2019年5月23日付の毎日新聞夕刊紙面に、下記趣旨の記事が掲載されていた。
『どうすれば安全安心 Dr.白澤 100歳への道』
【添加物の二酸化チタン】
二酸化チタンは白色で、自動車の塗装、塗料、プラスチック、印刷インキ、食品添加物、・・・と用途は幅広い。
食品添加物でも白色着色剤としてチューインガム、脱脂粉乳、チーズ、・・・などに使われている。
しかし、二酸化チタンは発がん性が指摘され、国際がん研究機関(IARC)は、二酸化チタンを「ヒトへの発がん性がある可能性がある」グループ2Bの物質に分類。
フランス政府は2020年1月1日から二酸化チタンを含む食品の市場投入を禁止すると先月(4月17日)発表し、安全性に対する懸念が広がっている。
【気になる脳、認知症への影響】
中国・広州市の南方医科大のビン・ソン博士によれば、食品添加物に使われている二酸化チタンはナノ粒子という非常に小さい粒に調整されているので、脳血液関門を通過して脳に到達し、神経毒性を示す可能性があるという。
実際、二酸化チタンを投与したネズミ実験に関する13本の研究論文を詳細に評価したところ、経口投与、静脈注射、皮下注射、鼻腔投与のいずれの方法でも脳内に到達し、神経細胞に対する酸化ストレスや神経毒性、さらに空間記憶や学習などの認知機能障害が報告されているとし、安全性に対する警鐘を鳴らす。
また、そのうち3本の研究では、二酸化チタンを妊娠ネズミに投与し子孫への影響を検討しているが、胎盤を通過して胎児の発育を阻害し、子孫で精神神経発育障害が認められた。
二酸化チタンは日本でも使われているが、認知症が急増している時代背景を考慮すると、認知機能に影響を及ぼし得る食品添加物については、長期的な健康影響を再評価する新規評価軸も必要になるだろう。
(白澤卓二・お茶の水健康長寿クリニック院長)
※フランス政府の動向詳細は、下記記事参照。
(2019年4月26日 パリ発 ジェトロ ビジネス短信)
政府は4月17日、フランス独自の規制として、2020年1月1日からナノマテリアルである二酸化チタン(TiO2/E171)を含む食品の市場投入を禁止すると発表した。
二酸化チタン(TiO2/E171)は、EUでは食品添加物(白色着色料)として認可されており、チューインガム、歯磨き粉、日焼け止めクリームなどの食品、化粧品、医薬品に使用されているが、食品環境労働衛生安全庁(ANSES)は、二酸化チタンがナノ粒子のため生体組織を通過しやすく、発がん性物質の可能性があるとしている。
政府は、2018年10月に成立した「農業と食品部門における商業関係の均衡、健康的、持続的で全ての人にアクセス可能な食品のための法律(通称:食品法)」で、「重大、または緊急の危険がある場合、二酸化チタン(TiO2/E171)および二酸化チタンを含む食品の市場投入を停止するアレテ(執行的決定)を発布する」と規定し、ANSESに二酸化チタンの毒性の再評価を付託していた。
ANSESは、4月15日、政府に提出した意見書で、「二酸化チタンの発がん性のリスクに対する疑いを排除する新たな情報はない」、「データ不足のため、許容一日摂取量(ADI:Acceptable Daily Intake)を定めることができない」として、「ナノマテリアルを含まず、機能、有効性において同程度で安全な製品を奨励することにより、労働者、消費者、環境の被害を制限することを推奨する」と結論付けた。
今回の決定は、「EUが充分な対策を講じていないと判断する場合、加盟国は独自に緊急措置を取ることができる」とする、EUの一般食品法(欧州議会・理事会規則178/2002)第54条に基づく措置。
フランスは2018年2月、潜在的なリスクの存在を明らかにした新たな研究発表を考慮し、欧州食品安全機関(EFSA)が完全な再評価を実施するまで二酸化チタン(TiO2/E171)の認可を停止するよう、欧州委員会に求めていた。
『食品添加物の二酸化チタン(TiO2/E171)を2020年から禁止 (フランス)』
https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/04/e76813f0a19fd209.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。