013
2021年4月11日11時43分にNHK大分からは、出された報告書では詳しい原因は分からなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大分県中津市耶馬溪町で6人が亡くなった大規模な土砂崩れから、きょう・11日で3年となり、地元で慰霊式が行われました。
・・・
この土砂崩れは山の斜面が突然、大規模に崩れたもので、地下水が何らかの形で関係しているのではないかという調査報告が出ていますが、詳しい原因はわかっていません。
現場は高さ100メートル、幅200メートルにわたって崩落防止の対策工事が行われ、これまでに完了しています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/oita/20210411/5070009470.html
※以下は2018年7月付の報告書中、原因に言及したと思われる部分の抜粋。
『平成 30 年 4 月 中津市耶馬渓町金吉梶ケ原地区における斜面
崩壊と今後の問題点』
P51)
7.まとめと今後にむけた提言
今回の崩壊は,降雨や地震との直接的な関係がなく発生した。
・・・・・
今回の場合は下位の耶馬渓層と呼ばれる堆積岩類が何らかの条件で脆弱化して深いすべりを発生させ,斜面に堆積していた溶結凝灰岩の岩塊を主体とする落石堆を崩落させたものである。
その何らかの条件の中に,溶結凝灰岩のキャップロック構造とその雨水の貯留が関係しているものと考えられる。
また,火砕流台地縁辺部が抱える問題として,溶結凝灰岩の侵食によって下位層が除荷作用によって風化変質が助長されるということが挙げられる。
今回の崩壊でも斜面表面に近い耶馬渓層全体が脆弱化していた可能性も考えられる。
・・・・・
https://www.jiban.or.jp/wp-content/uploads/2018/07/yabakei201807.pdf
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。