2018年3月9日16時47分にHTBニュースから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3月9日18時45分にNHK北海道からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
午後0時半ごろ、上川の美瑛町にある辺別川(べべつがわ)で、護岸工事をしていた男性(51歳)が、川の上流から流れてきた大きな雪の塊に巻き込まれた。
男性は大量の雪の中からおよそ1時間半後に助け出され、病院に運ばれたが、意識不明の重体だという。
警察によると、当時、現場では男性を含む3人が護岸工事をしていた。
川の上流にあった雪の塊が解けて押し寄せた可能性があるという。
出典
『美瑛 護岸工事中雪の塊に巻き込まれ 心肺停止』
https://www.htb.co.jp/news/archives_879.html
『男性が雪に埋まり意識不明 北海道 美瑛町の工事現場』
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180309/k10011358251000.html
3月11日13時18分に読売新聞からは、9日は大雨だったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
気象庁によると、北海道内は9日、上川、釧路両地方を中心に73地点で3月の1日の最多降水量記録を観測した。
最多だったのは釧路市の146ミリ。
道河川砂防課によると、Tさんは護岸工事に従事し、9日の昼休みに同僚と河川の水位を確認中、上流から流れてきた大量の雪や土砂で生き埋めになった。
出典
『川の水位確認中に生き埋め、護岸工事の男性死亡』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20180311-OYT1T50050.html
3月11日付で毎日新聞北海道版からは、男性が死亡したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
道警は10日、大雨や気温上昇による雪解けで水位が上昇した美瑛町の川で、流れてきた雪の塊に埋まり、意識不明の重体だった会社員のTさん(51)が死亡したと明らかにした。
北海道では9日、発達した低気圧が通過した影響で、各地で大雨となった。
気温上昇で雪解けが進み、河川の増水や住宅浸水も相次いだ。
出典
『美瑛の大雨 雪の塊に埋まった重体の男性死亡 護岸工事中 /北海道』
https://mainichi.jp/articles/20180311/ddl/k01/040/017000c
(2018年6月2日 修正1 ;追記)
2018年6月1日付で毎日新聞東京版から、アイスジャムという現象だった可能性が高いなど、下記趣旨の記事が模式図付きでネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
北海道で3月、河川が急激に増水して、護岸工事をしていた男性が死亡したり車が流されたりする事故があった。
川の流れを氷の塊がせき止める「アイスジャム」が決壊し、現場付近に氷を含んだ雪泥流が一気に押し寄せた可能性が高い。
急な気温の上昇や、まとまった降雨が背景にあったとみられ、専門家は「雪泥流の威力は非常に強い。気候変動が大きくなる中、北海道以外の寒冷地でも被害が出る可能性がある」と、注意を呼びかけている。
【気温上昇、大雨で】
アイスジャムは、河川の表面を覆っていた氷や雪が気温上昇で割れて流れ出し、たまって途中でダムのように川をせき止める現象を指す。
川の幅が狭くなる部分や蛇行部、橋脚付近などで起きやすいとされる。
この時期は、雪解けで水量が増すだけに、上流側で水位が急上昇して氾濫被害が起きたり、詰まった氷が決壊して下流に氷を含んだ雪泥流が一気に下る現象が発生したりする。
【北海道では毎年】
発達した低気圧が通過した3月9日、北海道では太平洋側を中心に季節外れの大雨となり、気温も上昇。
北見工大の吉川泰弘准教授(河川工学)らの調査で、この時、少なくとも道内11河川でアイスジャムが起こった可能性が高いという。
美瑛町の辺別(べべつ)川で、護岸工事の作業中だった男性会社員(当時51歳)が流れてきた大量の氷雪の塊に埋まって死亡。
日高町の沙流(さる)川上流では車3台が流され、作業員11人が近くの発電所に避難した。
それぞれの現場では、大きさが1~3m、厚さ40cmの氷の塊が流れた痕跡があった。
吉川准教授は、「この時期の大雨は、例年より1カ月近く早い。氷が硬く大きいまま割れて流れた箇所も多かったのでは」と分析する。
国立研究開発法人「寒地土木研究所」(札幌市)によると、アイスジャムは北海道では毎年起きているとみられる。
1961年4月、天塩(てしお)川の水位が上昇して氾濫。
北海道開発局の記録では、457haの田畑が冠水して、34戸が床上・床下浸水した。
94年2月には、札幌市西区の琴似発寒(ことにはっさむ)川でアイスジャムが決壊し、河川工事現場からショベルカーごと流された作業員が死亡する事故があった。
同研究所寒地河川チーム主任研究員の横山洋さんは、「1トン以上の巨大な氷が大量に勢いよく流れてくれば、人間はひとたまりもない」と、危険性を指摘する。
【予測モデル作成を】
いつアイスジャムや雪泥流が起きるかを把握するのは難しいうえ、人目につかない発生現場から遠く離れた下流で被害が出ることもある。
対策として、吉川准教授らは、川の流れや氷の浮力を考慮して発生時期の予測モデルを作成することなどを挙げる。
寒冷地に限定した現象だけに、研究者も極めて少ないが、「漂流物による被害という観点では、豪雨や津波による流木などの河川災害も共通する部分がある」と説明。
(1)どこで詰まるか
(2)どのくらいの水位になるか
はアイスジャムの対策研究でも重要で、氾濫範囲や河川に近づかないように注意喚起するタイミングなどをより詳細に絞り込めれば、想定外の被害を抑えることにつながると見ている。
出典
『くらしナビ・気象・防災 「アイスジャム」 雪泥流の脅威』
https://mainichi.jp/articles/20180601/ddm/013/040/009000c
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。